新堂 冬樹
角川書店 (2003/02)
売り上げランキング: 48,319
通常4日間以内に発送
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りょーち的おすすめ度:

「これ、ホントに新堂冬樹の本ですか?」と若いひょろっとした段田安則似の書店員の方に聞きそうになった。先ず、装丁からして新堂冬樹っぽくない。(新堂冬樹入っていないって感じ)。
なんとも新堂冬樹っぽくないが、新堂フリークのりょーちとしては読まねばと一念発起して買っちゃったのだ。
春に降る雪は「忘れ雪」。
忘れ雪に願い事をすると叶うって本当ですか?
「こんなの新堂冬樹ちゃう!」(まあ、押えて押えて・・・)
物語は深雪という少女が傷ついた子犬を拾うとこから始まる。深雪の家はそれほど裕福ではなく、しかも故あって伯父夫婦の家に住んでいる。公園で途方に暮れている深雪の下に桜木という学生が現れる。桜木の家は獣医を開業しており、桜木自身も獣医志望である。桜木と深雪は子犬を桜木の病院まで運び手当てを受け、奇跡的に子犬は一命を取り留める。
子犬を家につれて帰る深雪だが、伯父夫婦から当然の如く飼ってはいけないと反駁される。伯父夫婦の家は裕福ではなく、しかも深雪を京都に預けるという構想を持っていた。深雪は実は里子に出されることをそれとなく知っていた。
子犬をどうにか飼うことを許して貰った深雪は子犬に「クロス」という名前をつける。クロスの名前の由来は子犬の胸に十字の痣が認められたためである。深雪はクロスとともに公園に行くことが日常となった。深雪は絵を描くことがとても好きでしかも非常に上手だった。
深雪が公園に行く理由はもうひとつあった。クロスを助けてくれた桜木に再会するためだった。淡い恋心を持つ少女の願いは果たして届き、桜木と無事再会できる。しかし、既に京都に行くことが決まり、桜木との別れが近づいていた。桜木と深雪は7年後にこの公園で会うことを約束する。そして深雪は京都へと旅立つ。
ここまでは「お、新堂冬樹、どーしたの?」「キャラ違うじゃん?」と思ったものだ。まるで丹古母鬼馬二がNHKの「お母さんと一緒」の歌のお兄さんになったような違和感を受けた(って実際ありえないけど)。
このあたりから徐々にりょーちの知っている新堂冬樹が帰ってきた(ほら、来た)
で、7年後桜木は大学を無事卒業し、父の桜木動物病院を継いで立派な獣医師として前途洋々の日々を送っていた。父は既に隠居し実質的ない院長は桜木であり地域住民からも頼りにされている。弟の満は荒れ果てた生活を送り、何の仕事をしているかわからないが怪しい仕事のようである。病院を手伝っているのは金井静香という(美人?)女性看護師と中里信一という元ペットショップのトリマーというメンバー。金井静香は密かに(というか大っぴらにか?)桜木に好意を寄せている。
そこに、7年後の約束を果たすため京都から戻ってきた深雪と遭遇する。が、桜木は深雪のことも深雪との約束も忘れてしまっている。深雪は自分の正体を明かさず桜木にアプローチをする。静香から告白されていたが返事を保留していた桜木は次第に深雪に惹かれていく。深雪は現在東京の美術大学で絵画を専攻していた。深雪は桜木に自分のことを気づいてほしかったが、桜木は気づかずじまい。
結局深雪はパリへ留学することとなる。あのときの少女とは気づかない桜木だがどうしても深雪が好きになったため深雪の部屋を訪れるが、時すでに遅く、深雪は旅立った後だった。深雪の部屋に残された手紙を見てやっとあのときの少女だったことに気づく。
いやー、この後はちょっと、今まで書いた感想が何の意味を成さないほどに凄いことになってます。
新堂冬樹の本の醍醐味は人が壊れていく様が細かく書かれていることなのですが、今回壊れるのは(言っちゃいますけど)金井静香である。
いやー、もう、女性って怖い(^^; って思いますよ。「お前、何すんの?」と往年の漫才師の「クルミミルクの飛びツッコミ」(って誰も知らないか?)を食らわしたくなるような悪行三昧ですわ。
ラストもかなり泣けます。これは結構ありでしたねー。
やっぱり人間を表現させたら新堂冬樹はピカイチですな。


私は新堂氏の作品は初めてなので 前半の純愛路線が崩れたのにびっくりして残念でした。
文才のある方なので あのラブストーリーをあのまま完結して欲しかった。と言うのが感想かな。
私もTBさせていただきましたので よろしくお願いします。
上のAYAKOさんと同じで新堂氏の作品は初めてだったので、後半はもう何がなんだか分からなくなっちゃいました。ヤクザやら権力やらはいらないよ・・・
それにしても、ほとんどの人が同じような感想を持ってるんですね。
トラックバック(勝手に)送ってしまいました(^^;
新堂冬樹さんの小説は「忘れ雪」が最初とのことですので、確かに後半の部分には違和感を覚えられたことでしょう。
私もまだ新堂冬樹さんの作品を数点しか読んだことはないのですが、
「カリスマ」「銀行籠城」「無間地獄」
と読み進めていったため、逆に「忘れ雪」の前半部分にかなり違和感を覚え、「あー、こういった作品も書くのかぁ」と感じました。
確かに
>ラブストーリーをあのまま完結して欲しかった
というストーリーも読んで見たい気がします。
そういった意味ではあの「子犬」の装丁と後半のストーリーにかなり乖離が見受けられますよね。
個人的には十分楽しめました。
AYAKOさんのページは2002年の6月くらいからの記事から始まっているように見受けられましたのでWebの世界では私よりかなり先輩(?)なんですねー(^^; 映画の話題で「スウィング ガールズ」をお薦めされていましたが、私、これかなり見たかったんですよね。もうすぐDVDも発売される(された?)ようなので是非見て見たいです。
映画といえば昨日録画した横山秀夫原作の「半落ち」を見なければ・・・
ではでは。
はじめまして。
へぼ太さんも「初新堂冬樹」なんですねー。
>後半はもう何がなんだか分からなくなっちゃいました
うーむ、そーですね。前半部分とはかなりかけ離れてますよね。
私としては後半部分で「おっ、やっといつもの新堂冬樹が戻ってきたーっ」って感じでした(^^;
そーいえば、へぼ太さんのサイトを拝見すると、どーも「最高学府の大学院生」の方のよーな気が・・・
新堂冬樹の作品にはどれも「救いようのない悪」が多々出現します。へぼ太さんがキャリア官僚になった暁には、是非そーいた面々を駆逐していただければと思います。
国家I種試験、頑張ってくださーい。
ではでは。
ネットを始めたのは確かに早かったですが blogを作ったのは昨年です。
でも以前から感想も少し書き残していたので ハクを付ける為に掲載しました。(#^-^#)v
これからは小説も読んで 感想も書いて行きたいと思ってます。
フェレットのHPもありますので 覗きに来て下さいね。
これからもよろしくお願いします。
>ハクを付ける為に掲載しました。(#^-^#)v
そーなんですかー。
>フェレットのHPもありますので
我が家ではウサギを飼ってました(が、お月様に逝ってしまいました・・・)
是非、かわいがってあげてくださいね。
ではでは。
TBありがとうございました!!
私も他の方と同じように新堂作品は初めてなので前半と後半の違いに付いていけなかったんです。
でも恋愛を書くキャラじゃないのに、あそこまで泣けるような話を書けるのはすごいですよね。
金井静香の壊れっぷりは読んでて怖くなるほど。同姓ですがあそこまでするようにはなりたくないですね…
>新堂作品は初めてなので前半と後半の違いに付いていけなかったんです
初新堂さんだとすると、あのノリは確かにお辛いかと思います(^^;
>でも恋愛を書くキャラじゃないのに
そーなんですよねー。でも、人間そのものを書くという技術はかなりあるなーと感じています。このあたりは花村萬月さんや梁石日さんにも言えるのですが、暴力を通じて人の本質が描かれているなあと感じます。
>金井静香の壊れっぷりは
あ、あれ、ひどかったですねー。恐ろしすぎます。(あんな人はめったにいないと思いますが)
今後も新堂冬樹さんに期待です。
ではでは。
コメントいただきましてありがとうございます。
なんと、わかさん、まだ中学生なんですねー。中学生で「新堂冬樹」とは・・・末恐ろしい(^^; 真っ直ぐに育っていただきたいものです。
金井静香の突然の壊れ方には瞠目してしまいました。
ラストの豹変を感受できるかどうかでこの作品を良作だと感じるか駄作だと感じるかがわかれることとおもいます。
わかさんはどちら派でしょうか?
読了したらまたご意見など伺うことができればなあと思います。
ではでは。
>とても幸せな気持ちになれる純愛ストーリーでした
終わり方は結構よかったよーな気がします。
金井静香の豹変振りは新堂冬樹ワールドそのままだなーとは思いましたが・・・
全体を通じてはわりと良作だったのかなーと思います。
ではでは。
九年間一希を思い続けた深雪、多くの障害を乗り越えてやっと深雪に出会えた一希。二人は永遠かのように思われたのに、突然で永遠の別れ。失明していた深雪の気持ちを思うと心が痛み、泣きました。
この物語は、情景がとてもイメージしやすいので、すぐにのめり込みました。最後のところで深雪が誓いの指輪に唇を重ね涙を流すところでは、目頭が熱くなりました。
僕はこの感動と衝撃を一生忘れることはないと思います。
物語中盤までは「これ、新堂冬樹?」と訝しがるよーな流れでしたが、終盤、やはり新堂冬樹節が如実に露呈されてしまいましたねぇ。
はじめて読んだ新堂冬樹の本が、この「忘れ雪」だった人は相当ショックだったのではないでしょうか?
今後の新堂冬樹を語る際にかならず持ち出されるよーな一冊であったことは間違いないかと思います。
ではでは。
それと、もうひとつ。同著者の「ある愛の詩」という作品はどうなのでしょうか?読んでみる価値はありますか?
私は、はじめから「ハッピーエンドはありえない」と思っていました。何故ならこの本の作者が新堂冬樹だからです。新堂冬樹の作風だからです。
「ある愛の詩」は読んでいないのでよくわかりません。しかし、新堂冬樹の作品なので「何かある」のかもしれないですね。
あまり参考にならなくて申し訳ありません。
ではでは。
お問い合わせの「新・風のロンド」ですが、結論から申し上げますと私のところには既にVTRは存在していません。連続ドラマでしたので、見た先からどんどん消してしまっております。
ご期待に添えなくて申し訳ありませんでした。(再放送かレンタル店などにあるかもしれませんね)。
それでは。