2014年11月29日

西尾維新:「掟上今日子の備忘録」 このエントリーをはてなブックマークに追加

掟上今日子の備忘録
掟上今日子の備忘録
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西尾 維新 VOFAN
講談社
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りょーち的おすすめ度:お薦め度

探偵とは事件を解決するためにいろんな知識が必要となるんだろう。
この物語に登場する探偵「掟上今日子(おきてがみきょうこ)」さんは記憶力には自身があるようだが唯一の弱点は「一度寝て起きたらそれまでの記憶がリセットされる」ということである。
この設定を聞くと私を含めて多くの人が、小川洋子さんの博士の愛した数式を思い浮かべることだろう。あの博士は半ば世捨て人的な状態になっていたのだが、掟上今日子さんは25歳の女子。
朝起きたらリセットされる今日子さんの記憶のバックアップとして、自らの左腕に「私は掟上今日子。25歳。置手紙探偵事務所所長。白髪、眼鏡。記憶が一日ごとにリセットされる」とマジックで書かれている。毎朝これを見て自分を思い出しているようだ。
寝て起きたら記憶がリセットされる。さらに今日子さんは朝6時に起きて夜11時には寝る。捜査に使える時間は限りなく短い。しかし逆に言えば事件を解決する時間も当然短いため、最速の探偵であるのだ。
探偵への依頼というものはデリケートな内容が多く他人に知られては困るものが多そうだが、その点今日子さんは、記憶が一日ごとにリセットされるため、安心して秘密を打ち明けることができる。何しろ明日には依頼人のことさえも記憶にないのだから。
何しろ一日で事件を解決するから優秀なのは間違いない。

で、探偵小説ってことは何らかの事件が起こり解決するわけだが、もう一人の主人公は隠館厄介(かくしだてやくすけ)。彼の特徴は体が大きいことと事件に巻き込まれ犯人扱いされやすいことである。そのため、常に多くの優秀な探偵が連絡先に登録されている。
掟上今日子さん以外にももちろん優秀な探偵がいるのだろうが、隠館厄介としては掟上今日子さんに惚れているので今日子さんを読んでしまうのだ。しかし、悲しいかな厄介が掟上さんとどんなに楽しい時間(というか、事件に巻き込まれている時間でもあるので本来は楽しい時間ではないはずだが)を過ごしても明日には厄介のことを覚えていない。常に「はじめまして」からスタートである。

物語のパターンとしては
  1. 厄介が事件に巻き込まれ、犯人扱いされる
  2. 掟上今日子さんを呼ぶ
  3. 本日中に事件解決
ってのが王道パターンと思われる。本書は「初めまして、今日子さん」、「紹介します、今日子さん」、「お暇ですか、今日子さん」、「失礼します、今日子さん」、「さようなら、今日子さん」の5つの短編からなるのだが、先の王道パターンは実は「初めまして、今日子さん」でしか適用されていない。
なお、「お暇ですか、今日子さん」、「失礼します、今日子さん」、「さようなら、今日子さん」では、ミステリー小説界の巨匠・須永昼兵衛さんに関連する事件となるが、実はこの須永昼兵衛さんの小説が、掟上今日子さんが探偵になるきっかけになっているようである。
また、二話目以降に登場する一流出版社作創社の編集長にの紺藤さんは以前厄介が作創社で働いていた頃からの知り合いのようだが、何故か初めて合うはずの探偵、掟上さんのことを知っているような感じなのである。

この5つのストーリーは今後の「掟上今日子」シリーズの人物紹介的な位置づけなのかなとも思われる。
主人公の掟上今日子さん、隠館厄介くん、紺藤文房さん、そして名前は出てこないが「事件解決率100パーセント」を誇る「万能の探偵」(厄介はこの探偵を呼ぶのを躊躇しているが)などが今後のシリーズで登場することと思われる。
何故今日子さんは探偵をしているのか?その秘密もシリーズが進むにつれ解き明かされていくことと思われる。
次のシリーズがとても楽しみだ。

気になったのは「備忘録」を辞書で調べると
備忘録(びぼうろく)は、記憶すべき事柄を簡単にメモするための個人的な雑記帳である。
と書かれている。
「掟上今日子の備忘録」とは誰のための「備忘録」なんでしょうかねぇ?
もちろん掟上さんは一日経つと記憶がなくなるので備忘録的なものは必要だとは思うんですが…

あ、肝心の謎解きの部分ももちろん楽しめますよ。時間に制限があることで長編のストーリーは向かないと思われる、この短編向けの探偵物語の続編を早くよみたいですなぁ。
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2013年07月31日

井上夢人:「99人の最終電車」 このエントリーをはてなブックマークに追加

井上夢人さんの「99人の最終電車」を読んでいる。結構前からあったのだが、いつからあるのだろうと検索してみた。井上夢人 鼎談あたりを読んでみると連載が始まったのは1996年の4月らしい。結構前からあったんだなぁ。

要はハイパーテキストを使った小説なのだが、当時からすると結構画期的だったような気がする。
今なら電子書籍とかそれこそWiki Enginesのどれかを使ってより簡単にできそうだが、フレームを使ったこのハイパーテキストは作る方の気力もかなり必要に思えてくる。

さて、読み始めて「99人の最終電車」にオチはあるのか?どこまで読み進めることができるのか?という疑問がわいてきた。

せっかちな私は、Googleで検索し、最後のオチらしきもののページにたどり着いてしまった。なるほど、オチが分かってくるとなぜそうなったのか読みたくなってくるな。
この小説は、99人の登場人物、登場人物のいる場所、そして時間という3つの軸があるようだ。各登場人物同士がどう絡んでくるのか、ちょっと時間を見つけて読んでみよう。

まあこれ読んでるとサイトをスクレイピングしてWiki化するようなプログラムとか書いてみたくなるな。暇があったら(ないけど)チャレンジしようかなぁ。
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2012年07月13日

原田美砂:「直感を信じて、進め」 このエントリーをはてなブックマークに追加

直感を信じて、進め。
原田 美砂
WAVE出版
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りょーち的おすすめ度:お薦め度
だいたい私が読む本は普通の小説ばかりで所謂ビジネス書とか自己啓発書のよーなものは全く読まないのだが今回はちょいとこれを読んでみた。著者は世界的な帽子デザイナーのようであるが、実は私はこの本で初めて知った。彼女の経歴はこちらを参考にどーぞ。
misaharada Official Web Site | ミサハラダ 公式ホームページ | Profile(情熱大陸とかにも出ていたらしい。原田美砂(帽子デザイナー): 過去の放送 - 情熱大陸
上記サイトにも書かれているが名古屋の進学校を卒業後、単身でイギリスに留学し、ロンドンのロイヤル・カレッジ・オブ・アートを卒業した彼女はエリザベス女王在位50周年記念式典のパレードでエリザベス女王が着用する帽子に選ばれたりしたようである。その彼女が自身のブランドを作り世界に認められるまでのデザイナーになったか。さらに仕事で大事にしていること、帽子についての魅力、ロンドンでの生活などについて紹介されている。
で、一言で言うと「元々この人はポテンシャルとしてかなり高いものを持っていて、更にそれが人並み以上のとてつもない努力をしてしまったので超すごい人になってしまいました」というもの。
ビジネスマンが自己啓発書として自分を重ねて読むこともできなくもないが、まあ普通のビジネスマンでは真似ができないと感じる。やはり初めから器がかなり違うんだよなーと思ってしまう。それほど「どーだ、まいったか、凄いだろー」というたたみかけるような自画自賛の連続なのである。まあ、ホントに実力があるのでいいんだけどね。
例えば小学生の野球教室でダルビッシュが「頑張ればみんなオレのようになれるよ!」って言ってもみんなやっぱダルビッシュにはなれないじゃん。でも「もしかしたらなれるかも?」と思った数人の小学生で且つ実力があり努力する人がまあホントにプロの野球選手になれたりするわけですな。
まあ、この本の通りにできる人はいないかもしれないけど、この本を読んだきっかけに「じゃあ私も頑張ってみるかなー」「オレもちょっと企画書いろいろ書いてみるかなー」とかっていうとっかかりの一つとなるかもしれんなぁ。
あと、彼女曰く「帽子が似合わない人はいない」らしい。必ず自分に似合う帽子があるようだ。また帽子を選ぶときは正面からだけ見るのではなく横のアングルからも見た方がいいらしい。なるほどそれはそうかもな。ちょっと参考になった。
あと、ちょっと気になったのはこの本は最近購入したのだが送付されたのは初版本のようだった。WAVE出版、強気に沢山印刷したのかなぁ・・・ そういやWAVE出版の広告って電車でよくみかけるあれかなと思って調べたがあれはサンマーク出版だった・・・(違ったすまん)
若い女性の方が読むと結構共感できる点が多いかもねぇ。

あと原田美砂さんに興味を持った方はこっちも参考に。
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2012年02月02日

綾辻行人:Another このエントリーをはてなブックマークに追加

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おすすめ度:お薦め度

久々に綾辻行人さんの小説を読んだ。綾辻行人さんと言えば誰もが知るミステリー小説作家。書店に平積みされていたこの小説もミステリーかなと思い、何の気なしに購入してしまった。まあ、結果としては良かった。

家に帰って手にとってよく見ると、この「Another」はこの冬からアニメで放映されているようである。なるほど、それで平積みになっていたのか。Another - Wikipediaによると『野性時代』(角川書店)にて2006年8月号から2009年5月号まで連載され、2009年10月29日に単行本が発売されたようだ。

TVアニメ Another 公式サイト

さて、内容だが、なかなかよろしかった。
通常推理小説といえば「誰かが死んで、その犯人は誰?」とかそういうパターンが多い。本書でも沢山の人が死ぬが、犯人探しとはちょっと違う。しかしキチンと推理小説になっていた。山口雅也さんの「生ける屍の死」に似たような印象を持ったな(お話しは全く違うけどね)。

胸の病のため入院していた榊原恒一は、入院先の病院で眼帯をした不思議な少女、見崎鳴に遭遇する。
退院後、少し遅れて夜見山中学の3年3組に転校してきた。恒一は同じクラスに病院であった見崎鳴を見つけ話しかけるが、クラスの中で見崎鳴については誰も話しかけている様子がなく、いないものとして扱われているようだった。鳴も恒一に「自分に話しかけないほうがよい」と忠告する。
その理由はこの学校の3年3組ではある年になると、生徒およびその肉親が謎の死を遂げるという噂によるものだった。
「3年3組の謎の死」の現象を防ぐには色々な方法が試されているようだ。見崎鳴をクラス全員が無視しているのも謎の死を防ぐための活動らしかった。
しかし、その活動も虚しく3年3組では5月についに死者が出てしまう。その凄惨な死に方に3年3組の生徒は「ついに現象が始まった」と感じ恐怖におののく。

「謎の死の現象」でわかりかけていることは以下のようなこと。
  • クラスに「死者」が紛れ込んでいること
  • 現象の対象となるのは、生徒および生徒と血の繋がりのある肉親、及びクラス担任の教師
  • 「死者」は以前の「3年3組の謎の死」の現象で死んだ人の誰か
  • 「死者」は周囲の記憶を改ざんする
  • 現象が完了すると「死者」はいなかったものとして痕跡が消える
物語の後半では「死者」をどうやら殺してしまえば、現象が止まるらしいという推測のもと、恒一と鳴たちの「死者探し」に焦点が絞られる。「果たして死者は誰なのか?」「この現象は止められるのか?」

いやー、素晴らしかった。ホラー小説かなとおもいきや、キッチリと推理小説になっている。ある特異な状況下での殺人事件だが、犯人探しはご都合主義的な超常現象に頼って解決ということではないところがよいね。
しかし、理由はここでは書かないが、アニメ化は結構な冒険だなーと感じた(本書を読めば誰でもそう思うはず)
あと、登場人物が結構悲惨な死に方をする。そういう意味でも、映像化となるとちょっと見るのをためらったりするな。

アニメの方は今回のクールだけなら3月には終了してしまうが、勇気を出してちょっと見てみようかなと思う。が、やっぱちょっと怖いからもうちょい考えるっす。
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2009年12月06日

藤崎未夏さん:平成21年度「心の輪を広げる体験作文」に登場する先生 このエントリーをはてなブックマークに追加

12月3日から9日までは障害者週間らしい。

障害者週間の趣旨によると
12月9日は、昭和50年(1975年)に「障害者の権利宣言」が国連総会で採択された日であり、国際障害者年を記念して、昭和56年11月28日に国際障害者年推進本部が12月9日を「障害者の日」とすることに決定しました。その後、平成5年11月に心身障害者対策基本法が障害者基本法に改められた際に、12月9日を「障害者の日」とすることが法律にも規定されました。
という経緯のようである。

障害者週間の趣旨には
我が国が目指すべき社会として、国民誰もが相互に人格と個性を尊重し支え合う「共生社会」を掲げています。このような「共生社会」は、国民一人一人がそれぞれの役割と責任を自覚し、主体的に取り組むことによりはじめて実現できるものです。
と明記されており鳩山由紀夫が目指す「友愛社会」の根幹に通じる考え方かなと思う。

で、鳩山内閣メールマガジン12月6日付の読売新聞社説を読んだ方はご存じかと思うが、この障害者週間の行事として「心の輪を広げる体験作文」を募集し、先ごろその作文の賞が決まったようだ。

小学生部門の最優秀賞には南阿蘇村立久木野小学校4年の藤崎未夏(ふじさきみか)さんが選ばれた。
この作文にちょいと感動した。

鳩山内閣メールマガジンより
熊本県阿蘇郡 南阿蘇村立久木野小学校4年
藤崎 未夏(ふじさき みか)

 私は、生まれつき左足がなくて、義足をつけています。学校生活の中で、足がいたい時やプールの時など義足をはずす時があります。

 四月になり、一年生が入って来ました。一年生は、まだ入って来たばかりで、私の事を知りませんでした。

 五月に運動会の練習が始まりました。体育館での練習の時、半そで半ズボンにはだしでダンスの練習をしていました。半ズボンだったので、義足をはめた足が目立っていました。その時、一年生が何人か集まって、
「にせ物の足だ」
と言いました。私は、すごくいやでした。今までも、同じような事を言われてきたからです。だから、いつも足が見えないように、長ズボンばかり着ていました。そして、いろいろ言われるのがこわくて、にげるように義足をかくしていました。本当は、何を言われても気にせずに、どうどうとしていたいと思っていたけど、その勇気がありませんでした。だから「にせ物の足」と言われた時も、がまんしていました。

 授業が終わり、担任の先生に相談しました。先生は、
「一年生に足の事を話してみようか」
と言いました。私は、みんなの前で話せるか、自信がなくてまよっていると、先生が、
「話してみようよ」
とはげましてくれました。

 その夜、私は一年生に話す文を考えました。内容は、「どうして足がないのか」とか、「みんなと同じことが出来る事」とか、「義足をはめた時は、どんな感じなのか」など、一年生にも分かるように書きました。

 一年生教室に話しに行きました。三人の友達が、一しょに来てくれました。一年生は、私の話しを、
「すごい。」
と言って聞いていました。その後、みんなの前で義足をはずした姿を見せました。一年生は、びっくりした様子で私を見ていました。その時私は、「やっぱりここでやめようかな」と思いました。でも私は、勇気を出して見せたり、質問をうけたりしました。その質問は、
1「走っている時義足は、はずれないの」と
2「手じゅつをする時は、いたくないの」
などの質問です。その時私は、こう答えました。1つ目は、
「ゴムみたいな所がすべり止めになるから、はずれません」
と答え2つ目は、
「ねむっているから、いたくないです」
と答えました。

 一年生に、義足の事を分かってもらうために、話をして、いやだった事とか、分かってほしいこととか、自分の気持を伝えられたし、一年生の気持ちもよく分かったのでよかったです。これからは、「にせ物の足」と言われないと思うと「ホッ」としました。

 勇気を出して話をしたことで、少しずつ自分の気持ちが変わりました。いやだった半ズボンやスカートがいやじゃなくなり、どうどうとできるようになりました。

 今では、一年生とも仲良く遊んだりしています。だれも「にせ物の足」と言わなくなりました。

 先生や友達から、勇気をもらって、自分の気持ちを一年生に伝えられました。ありがとうございました。これから、新一年生や新しい友達と出会った時は、勇気を出してどうどうと、自分の気持ちを伝えたいです。
この作文には「勇気」という言葉が5回も登場します。
未夏さんは「先生や友達から『勇気』を貰って気持ちを伝えることができた」と人から勇気を与えてもらったことに感謝しています。
未夏さんの半ズボン姿を見て「義足(にせものの足)」と指摘したのは一年生です。
心ない子供の言葉に傷ついた未夏さんは先生に相談にいったとき「小さい子供が言うことだからほっとけばいい。言わせたい人には言わせておけばいい」的な進言もあり得たかもしれませんが、この先生は「一年生に足の事を話してみようか」と未夏さんに提案しています。
「この先生、すごいな」
と正直思いました。先生の一言がなければもしかすると未夏さんは「勇気」を出せていなかったかもしれません。いずれ自ら「勇気」を出していたのかもしれませんが、先生の提案が未夏さんの気持ちを変える一助となったのは確かだと思います。

こういう先生が増えてくるといいな。
先生という職業はとっても大変だと思います。人を教えるって難しいよね。
先生はなんだかつらい仕事ばかりのような気もしないでもないですが、子供たちの背中をいろんな角度から押してあげて成長させてあげることができる素晴らしい職業なんですねぇ。

ただ先生と生徒も「人と人」とのつきあいなので、精神的にもすごく大変です。
Google suggestで「教師」で検索するとこんな感じです。

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教師 年収 898,000件
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うーむ。UNICORNのこの曲を思い出したな。
PTA−光のネットワーク− ユニコーン 歌詞情報 - goo 音楽

うつ病100万人超す、10年で2・4倍に  : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)って記事では「本来必要がない人までが、薬物治療を受けている面があるのではないか」とか言っているけどそんなこと言われても・・・

先生も大変な職業だけど頑張って!

「心の輪を広げる体験作文」の小学生部門で内閣総理大臣賞を受賞された藤崎未夏さんのメッセージ:心の輪を広げる体験作文に応募して|首相官邸ブログ Powered by Ameba

受賞者の藤崎未夏(ふじさきみか)さんの写真が以下に掲載されているようです。
asahi.com:心の輪体験作文・最優秀賞の藤崎さん-マイタウン熊本
聡明そうな女の子ですねぇ。

参考:2014年の24時間テレビで富士山登山に成功したようです!
放送内容|24時間テレビ 愛は地球を救う|日本テレビ
30日(土)31日(日) 
義足の少女が挑む富士登山 安藤美姫・宮川大輔と共に

左足を持たずして生まれた藤崎未夏さん。
幼い頃は、足の事で悩み、義足を隠して生活していた。
そんな、未夏さんが、自分に自信をつけたい、
両親に強くなったところを見せたいと富士山登山を決意。
その想いをサポートするのがフィギュアスケーター安藤美姫と宮川大輔。
日本が誇る世界遺産の大迫力の映像と共に未夏ちゃんの挑戦を完全生中継いたします。

参考:過去35年間の24時間テレビの募金額と視聴率
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2009年03月02日

篠田節子:「仮想儀礼」 このエントリーをはてなブックマークに追加

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りょーち的おすすめ度:お薦め度

篠田節子さんはりょーちの中ではあまりよく知らない作家さんなのだが、本屋でこの「仮想儀礼」の装丁を見てなぜか買ってしまったのだ。

新興宗教を題材にした小説は結構ある。読んだことのある本では新堂冬樹「カリスマ」、井上夢人「ダレカガナカニイル・・・」、大槻ケンヂ「新興宗教オモイデ教」など、気づいたら結構読んでるな。どの小説にも共通するのはハッピーエンドを迎えるようなストーリーではない。最初に言っちゃうけど本書「仮想儀礼」もその例に漏れずバッドエンドストーリーだな。

上巻・下巻の2冊というかなりのボリュームだ。
上巻では小説家を夢見る平凡な役所職員の鈴木正彦とホームレス風の男矢口がちょっとした儲けのために聖泉真法会という新興宗教を立ち上げる。正彦が作った売れない小説から適当にとってつけた教義と簡単なホームページから聖泉真法会がはじまった。
脱サラ感覚で立ち上げた宗教という名の事業は思いのほか好評で信者がどんどん集まってくる。上巻ではある企業経営者教団が大きくなっていく過程が書かれている。

しかし、下巻になるとガラリと雰囲気が変わる。別の教団との争いや週刊誌の記事などにより弾圧を受け始める。元々新興宗教なんて怪しいわけで、世間からカルト教団の烙印を押された聖泉真法会は信者がどんどん逃げていき、その規模もかなり縮小される。
更に自分に尊敬の念を抱いていたはずの女性信者達が「もう教祖なんてどうでもいい」といった感じで暴走しはじめる。次第に正彦の手を離れ始めた聖泉真法会はどこへ行くのか?

本書の読みどころは、やはり下巻に入ってからかな。信者が壊れていく様を最も冷静に見ている似非教祖の桐生慧海がどう決着をつけていくのか。本書を読むと千石イエスとその周辺の信者の関係はきっとこんな感じだったんだろうなぁとわかった気になるな。

教祖が法律系に強いってことが本書のいろんな場面で複線となってたりするため、教祖の前職が都庁の総務局総務部といったお役所エリート公務員って設定はなかなかよかったのではなかろうか。また「普通の人がある日教祖に」という面からも公務員からの転進ってのはよろしいな。

エグさでいけば勿論新堂冬樹のカリスマを超えることはないのだが、リアリティでは篠田節子に軍配が上がりそう。
それにしても宗教ってやっぱ怖いな。今世界で起こっている戦争は宗教的な理由による紛争も多々ある。人間の幸せのために人を超えるモノを崇拝した結果が戦争に繋がっているんだとしたら宗教なんて不要じゃないっすか?人を超える神のよーなものがもしいたとしても、神の言葉をホントに人は解釈できるんっすかねぇ?
「死んだら終わり。死ぬまではがんばる」ってのがシンプルでよいんじゃないの?

■他の方々のご意見
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2009年01月28日

鈴木光司:「エッジ」 このエントリーをはてなブックマークに追加

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りょーち的おすすめ度:お薦め度

すまん。
これはないわ。

SFなのかホラーなのか判別できないまま終了。
えーっと、内容は井上夢人の「ダレカガナカニイル・・・」でOK?

レビューするまでもないのかもしれんが、正直1680円×2=3360円をどうやって取り替えそうか悩むよ。なんで地球の磁場ごときが、宇宙全体を左右するほどの大事になるのか?(因果関係は逆だとは思うが・・・)

しかも主人公のフリーライターの栗山冴子と18年前に失踪した冴子の父親眞一郎がこれほどまでの大きな問題を抱えていたなんて、ちょっとご都合主義も甚だしいと思ったよ。
更に更に「藤村家失踪事件」を調べていた栗山冴子と事件の鍵を握る藤村精二という人物との関係に至っては、「え? 何ですか?」といわずにはいられない。
もうネタバレといわれてもいいのでホントにここですべてを書いて、これは買ってはいけないと叫びたくなるな。
まあ、こういうのが好きな人もいるかもしれないのでと思い直していいところを見つけようとするがちょいと難しいな。円周率のπの値に異変が起こるとかリーマン予想が崩れたとか次々と星が消えていくとかっていう上巻のはじめあたりはまだちょいと幸せだったのだが、考えてみるとここでも理論が破綻している。
数学的に考えれば無理数πの値が収束するよーな状態ってことは空間そのものがおかしいんじゃないのって感じで一般人にしてみれば「それが何か?」っていうくらいのレベルだろう。実際本書の登場人物もそんな感じ方だった。
宇宙の法則が崩れていくことに畏怖の念を抱く科学者たちと一般人のギャップがちょいと激しすぎるな。
ナスカの地上絵とかピラミッドとか空中都市マチュピチュとか過去の不思議な遺跡群についても幾つか言及されている。でも、そーいうのが好きな人は韮澤潤一郎に頼めばたま出版からオカルト本をゲットすることができるのでそちらを読んだほーがいいかも。

物語のラストに至ってはどうも大きく広げに広げすぎた風呂敷をしまい切れなくて風呂敷ごとゴミ箱に捨てたよーな終わり方にしか思えなかった。

鈴木光司の出世作といえば「リング」「らせん」「ループ」あたりかと思う。確かにこのあたりは読んでいてかなり楽しめた。「バースディ」はりょーちの中では不要だったのだが、本屋で鈴木光司のエッジが平積みされているのを発見し、「リングは昔楽しませてもらったし、ちょいと買ってみようかな」と思い大枚叩いて買ったら裏切られた感じだ。

amazonのレビューとか見てもやっぱりがっかりしている人が多い感じ。
今後鈴木光司の本を購入する際は慎重に行動しておこう。
なお、あくまでも一読者の意見なので(ないとは思うが)仮に鈴木光司さんがこのページを偶然にも見てしまったとき用にメッセージを書いておこう。
鈴木光司さんへのメッセージ
あくまでも一読者の意見なので、あまり気にしないでください。
(幸いにもこのページのアクセス数はそんなに多くないので気にしなくてもよいと思います)
それでは。
こんなのでいいかな?
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2009年01月07日

村上春樹:「羊をめぐる冒険」 このエントリーをはてなブックマークに追加

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りょーち的おすすめ度:お薦め度

本書「羊をめぐる冒険」は「風の歌を聴け(風の歌を聴けの感想)」「1973年のピンボール(1973年のピンボールの感想)」の続編。所謂「鼠三部作」の最終章に位置する。年末は暇だったので図書館で借りて読んでみた。
うーむ。正直よくわからんかった。「何? SF?」と思ったオレはやっぱ頭悪いな。
純文学って難解なものなんだねぇ。全国の村上春樹ファンのみなさん、すまんかった。
っていうか、ホントこれSFじゃないの? 「右翼の先生に入り込んだ羊」や「死んでいる鼠と話す」とか「耳に特殊な力がある女の子」とか、どう見てもSFだよね?イタコとか出てくるのかな?

ストーリーもなんだかよく分からなくなった。広告代理店を相棒と経営している僕の元に右翼の大物の秘書がやってきてパンフレットに掲載された羊を探せとの指令を受ける。その写真は北海道に住む友人の「鼠」から送られてきたものだった。で、特殊な耳を持つ耳のパーツモデルのガールフレンドと共に「背中に星型の斑紋がある羊」を探しにいくのだ。

たまたま泊まったいるかホテルに「羊」の重要な手がかりがあったりとご都合主義っぽい演出もあるのだがこれもガールフレンドの特殊な能力に起因していたのかねぇ。
それにしてもよくわかんなかったな。
「君はもう死んでいるんだろう?」
「そうだよ」と鼠は静かに言った。「僕は死んだよ」
えーっと、どういうこと?
鼠は自殺したことになっているんだが、その理由も「自分の弱さ」に起因するようなのだが、この考えもなんだかよくわからない。確かに前作から幾度となく鼠の弱さを垣間見ることができた。いろんなものから逃げてきた鼠はついに自ら死を選んだってことなのか。

それにしても本作で受ける印象として「風の歌を聴け」「1973年のピンボール」よりも非常に閉じた世界の話のように感じた。これは登場人物同士が意外な(意外でもないか?)ところで密接に関係しすぎているせいかもしれないな。
しかし、鼠はちっとも救われない役回りだな。この三部作の中の鼠の位置付けはなんなんだろう?主人公の身の丈を計る物差しなのかな?よーわからんな。

ふむ。しかしどうにも納得いかない部分が多すぎる。
この「羊をめぐる冒険」はりょーちには難しすぎたことはわかったが、折角図書館で借りて読んでみたのでいろいろ調べてみた。

やはりこの「羊をめぐる冒険」はいろんな解釈があるよーだ。中には「鼠三部作」の中での位置付け(ダンス・ダンス・ダンスも含む)や登場人物の行動をあれやこれや分析したりしているサイトも結構あった。こういうサイトを読みながらまたもう一回再読するのもよさそーだ。

とりあえず次回読む際に参考にしたいサイトをメモっとこう。ネタバレ的なサイトもあるので注意してね。どのサイトもなかなかよいですな。参考:
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2008年12月19日

森博嗣:「Θ(シータ)は遊んでくれたよ」 このエントリーをはてなブックマークに追加

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りょーち的おすすめ度:お薦め度
Gシリーズ第2弾。感想というか、メモだな。

飛び降り自殺と思われる死体の体の一部にギリシャ文字の「Θ」に似た謎のマークが発見された。更に数週間後、別の場所でも体の一部に「Θ」と書かれた飛び降り自殺の死体が発見される。偶然なのかそれとも連続殺人なのか?

この謎に首を突っ込みたくなるのが、西之園萌絵や加部谷恵美たちなんだな。
さて、細かいストーリーはおいといて、読み終わっての感想。

トリックについてはある程度の納得感は得られた。
謎は幾つかあるが、
「何故、口紅でΘと書かれていたのか?」
「被害者を結ぶ関係は何なのか?」
「犯人の動機は何なのか?」
「Θとの関係とは?」
ってのが大きな謎かな?

上記の謎で理解できないところもあった。
探偵役は例によって寡黙で消極的な海月及介。ホント、この海月くんって犀川先生と血縁関係があるんじゃなかろうか?
謎解きに関しては犀川先生の方が海月くんよりも早く謎を解くのだが、早い遅いってのはこの際どーでもいいな。寡黙な海月くんがこのシリーズで如何に少ない言葉で犯人を推理するのかが見所なのかもしれないな。
苦言を呈するなら、寡黙な海月くんを支える周囲の人々がもうちょっとにぎやかだと嬉しいんだが・・・(加部谷恵美か山吹早月あたりの頑張りが期待されるな)
もっと言えばこのGシリーズで最も大変なのは海月くんを如何に行動させるように脇役が頑張るかってことかもな。少なくともGシリーズの2冊を読む限りでは積極的に行動する海月及介を想像するのは難しい。三毛猫ホームズのホームズが片山刑事を動かすのもこんな苦労をしているのかもしれないな(三毛猫ホームズの場合は立場が全く逆なのだが・・・)

で、ちょいと驚いたのが真賀田四季の登場かな。久々に森博嗣を読んだので、S&Mシリーズをもう忘れかけてたよ。
前作の「Φは壊れたね」と今回の「Θは遊んでくれたよ」はGシリーズの導入編ってことなのかな? 真賀田四季、不気味すぎる登場だな。この真賀田四季の登場(ホントに西之園萌絵たちの目の前に登場するわけではないのだが)によりGシリーズはおどろおどろしく次回作に続きますよ。大きな伏線なんだろな、きっと。
ラスト付近は余韻を残して終わっているね。こんなサイトがあったら、めっちゃ怖いな。
検索しても出てきませんよーに。
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2008年12月12日

森博嗣:「Φは壊れたね」 このエントリーをはてなブックマークに追加

Φは壊れたね (講談社ノベルス)
森 博嗣
講談社
売り上げランキング: 213601
おすすめ度の平均: 3.0
3 Gシリーズ開幕.しかし、インパクトはいまいち・・・
2 10冊読むつもりで
2 文章的に少々難解
2 森博嗣作品を初めて読む人は止めた方がいい!
4 コピー・ライター的センスが凄い

りょーち的おすすめ度:お薦め度

久々に森博嗣を読んだな。

今まで、犀川創平&西之園萌絵シリーズ(所謂「S&Mシリーズ」)は読んだことがあったが、この「φは壊れたね」は新しいシリーズのよーである。

とはいえ、西之園萌絵も登場するし犀川先生も登場するんだな。
うーむまだこの一作しか読んでないが結構いいのではと思う(今更言うことか?)

今回の探偵役は海月及介というとても無口な少年。いやー、この設定すごいわ。
海月(くらげ)及介は安楽椅子探偵(アームチェア・ディテクティブ)に近い探偵なのかもしれないね。
三毛猫ホームズの片山刑事のよーに血が嫌いだから嫌だっていうケースは除き、こんなに事件に消極的な探偵は他ではお目にかかれないかもな。そこが面白い。
前作を読んだ方はこの海月及介と犀川創平がいろんなところでオーバーラップして見えるに違いない。

ストーリーはとあるマンションの一室で死体が発見されるところから始まるな。
死体で発見されたのはマンションの住人でN芸大の町田弘司。
密室での殺人に加え部屋の中で宙吊りにされた状態。
第一発見者は同じ大学の戸川優と白金瑞穂。

で、なぜかその殺人事件の発見時のビデオが録画されていたのだ。
そのビデオにはタイトルとして「φは壊れたね」と書かれている。

このビデオと状況証拠を元に事件を解決していくわけだ。

登場人物の中で事件に直接関係ありそうな人物は以下の人物
戸川優、白金瑞穂、町田弘司(以上N芸大)、船元茂樹(フリータ)、佐藤憲一(宅配便の配達人)、岸野清一(新聞配達人)、馬岡芳樹(町田の隣人)、黒澤道彦(大家)、赤柳初朗(探偵)【文庫記載順通り】

「この中に必ず犯人がいます。さて、誰でしょう?」というフーダニットものだね。
西之園萌絵も相変わらず事件に首を突っ込みたがるのだが、スーパーバイザー的な立ち位置のような気がした。西之園萌絵も大人になったか?
まあ、繰り返しになるが海月及介がやっぱすごいな。これ以上ないという必要最小限の動きで犯人を推理(というか想像)していく。

ただ、今回釈然としなかったのは読み終わって犯人が殺人に及んだ動機がいまひとつよくわからなかった点かな。(何か明確な動機ってありましたっけ? →既読の方々)

次回作は未読なので海月及介が相変わらず活躍するのかよくわかってないが、犀川創平&西之園萌絵ではなく海月及介&加部谷恵美&山吹早月って構成も結構イイかもな。淡々と物語が進むように見えるのはこの海月及介のキャラに起因するのかもしれない。

苦言を呈するなら、ひとつある。
この本って、余白が多すぎやしないか?
通常の単行本でもよいような気がするがノベルズでやっぱ出したかったんだろうな。
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