宮部 みゆき
新潮社 (1995/01)
売り上げランキング: 7,965
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おすすめ度の平均: 




りょーち的おすすめ度:

こんにちは、大宮デンスケです。(嘘です)。
もうね、絶対読んだほうがよいよ。
宮部みゆきのホントに初期の作品である本書「龍は眠る」。思えばこの本を読んで「この人はマジで凄い!」と思ったものである。「時代を代表する推理小説化になるかもねー」と昔バイト先の友人と話しをしていたのが今でも思い出される(りょーちの感もたまにはあたるのだ)。
本書には稲村慎司と織田直也という二人の超能力者が登場する。超能力者が登場する物語と聞いて、超人ロックやエスパー魔美やエスパー伊藤(?)を想像する人が多いと思う。エスパーになるとテレパシーやテレポーテーションやテレキネシスやクレヤボヤンス(遠感知能力)などが使えて「とっても便利」と思ったりするが、本書を読んで超能力はいらないかなーとも思い始めた。
雑誌「アロー」の記者、高坂昭吾は台風の日に雨にぬれた稲村慎司と出会う。慎司は自分は超能力者であると言う。勿論高坂は直ぐには信じられないが、マンホールに子供が落ちる事件の犯人が見えるという。慎司の語る犯人像を元に調査を進めると確かにある二人組みが犯人であると高坂も確信するに至る。
「慎司はどうやって犯人を知ったのか?」この疑問は慎司の従兄という織田直也から説明を受けることになる。直也は慎司のやったことは全部トリックであると理路整然と説明する。直也からの説明を受けても腑に落ちない高坂は超能力について独自に調査をすることとした。
一方高坂には脅迫状や以前の婚約者である小枝子に危害を与える旨の電話が掛かってくる。小枝子は既に別の川崎という男と結婚していた。
直也と慎司を追いかけるうちに、直也の行方が分からなくなる。直也のアパートに向った高坂はそこで三村七恵という女性と会う。七恵は声を出すことができないというハンディを背負っている。七恵と直也は最近知り合ったばかりだったが七恵の前から直也は突然姿を消し七恵も不安だった。高坂と七恵は直也の行方を調べるうちに次第に互いに心を引かれ会うようになる。
そんな中、小枝子が誘拐されるという事件が起こる。犯人は誰なのか。直也はどこへ。七恵と高坂の恋の行方は・・・
いろいろなモノやコトやヒトが最後に集約されるという気持ちよさは宮部みゆきさんならではと唸ること然りである。
本書は超能力を題材に使っているようであるがトリックには勿論超能力は使われていない。そういった意味できちんとしたミステリーとして仕上がっている。
その上で超能力という一見アドバンテージに見える能力を持つ二人の若者の苦悩を描ききっているという素晴らしさ。りょーちは読んでいてこの直也と慎司のキャラはどちらも宮部みゆきさんの好みのタイプの男性なのかなーと感じた。それはどちらのキャラにもとても愛情を持って書かれているように感じだからである。
本書はもう5〜6回くらい読んでいるのだが、何度読んでも感動する名作なのだ。
なお、1994年に金曜エンタテイメントの中で映像化されていたようだ。おそらく見たと思うのだがキャスティングなどはわからなかったのでぐぐってみたら、こんな感じだった。
稲村慎司:岡田秀樹
高坂昭吾:石黒賢
織田直也:東幹久
三村七恵:鶴田真由
うーむ。直也が東幹久なのかー。ちょっと今の印象とはかなり違うなー。高坂役の石黒賢と七恵役の鶴田真由はなかなか良いのでは?
※受賞歴:第45回(1992年) 日本推理作家協会賞 受賞
この作品は私の中で、宮部みゆきのNo.1です。
久々に読みましたが、かなりよかったです。
慎司と直也という二人の多感な少年の心理をかなり上手く描いていると思います。プロットも納得のいくものであり、さすが宮部みゆきさんと唸らされてしまいます。
懐かしめの作品(火車やレベル7とか)をもう少し読んでみたくなりました。
ではでは。
もう、これは絶対読めっ!の本ですよね。
MOCHAも大大大好き。
アタシにとっても、宮部さんのNo.1本です。
ドラマもしっかり録画しています。
ビデオに3倍モードで録画してるから、そろそろ、DVDに焼いておいた方がいいかな〜。(そんなビデオが山ほどあるんだが・・・)
りょーち@管理人っす。
なんと、MOCHAちゃんも読んでましたかー。「龍は眠る」かなりアリなんですよねー。今読んでもストーリーに無駄がないため10年以上前の小説とは思えないほどすんなりとその世界に入っていけるんですよね。
>ドラマもしっかり録画しています。
そ、そーなんですか! 素晴らしい。
MOCHA家にはまだ、いろいろ宝の山が眠ってそうですね。数年後、またこの本を読んでしまうと思います(^^;
ではでは。
いや〜,やっぱり宮部さんはよいですね。
宮部さんは話を作っても上手いと思うのですが,少年を主人公にしたら生きる話が多いんじゃないでしょうか。
久々に「龍は眠る」を読み返してみたくなりました。
トラックバック(勝手に)おくってしまいました(^^;
コメントいただきましてありがとうございます。
>少年を主人公にしたら生きる話が
>多いんじゃないでしょうか
そうかもしれませんね。
宮部みゆきさんの作品では比較的若い少年がキーパーソンとなる小説もかなりありますよねー。
>久々に「龍は眠る」を読み返してみたくなりました。
今でも古さを感じさせない宮部さんの筆力にただただ脱帽です。
ではでは。
直也と慎司の苦悩が上手く書かれた良作ですよね。超能力小説としてもミステリー小説としても破綻しないプロットはさすが宮部みゆきさんって感じですね。初期の作品の中でかなり好きな一作です。
ではでは。