2004年10月20日

東野圭吾:「ゲームの名は誘拐」 このエントリーをはてなブックマークに追加

ゲームの名は誘拐 (光文社文庫)
東野 圭吾
光文社
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りょーち的おすすめ度:

映画化もされたので、読まれている方はかなり多いとみた。りょーちも読んでみたばい。
映画では佐久間俊介役に藤木直人さん、葛城樹理役に仲間由紀恵さんとなかなかよいキャスティングではなかろうかと思った。本を読んでいて、主人公にこの二人を当てはめて読んでみた。

主人公の佐久間俊介は、サイバープランという会社の企画マン。大手クライアントの日星自動車への提案として新車発表を兼ねてモーターショー的なイベントである「オートモービル・パーク」の提案をしており、感触的に受注は決まっていたが、日星自動車の会長の息子で最近副社長に就任した葛城勝俊の提案で中止が決定的になった。
「おいおい、まってくれよ」てな感じで憤りを感じた俊介は直談判すべく、深夜に葛城家に足を運ぶ。家の前で思案していると、屋敷の中から怪しく塀を乗り越えてくる人物に出会う。捕まえてみると年若い女性。話しを聞いてみると、どうやら葛城家の娘の樹理だった。樹理はどうも家出の最中だったようだ。家庭に不満を持つ樹理の話しを聞くうちに俊介は葛城勝俊を唸らせるある計画を思いつく。それが、樹理の誘拐だった。
樹理と利害関係が一致した俊介は、身代金3億円を要求する。
当初この誘拐は純粋なゲームだった。俊介は警察の介入を予測し、様々な策略をめぐらせてこのゲームを有利に進めるはずだった。
身代金受け渡しに、日星自動車のユーザ用Webサイトを利用してカムフラージュした発言により、取引を進めていく。しかし、ゲームが進行し、身代金もGetした後に俊介は意外な事実を知らされる・・・

って話しなんだが、どうよ?


誘拐とは「誘拐する人間」、「誘拐される人間」、「身代金を要求される人間」の三者で成り立つが、本書ではとっても頭が良い人間が「誘拐ゲーム」に参加している。この駆け引きは読んでいてとても引き込まれた。
コアストーリーもその周辺の伏線やアイテムも結構面白い。読後感も「ふむ、なるほどー」という感じだった。映画化もして話題にもなった。ミステリーとしてどうか?
りょーち的には、「うーむ、あともうちょい膨らましてほしかったなー」って感じ。
誘拐成立後の話しはもう少し別の種明かしが考えられるのかなーと思っていたがほぼ、読んでいて予想通りの展開だったので「もうちょいっ!」って感じは正直しちゃいました。
でも、流れるようなスピード感あるストーリーは東野さんの小説って感じでよい点かなとこの本を読んで再認識することができた。(いろいろ文句は言いますが、やっぱ、上手いっす、東野さん)
小説のボリュームとしては短編と長編の間(中編?)くらいだったのですが、その中でそれぞれの人物に共感・感情移入できるだけの描写がされていて、よいかも。

#持ち上げたり、落としたり忙しいですが・・・

この中で、俊介は幼少時代複雑な家庭環境で、自ら「仮面」を被ることを覚えたと書いてある。人は生きていく上でいろんな仮面を持って場面ごとに適切と思う仮面を被るようです。全く関係ないがなんとなくですが、和辻哲郎の「面とペルソナ」を思い出した。能面は表情ないのに喜怒哀楽が表現できてすごいねって感じだったっけ?(←おそらく全然違うと思われ)。国語の教科書に出てきた気がするが、俊介は自らの面を能面のように仕立てて生きてきたのかなと思った。ちょっと寂しい生き方もするな。
ちなみに、和辻哲郎の本はこれ以外全く読んでません。風土論とか聞かれてもわかりませんのであしからず。

でも、総合的にはよかったのではないかなーと思います。

ちなみに、この小説は誘拐犯の視点で書かれているので犯人探しではないのですが何故かフーダニット感覚も楽しめます(丁寧に伏線が張ってあるのでそんなに難しくないのですが)

りょーちとしては、俊介と樹理の関係はストーリーが進行していくにつれて微妙に変化していくなかで、最後にはこの二人はどーなったのか?(その後の人生で接点があったのかなかったのか?)が気になりました。(個人的にはあったら面白いかなーと・・・)

もしかして、読みきれてないのか?>りょーち


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posted by りょーち | Comment(6) | TrackBack(5) | 読書感想文
この記事へのコメント
こんばんは。とむです♪
りょーちさん、これ読まれたのですね。
実は私まだなんですよ。
電車で読書の私は、文庫化されないかなぁなんて思っているうちに、こんなに月日が…

で、先に、映画の方を見ちゃいました。
映画はそこそこいい感じだなぁって思ったのですが、原作はどうなのでしょう。
途中はちょっとせつない、最後はえぇって感じだったような。
Posted by とむ at 2004年10月22日 00:09
とむさん、こんにちはー。りょーちです。
>電車で読書の私は、文庫化されないかなぁなんて思っているうちに、こんなに月日が…
文庫化される前に古本屋で購入しちゃいました。

>映画はそこそこいい感じだなぁって思ったのですが、原作はどうなのでしょう。
書籍の方もなかなかでしたよ。
映画の公開後に読んだので、登場人物を映画のキャスティングにあわせて読みました。

東野作品は「アタリ籤を引く率が高い」ので結構よいですね。
ではでは。
Posted by りょーち at 2004年10月22日 09:50
コメントいただいたので遊びに来ました。
同じような本を読んでいらっしゃるとのこと、
また機会がありましたらTBなどさせていただきます。

ところで本日のトップページで「ヒューマニティ」に
言及されていて、オドロキました。
私もSLTをよく聴くんですが、なかでもいまだに
一番よく聴くのがこれなんですよ。
最近のSLTには少しひき気味なので…。
Posted by mambotaxi at 2005年06月29日 19:51
mambotaxi さん、こんにちは。りょーち@管理人です。
コメントいただきありがとうございます。
>また機会がありましたらTBなどさせていただきます。
どーぞどーぞ。私も(こっそり)お邪魔いたします(^^;

「ヒューマニティ」は私が若かりし頃のよき思い出とリンクして未だに聞いています。
「Hold On」とかもう竹善さんになりきって裏声で歌っちゃいます(謎)
最近は新しい音楽の世界を開拓できずにすっかり年寄りモードです。

またblogの方にもおじゃまいたします。
ではでは。
Posted by りょーち at 2005年06月29日 20:34
映画はまだ見てないのですが小説の方拝読しました。何ですか都会的ってゆうかドライな気がしましたね。人間らしくない人間が出てくるドラマは甘ったるさがない魅力はあるが淡白で機械的な気もしましたね。でもインターネットが出てくる犯罪小説はこのあたりからですかね
Posted by 福田浩司賞味大臣 at 2008年06月01日 22:12
福田浩司賞味大臣さん、こんにちは。りょーち@管理人です。
コメントありがとうございます。
俊介と樹理の行為をゲームと呼ぶならさて、このゲームは最終的にどちらが勝ったんでしょーかねぇ・・・
更にもう一枚大風呂敷を広げてほしかったなーと思った一冊でした。
ではでは。
Posted by りょーち at 2008年06月02日 13:42
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