2005年10月19日

島村洋子:「美人物語」 このエントリーをはてなブックマークに追加

美人物語
美人物語
posted with amazlet on 05.10.19
島村 洋子
光文社 (2001/10)
売り上げランキング: 365,070


りょーち的おすすめ度:お薦め度

こんにちは。ホイ三兄弟でおなじみのサミュエル・ホイです(嘘です)。

オチが分かっていても読んでしまう小説が幾つかある。
島村洋子さんの本は実はこの「美人物語」1冊しか読んでないのだが、10年以上前に読んでかなりインパクトがあったので再読してみた(もう5回以上読んでいるかも)。
本書は1993年1月25日に集英社から初版が販売されている。りょーちはその本を持っているのだが、黄色地に赤星たみこさんのイラストが書かれたインパクトある装丁だ(もしかして貴重な一冊?)。

タイトルの通りこの小説には美人が登場する。美香子と理香子という二人の美人。
滝川産業の社長令嬢の美香子は父子家庭であるが、所謂お嬢様というヤツで生まれてこの方、何不自由なく暮らしていた。一方理香子は母子家庭で母一人、子一人という、決して恵まれた環境ではないが明るく楽しく暮らしている。

殆ど接点のないはずのこの二人が熾烈なバトルを繰り広げることになる。

何気なくテレビを見ていた理香子は街頭インタビューされている人物を見てたまげた。
なんと、自分そっくりの人物がめちゃくちゃ横柄な態度でインタビューを受けていた。
ドッペルゲンガーかと思われるほど自分そっくりの人間が存在していることに理香子はおどろいた。

社長令嬢の美香子は父子家庭。理香子は母子家庭。
美香子と理香子は性格こそ違えど、全く同じ顔。
ここまで準備されていると「理香子の父と美香子の母は元夫婦で理香子と美香子は姉妹では?」と思ったりしたあなた。りょーちと同じです。

ただ、本書はミステリー小説ではないので、このあたりはホントの姉妹だったりしたからどうこうという話しではないのである。本書の読みどころは美香子の恐ろしいまでの自信に満ちた態度とそのパワーに尽きる。
そしてその美香子に甲斐甲斐しく尽くすオレことケイタローの不遇さが笑いと涙を誘う。

何しろ美香子はこの世はすべて自分中心に回っているとでも思っているような性格。
美香子語録として
・しかし私は美しい上に、寛大なのです。何しろこの世のものではないのですから。
・なにしろ私は神さまのスタッフ関係ですので許されないとは思いますが
・人は自分より低い位置にいる者には悔しがらないものです。

などという言葉が随所に登場する。この美香子の発言だけ読んでみても相当面白い。

物語は理香子の高校の同級生の薬師寺くんが間違えて美香子へエメラルドの指輪を送ったことで話しがややこしくなる。あれほど横柄な態度を取り誰に迎合することのない美香子はどうやら薬師寺くんに一目ぼれした模様。家来のケイタローに調査を依頼するのだが・・・

どう考えても悪役と思しき美香子が憎めないキャラで書かれており爽快感溢れ、元気の出る一冊である。勧善懲悪モノのように安心して何時でも笑って読める一冊。

いや、ホントに面白いっすよ。この小説。島村洋子さんって天才かもと思わせる一冊であった。


posted by りょーち | Comment(0) | TrackBack(0) | 読書感想文
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