2004年10月05日

柳原慧:「パーフェクト・プラン」 このエントリーをはてなブックマークに追加

パーフェクト・プラン (宝島社文庫)
柳原 慧
宝島社
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りょーち的おすすめ度:

帯より
代理母で生計を立てている小田桐良江は、かつて出産した子供、三輪俊成が母親・咲子に虐待されていることを知り、発作的に俊成を三輪家から連れ出してしまう。そのことを知ったかつての愛人・田代幸司と兄貴分でアングラ・カジノの店長・赤星サトルは張龍生に事態の収拾を委ねる。龍生は、悪夢のような仕手戦に破れた株屋。そんな龍生がとてつもない誘拐計画を思いつく。龍生の父のボケ老人・泰生も加わり、風変わりだが結束の固いチームが前代未聞の計画をスタートさせる。ネット・トレーディング、ハッカー、代理母、胎児細胞、瞬間像記憶…今日的アイテムをふんだんに盛り込んだノンストップ誘拐ミステリー。第2回『このミステリーがすごい!』大賞大賞受賞作。


本書は第2回「このミステリーがすごい」大賞を受賞した作品で、応募時は『夜の河にすべてを流せ』という題名だった。
受賞時のものを何度も手直しして「パーフェクト・プラン」として世の中に出てきた作品である。

物語の「起承転結」としては面白かった(のだろう)。

かつては銀座で華やかな人気ホステスだったが、今や年には逆らえず、代理母として生計を立てている小田桐良江。彼女が代理母として産み落とした三輪俊英と三輪咲子の子供の俊成を誘拐しちゃう(おいおい・・・)。
俊成は三輪咲子に虐待されていたのである。言葉の発達も遅い俊成を咲子は気に入らず、なおかつ、独立して投資アドバイザーとして「インフィニティ」を設立した俊英も仕事が遅く咲子にかまっていられない。夫婦間の軋轢により三輪はぎくしゃくしていた。そんな中の誘拐騒動である。俊英は友人の山中と作成した市場分析プログラム「MODE-I」を駆使して投資を行っていた。設立当初はかなり儲かっていたが、このところ「MODE-I」のプログラムに微妙にズレが生じ、それが原因となり会社の存続が危ぶまれている。まさに頑張りどころって感じである。そんなところに俊成の誘拐である。

一方なんの計画もなく発作的に俊成を誘拐してしまった小田桐良江は昔の恋人の田代幸司に連絡をする。田代は思案して田代の兄貴分でもある、カジノ店長の赤星サトルに相談を持ちかける。そこで二人して裏社会で幅を効かせている張龍生にさらに相談する。
張龍生は元々株の世界で生きてきたトレーダーだった。投資アドバイザーの三輪俊英の子供と聞き素晴らしい計画を思いつく。

本来は張龍生と三輪俊英の対決だった筈だがここに新たに謎のハッカーが登場する。(さあ、こっからわけわかんなくなってきた・・・)
誘拐の捜査に加わった女刑事の鈴村馨はなんと趣味で覚えたハッキングの技を駆使して(おいおい、警察官でしょ。あんた・・・)誘拐事件とハッカーの二人を追いかける。

どうも、嘘っぽい話である。
この本はいちいち考えて読んで粗を探して読む本ではない。林真理子がこの本を読んだらそりゃーもう大変なことになるよ。
嘘・ホントはおいておいて、活字を読むのが楽しくなる本ではある。

話題のトピックとして、ハッカー、ES細胞、瞬間映像記憶、イデオ・サヴァン、引きこもり、何でもござれである。ただ、これらは本書を読む上で「絶対的に」必要なことではない。これらの小枝が大きすぎても小さすぎてもだめだろう。
不思議なバランスで書かれた小説である。

読後の爽快感は得られると思う。
何も考えずに読める小説で、りょーち的にはGood。

ストーリーよりも登場人物が良い。
もう、破天荒(って言葉使わない?)な登場人物が登場しまくりである。刑事の鈴村馨もそうとうアナザーディメンジョンに「逝って」ますし、三輪咲子に至ってはホラーっすね。
りょーちの選ぶNo.1キャラは「張龍生の父」っすか? この親父、実はストーリー上で重要な人物である。それなのに、なんか場が和む・・・

いろいろなサイトを見ると「パーフェクト・プラン」には賛否両論あるようだが、りょーちはこの「張龍生の父」があったので、及第点かなと思う。人間を書くのは上手だと思うので(って偉そうにすみません・・・・)今後に期待っす。

柳原慧さん、頑張ってください。(って見てないか・・・)


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