2007年12月07日

松岡圭祐:「千里眼ファントム・クォーター」 このエントリーをはてなブックマークに追加

千里眼ファントム・クォーター
松岡 圭祐
角川書店 (2007/01)
売り上げランキング: 29662

りょーち的おすすめ度:お薦め度

こんにちは、テレサ野田です(嘘です)。

千里眼新シリーズの第2弾として登場したこのファントムクオーター。

何かを覆うことでその物体を見えなくすることができるというフレキシブル・ベリスコープと呼ばれる新たな素材が題材となる。
岬美由紀にロシア大使館よりチェチェンの難民に対して心理的見地からサポートを要請される。ロシア政府のチェチェンに対する対応に半ば閉口していた美由紀は、ロシア行きを躊躇していた。そんなとき、広門空将より既に自衛隊を除隊した岬美由紀にフレキシブル・ベリスコープを利用したトマホークに関する防衛対策委員会となった旨を告げられる。あまりに突然であり、広門からの依頼を断るため美由紀はチェチェン行きを決める。
チェチェンに行く前に美由紀を尋ねてきた萩庭夕子という女性からカウンセリングの依頼があった。カウンセリングが必要と判断した美由紀は萩庭夕子もチェチェンに連れて行くことにし、空港に一緒に向う。しかし、空港でロシア政府から送られてきたマトリョーシカから突如催眠ガスが噴出し車中で意識を失う。

催眠ガスにより意識を失った岬美由紀が覚醒した場所は明らかに日本ではなかった。そして、萩庭夕子の姿もそこにはなかった。謎の主催者から渡されたポータブル型ゲーム機を片手に周囲の人間にこの場所のことを聞くと「ここはファントム・クォーター(幻影の地区)」と呼ばれるところのようである。
美由紀はここを脱出するために、ゲーム機に指示される課題をクリアしなければならない。まさにテレビゲームのロールプレイングゲームのような状況であった。参加者との会話を重ねていくうちに、ここに集められたのは全世界から「千里眼」と呼ばれる名だたる有名超能力者たちであることが分かる。日本からも厳島咲子と呼ばれる占い師(間違いなく細木数子がモデルなのだが)も呼ばれていた。

美由紀はこの難局を乗り切り無事に日本に帰れるのか?

うーむ。やはり面白いな。
本書では冒頭に記載した、岬美由紀が見知らぬ場所から無事に生還できるかという主題とは別に萩庭夕子のカウンセリングというふたつの物語が存在する。

読みどころとしては、まあ殆ど全て読みどころなのであるが、ファントム・クォーターで最終章に到達した美由紀がゲーム主催者の目的を看破するところと、日本に戻ってきてから厳島咲子と対決するあたりだろうか?

あと、岬美由紀とフレキシブル・ベリスコープ付トマホークの対決も見逃せないな。ここは是非映像化して欲しいところだ。

いやー、しかし、岬美由紀、凄すぎる。
日本を救ったよ、あんた。
美由紀の持つ千里眼の能力はカウンセリングの場面で人の一瞬の表情の動きを読み、その感情を推測するだけでなくあらゆる場面で登場する。美由紀の持つ主な能力は言って見ればこの動体視力だけと言っても良い。
その能力をどのくらい効果的に使い見せ場を作っていき壮大なストーリをつむぎだすかは作者の松岡圭祐にかかっている。そういう意味では最後まで読者の期待を裏切らない物語ができているといえるだろう。

また、本書の最後に登場するメフィスト・コンサルティング・グループのジェニファー・レインの不気味さが次回作以降もよりオモシロそうな展開になりそうな雰囲気を残している。
次回作「千里眼の水晶体」も楽しみである。

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