2007年12月03日

神山裕右:「カタコンベ」 このエントリーをはてなブックマークに追加

カタコンベ (講談社文庫)
神山 裕右
講談社 (2007/08/11)
売り上げランキング: 46482

りょーち的おすすめ度:お薦め度

こんにちは、如月小春です(嘘です)。

史上最年少で江戸川乱歩賞を受賞した、神山裕右さんの受賞作「カタコンベ」を読んでみた。
どうも、ネットでは今ひとつ不評のよーであるが、そんなにダメな感じでもなかった。多分ダメだと仰っている方々は「江戸川乱歩賞受賞作」ってことで、ミステリ・ミステリしている作品を期待されていたからではないかと想像する。
本書はどちらかといえば、冒険小説的な要素が多い。そのため、夢枕獏の「神々の山嶺」とか、真保裕一の「ホワイトアウト」のよーな小説だなと思っていただければよいかと思う(但し、冒険小説的には「神々の山嶺」には到底及ばないが・・・)

本書のタイトルとして登場する「カタコンベ」とは死者を葬る為に使われた洞窟、岩屋や地下の洞穴のことらしい(カタコンブ - Wikipediaを参照)。

舞台は新潟県付近にあるマイコミ平に未開拓の鍾乳洞(黒姫山鍾乳洞)。
ストーリーはこの調査に赴いたケイブダイバー(洞窟内の地底湖探索を生業とするダイバー)と研究者達が洞窟内で起こった不測の事態に対処しながら、脱出を試み、更に洞窟内に潜む謎を解明しながら、迫り来る殺人者と対決してしまうという、なんだか凄いことになっている小説なのだ。

主人公の東馬亮は、5年前、このマイコミ平で命を落としかけたことがある。地底湖ダイビング中に不慮の事故により、仲間とはぐれてしまったのだ。それを救ったのが水無月健一郎というダイバーだった。水無月は東馬を救助後、行方不明になり、その捜索は打ち切られた。
そんな東馬も現在は一流のダイバーとして世間でも認められるようになっていた。そして、今回のマイコミ平への調査クルーとして参加することになったのだ。
東馬は渋滞により現地への到着が遅れたのだが、現地に着いてみると、先発隊が洞窟内で落石事故に遭い、連絡が取れない状況のようだった。
東馬は先発隊のリストに水無月の娘である、弥生の名前を見つけ、一人救助に向うことにした。外は雨が降り始め、洞窟内では増水の恐れがあり、救助までの時間は限られている。無謀とも言える救助は果たして成功するのか?

洞窟内で弥生たちと合流してからは話しがドンドン進んで行きスピード感がある。救助用ロープに人為的に亀裂が入れられたり、東馬の時計が30分ほど何者かに狂わされていたりと、クローズドミステリーの一面も垣間見える。
自然の驚異とは別に洞窟内で怪しげな行動をする露崎という若者。幾重にも張り巡らされた罠を掻い潜っていく様はなかなか読み応えがあった。

ケイビングという新しい題材を上手くミステリー小説に持ち込んでいるよーに思え、結構満足する一冊であった。
あえて苦言を呈すれば、ストーリーとは全く関係ないが、ヒロイン(?)の名前の水無月弥生ってのはもうちょっとどうにかならなかったのか?(6月3月って名前でしょ? これ?)

本書が江戸川乱歩賞を受賞したってのは、乱歩賞も何かが変わり始めたのかなーと思われる多分20年前に応募されたらきっと受賞していなかったと思う。
冒頭にも書いたが純粋なミステリーを想像して読むのでなければ楽しめる一冊だといえる。

■他の方々のご意見(意外とみなさん辛口?)
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