2004年09月19日

二階堂黎人:「地獄の奇術師」 このエントリーをはてなブックマークに追加

地獄の奇術師 (講談社文庫)
二階堂 黎人
講談社
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りょーち的おすすめ度:
単行本の紹介文引用:
十字架屋敷と呼ばれる実業家の邸宅に。ミイラのような男が出没した。顔中に包帯を巻いた、異様な格好である。自らを「地獄の奇術師」と名乗り、復讐のためにこの実業家一族を皆殺しにすると予告をしたのだ。「地獄の奇術師」の目的は何なのか? 女子高生で名探偵、二階堂蘭子の推理が冴え渡る、本格探偵小説!


二階堂黎人さんの本をはじめて読んだ。本格派である。本書<地獄の奇術師にも二階堂黎人という人物が登場する。実際のホームズ役は妹の二階堂蘭子の役である。二階堂黎人さんのシリーズものの第1作である本書は、ミステリー好きにはたまらない仕掛けや薀蓄(うんちく)が随所にちりばめられている。これからミステリーを読もうとする若い読者の方にも比較的受け入れられやすい内容となっている。
事件は昭和42年の12月に起こる。昭和42年には携帯電話もない時代だ。時代は古いがトリックや犯人探しの手順などは古さをあまり感じさせない。
まだ高校生の蘭子の明晰な頭脳に周囲も目を見張る。蘭子は本書で一度挫折を経験する。高校生という年代であれば誰でも少なからず挫折を経験していると思うが蘭子の挫折は人の生死がかかったものであり、その意味も非常に深い。蘭子は犯人をいい間違えたのである。
この後の二階堂蘭子シリーズではこの犯人いい間違えの教訓を元に、逆に自分の中で完璧にストーリーが出来上がってこない限り蘭子は事件の話を回りに吹聴しなくなったようである。
本書の題名でもある、「地獄の奇術師」という恐ろしい化け物が様々な殺人事件を繰り返す。本書は「地獄の奇術師は誰なのか」という一貫した謎が存在し、事件が進んでいく。事件が進む中で蘭子が時折見せる自分の今まで読んだ小説の中の引用文やトリックを見るだけでも十分面白い。
なお、この事件の真犯人にりょーちは全く同情の余地はなかった。もう最悪の人間であった。
またこの犯人の顔中に包帯を巻いた「地獄の奇術師」の描写は犬神家の一族の犬神佐清を彷彿とさせる。(フジテレビ:犬神家の一族も参照)

二階堂蘭子シリーズは他にもガンガン出ているようなので、次回また読んでみよう。登場人物が結構多く、はじめのうち(感情が入ってこないうち)は結構戸惑ったが問題ないであろう。本格派入門小説としてもおすすめばい。現代の時代より数十年前の話はちょっと苦手な人にもそれなりに小説の構成はしっかりしているので読めるとは思います。


二階堂黎人のプロフィール:http://homepage1.nifty.com/NIKAIDOU/


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posted by りょーち | Comment(4) | TrackBack(1) | 読書感想文
この記事へのコメント
りょーちさん、こんばんは。
犬神家の一族を彷彿と…  いいですね。
今度読んでみたいです。
ところで、りょーちさんは 佐竹一彦氏は読んだことがありますか?
私は「新任警部補」と「ショカツ」しか読んだことはありませんが、華々しいスター刑事が活躍するのではなく、地道に足で解決するのが時にまどろっこしくもありながら、誠実な筋で好感を持ってます。
Posted by pikako at 2004年09月19日 23:43
pikakoさん、こんばんは! りょーちです。
>地道に足で解決するのが時にまどろっこしくもありながら、誠実な筋で好感を持ってます
そーなんですかー。はじめてお名前を伺いました。
なんでも、
http://plaza.rakuten.co.jp/himana22/11009
によると、すでに他界されているのですね。
元刑事というプロフィールも気になります。
今度本屋でチェックしてみますねー。

「地獄の奇術師」は昭和の正しい推理小説的な本だと思います。
基本に忠実な感じですね。

次は何を読もうかなー
Posted by りょーち@管理人 at 2004年09月20日 00:41
え〜!他界されたんですか?
元刑事ということで、「ショカツ」は刑事部屋のニオイが漂って、他に無い印象を受けたんです。
そうですか… 残念です。
Posted by pikako at 2004年09月20日 08:36
佐竹一彦さんに関していろいろ調べていると、読者のコメントには、
>実際に経験したものでしかわからない感覚が伝わってきます。
とか
>人間として、あるいは職人としての警察官の姿を見ることのできる作品です。
など、結構よさそうなコメントが散見されますね。
こんど本屋で見てみます。
#積読(つんどく)状態を回避せねば・・・
Posted by りょーち at 2004年09月22日 04:43
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二階堂黎人
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