2004年09月11日

吉村達也:「姉妹」 このエントリーをはてなブックマークに追加

姉妹―Two Sisters (角川ホラー文庫)
吉村 達也
角川書店
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今日近所の本屋で買ってきた。
吉村達也さんの本は角川ホラー文庫のものしか持っていない。
結構おどろおどろしい本が多い。
読み終わったら書評を書いてみるばい。
購入経緯は以前映画を見に行った際に映画館に貼ってあったポスターに目が行ってしまったためである。

読み終わったので感想を追記しちゃう。

吉村達也はホラー作家であると認識している。これはこの「姉妹」を読み終わった後も変わらない。だが、この小説には推理小説のエッセンスも色濃く出ていることに気づく。
推理小説の場合、「犯人は実はこいつだったのかー」「なんとなんと、ここに複線がはってあったのかー」的なパズルを埋め合わせて最後のピースがはまった時に快感を覚える小説なのかなと思う(異論は勿論あると思いますが・・・)。本書「姉妹」に関しては最後のピースがはまった瞬間、戦慄を覚える。「姉妹」に関しては最後のページの最後の一言がりょーちは非常に不気味さを感じ後ろを振り返ってしまいそうな恐怖心を感じた。
なお、この姉妹は2004年の7月に日本では「箪笥」という名前で映画になった。
解説文を読んで初めてしったのだが、映画「箪笥」は日本で公開される前に韓国で先行公開されている。
「箪笥」の舞台が韓国でもあり、勿論俳優から監督まで韓国の方によるものだ。日本人の私にとって韓国は近いようで遠い存在でもあり同じアジアでも中国とは違った不思議さを感じる。この不思議さは過去に日本人が韓国で行った様々な残虐的行為によりある種の畏怖の念を抱いているからかもしれない。
今でこそ日韓ワールドカップとか韓日の親交は進んでいると思われるが重苦しい歴史を背負った両国は真に分かり合えていないのかもしれない。
登場人物はかなり少なく、(小説内のキャラクターファイルより抜粋)

スミ

主人公。妹のスヨンより4歳上の姉。母の死に関する明確な記憶を失う。「新しい母」のウンジュと激しく対立。

スヨン

スミの妹。言葉の発達は遅れているが、感性は鋭敏。愛する母の死に直面し、強烈なショックを受ける。

ウンジュ

姉妹の母を看護していたが、いつのまにか一家に入り込み、現在は事実上の後妻となっている。

ムヒョン

姉妹の父親で薬剤師。家族の心の病を薬だけで治そうとする「薬剤信奉者」。妻の死後、元看護婦のウンジュと同居。


あとはスミの母親とウンジュの弟とその妻くらいである。
年齢がバレてしまうが山口百恵の「赤い」シリーズのような構成である。「赤い」シリーズとことなるのがここに「ホラー」の色が盛り込まれていることであろう。
ホラーの要素としては、「13日の金曜日」などに代表される怖いモノが出てきて「キャーッ」ってのだったり、「リング」のように状況(シチュエーション)の怖さだったりする。関係ないけどゴーストバスターズはホラーじゃないよ。
で、この小説の怖さは前述したが「全てのピースがはまったときに」初めて湧き上がる怖さである。書いている今もちょっと身震い・・・
なお、作者はこの小説を前述の韓国の映画監督とやりとりしながら脚本を小説にした形になる。吉村達也は小説を書き上げた際、自分でも合点がいかない点があり、監督のキム・ジウンに問い合わせたところはじめて衝撃的事実が明らかになったという。
おそらくこの本を読んで最も怖いと思ったのはある意味、作者の吉村達也氏ではなかろうか?
異論はあると思うがりょーちの中でこの小説の中で真の主人公はウンジュではないかと思う。このキャラクターがいなければこの小説は成り立たない。「姉妹」ではウンジュは前半部分は徹底的に悪者に書かれている。りょーちもウンジュを憎んだ。でも他の読者は最後までこのウンジュというキャラクターを憎めるか・・・
一方この物語は家族愛というものにも焦点を絞っている。りょーちの浅い知識によれば韓国は儒教社会であり、現在の日本よりも家族の絆が強い(と思う)。その中でこの映画は韓国の中でも物議を醸し出したのかもしれない。また、物議を醸し出したのは家族愛だけでなく「箪笥」という映画の解釈でも多種多様の意見があり、ツインピークスを思わせるような話題の拡がりを見せている。
吉村達也の小説の中ではかなり「あり」であろう。
また、映画を見た方で結果を知っていると思っている人も「真実の結果」については意外と知られていないと思う。本書は映画を補完するようなマニュアルとして位置づけることも可能だ。そして映画で味わった恐怖とはまた別の恐怖がそこに表れるだろう。
最後に、「あー、こわかった・・・」

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posted by りょーち | Comment(0) | TrackBack(1) | 読書感想文
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