2007年08月24日

森絵都:「DIVE!!」 このエントリーをはてなブックマークに追加

DIVE!!〈上〉 (角川文庫)
森 絵都
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DIVE!!〈下〉 (角川文庫)
森 絵都
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りょーち的おすすめ度:お薦め度

こんにちは、ノーカット星です(嘘です)。

来年は北京オリンピックである。世の中の殆どの人は直接オリンピックとは関係ない人生を過ごしていることであろう。オリンピックの競技は何種類もあり、全てを見ることはできない。盛り上がる競技もあるし、誰が見ているんだろう的な競技もある。
世の中にはいろいろなスポーツに関する小説や漫画などがあるが「高飛び込み」を扱った小説ってあまり読んだことがなかった。
そもそも高飛び込みって一瞬で終わっちゃうので演技中のドラマがないのではと思いきや大違い。本書「DIVE」を読むと、高飛び込みの見方がかなり変わること間違いなしである。
そして、質の高いスポ根小説+恋愛小説という青春エンターテイメント小説でもある。

ミズキダイビングクラブに所属する中学生の知季はダイビング練習に明け暮れる。取り立てて実力があると思えなかった知季はミズキダイビングクラブにやってきた新任コーチの麻木夏陽子(かよこ)にその才能を見出されスポ根の世界へ誘われる。
ミズキダイビングクラブは飛び込みという特殊なスポーツのため、競技人口も少なく、クラブそのものの存続が危ぶまれてきた。クラブ存続のために必要なことは「ミズキダイビングクラブからオリンピック選手を出す」というものであった。

果たして知季はオリンピックまで行くことができるのか?

本書の読みどころはもう多分全部である。
ダイビングの練習や試合の緊張感。一瞬にかける飛び込み競技がここまでリアルに書かれる小説は今後もおそらく出てこないと思われる。
スポ根における重要なファクターとなるライバルの存在も多岐に亙る。

知季と同じミズキダイビングクラブに所属し、父母ともに有名な飛び込み選手で将来有望な高校生の富士谷要一。
伝説のダイバーとして知られる、沖津白波の孫の飛沫。
日本でトップクラスの実力を持つ寺本健一郎。
ピンクの海パンがトレードマークのピンキー山田(ライバルか?)。

本書の中では知季が主人公となっているが、要一、飛沫の章も読み応えがある。

恋愛小説としては、知季の弟の弘也と知季の彼女の未羽との三角関係や、飛沫と飛沫の年上の彼女の恭子との少し大人の恋愛なども見逃せない。
熱心に指導を続ける夏陽子はホントに強い女性であり、よき指導者である。こういうキャラは絶対必要だよね。

こういう青春小説ってストーリーそのもののオモシロさも大事だけどやっぱ、登場人物が幾多の試練を乗り越えて人間的に成長していく過程に読者が共感するところに醍醐味があるんだと思うのである。この観点からしても、本書は100点満点の出来であろう。

りょーちとしては、勿論主人公の知季も好きなのだが、最も感情移入してしまったのは沖津飛沫である。選考会前に飛沫は、腰の持病が悪化してしまう。そんな飛沫が選考会でみせた「あの」演技。
前人未到の知季の4回転半も見てみたいが、どちらかといえば、飛沫のスワンダイブを是非とも見てみたいと思うのはりょーちだけではないであろう。(ピンキー山田と要一の演技も勿論見たいが・・・)

りょーちとしては森絵都さんの作品を読むのはこの「DIVE!!」が初めてであったのであるが、こんなに素晴らしい物語を紡ぎだす森絵都さんってなんて素晴らしい人間なのであろうと拍手を送りたくなってきたっす。

本書は、角川書店のDIVEの下記サイトを見ればかなり理解が増すであろう。

更に驚くことに映画化されるよーである。

実写のよーであるが、飛沫の演技や知季の演技ってどーいう感じで表現されるのかちょいと楽しみでもある。

大人から子供までが十分に満足し、何度も読みたくなる秀作である。

■他の方々のご意見(かなり好印象だな)
posted by りょーち | Comment(0) | TrackBack(1) | 読書感想文
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vol.25「 DIVE!! 」森 絵都
Excerpt: 「このクラブから次期オリンピック選手が出なきゃ、ここは潰れます。だからオリンピック目指しましょう」 ――というわけでオリンピック代表選手の座を競うことになった知季、飛沫、要一、3人のメイン主人公たち。..
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Tracked: 2009-12-28 18:11