りょーち的おすすめ度:

はじめに言っておきますが、ヘレン・ケラーとは全く関係がありません。
この物語は「自分探し」というジャンルになると思われる。主人公の相馬克己は療養先の病院で「奇跡の人」と呼ばれている。
克己は交通事故により脳死を宣告されていたが克己の母の熱心な介護と克己自身の類まれなる生命力により一命を取り留めた。身体機能の回復についてはリハビリを繰り返すしかないのだが問題は事故による記憶喪失である。克己は交通事故のショックで事故以前の記憶を全てなくしていた。
8年間にも亙る病院でのリハビリ生活を余儀なくされた克己は現在31歳。しかし心の中は生まれて8歳の子供とそんなに変わらない精神レベルである。人生を生き直すことになる克己にとって唯一の肉親であり精神面・身体面をサポートしてくれた克己の母は残念ながら既に亡くなっていた。
そんな克己が病院を退院できるようになった。院長先生から「もう退院してもいいですよ」というお墨付きを貰ったのだ。母のいない中、自分で仕事をしながら生活費を確保しなければならない。克己の働く場所は民生委員の風間さんが斡旋してくれた印刷会社になる。克己は退院後、母のいない自宅に戻る。
部屋でアルバムや母の残したノートなどを見ていると克己は自分の昔のことを知りたくなってきた。それは勿論当然の流れであり、誰も止めることはできない。自分の中学や高校までの卒業アルバムは家にはなく、隣の横山さんとそのことについて話をしていると、どうも克己は事故後にこの町に引っ越してきたことがわかった。
さらに同僚から「市役所で住民表をみれば以前の住所がわかる」ことを知り住民票を取得した。住民票は福岡市となっていた。
克己の瞠目に値するその行動力は非常に素晴らしい。克己が自力で調査をするにあたり、昔の仲間と偶然町で出会う。記憶をなくす以前の自分を知っている人がいることに克己は驚く。彼は克己の友人のコージだった。コージの伝を辿り更に昔の恋人の聡子に会う。しかし、コージも聡子も事故のことについては重く口を閉ざしたままだった。
母や友人を含めて何故克己に昔のことを教えてくれないのか? 事故以前に克己は何があったのか?
なお、ネタバレに近いが克己は終盤に記憶を取り戻す。終盤の展開は賛否両論あると思いますが、私は手法としては「あり」だったのかなと思います。物語としてこういった閉幕の手法は「綺麗な終わり方」なのかなと・・・
更にこの終わり方がハッピーエンドなのか否かというのも賛否両論あるかと思う。
りょーちは「一応」ハッピーエンドなのかなと感じた。
キーワードは「リインカネーション(輪廻転生)」?
でも読みかけの本が沢山www
ネタバレになってるけどよさそうですね
(某SNSの方でしたっけ?)
コメントいただきありがとうございます。
amazonで他の方々のレビューなどをご覧いただくとわかるかと思うのですが「奇跡の人」の評価はばっさりと分かれています。
#私は結構よかったと思うのですが・・・
他の方の評価も参考にしてみてくださいね(^^;
#私も積読が多すぎで・・・ orz
ではでは。
奇跡の人の書評は拝見しました。
続きが気になって仕方のない展開にドキドキしながら読んでいたのですが、
その分、終わり方に過剰な期待を寄せてしまい、
ちょっと納得がいかなかった・・・というのが私の素直な感想でした。
コメントいただきましてありがとうございます。
ラストについては、物語としての終わり方はまあ「あり」なのかなーと思っています。心情的にはちょっと「え、そうなるの?」とも思いましたが・・・
このあたり賛否両論分かれることと思われます。
「結局主人公はどういった性格だったのか?」っていうのを突き詰めていくと矛盾の残る作品ですが、読み終わったときにあまり不快感はありませんでした。
真保裕一さんのこの「報われないラスト」がある小説をもうひとつ知っていますが(あえて題名は伏せますが)そっちの方はより「苦い読後感」でした。
ではでは。
この「奇跡の人」は山崎まさよし主演で連ドラになってましたよね。だけど、わたしはボーっとして読んでいたので、ドラマでやってたって読んでいる途中で気づく有様でした。
でも、これを読んで真保ワールドにはまっていきました。
私はこのラストは良いと思いました。あれでないと救われないように思います。
かなり昔に読んだので、おぼろげですがラストで救われた気がしました。
ある種、性善説とか性悪説とかも考えてしまいます。
ところで、ミステリーではないのですが、りょーちさんは「幽霊人命救助隊」という本を読んだことありますか?
先日読んだのですが、通勤電車中で落涙しました。ユニークで面白く。笑いあり涙あり、時々展開が荒いところもありますがおもしろかったです。
もしまだでしたら、ご一読くださいね。では!
>「奇跡の人」は山崎まさよし主演で連ドラになってましたよね
あ、そーなんですかー。
山崎まさよしさんが記憶喪失の役でドラマに出ていたのは知っていたのですが、この作品とりょーちの中でリンクしていませんでした。
題名といい、内容といい、確かに似ていますね。
そーかー。もっとキチンと見ておけばよかったですorz・・・
>りょーちさんは「幽霊人命救助隊」
>という本を読んだことありますか
お、ありません。いま、amazonで調べましたらあの「13階段」や「グレイヴディッガー」を書かれた高野和明さんの作品ではありませんかー。
うーむ、高野さんの作品ならかなりよさそうですね。(amazonの書評での評価も高そうでしたし)
pikakoさん、オモシロそうな本をご推薦いただきましてありがとうございます。ちょっと期待が高まります。実際にお会いしたことのない方からでもいろいろな本を紹介いただけたりするときはBlogをやっていてよかったなーと思う瞬間だったりします。
早速書店で物色してみます。
ではでは。
私もこの本のレビューを書いているので、よかったら読んでくださいね。
コメントありがとうございます。
自分探しの物語として読み応えありましたね。素晴らしい一作だったと思います。
ではでは。