2007年03月15日

梅原克文:「カムナビ」 このエントリーをはてなブックマークに追加

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りょーち的おすすめ度:お薦め度

こんにちは、稲川淳二です(嘘です)。

ってことで多分あまり誰も知らないと思われる作家、梅原克文の「カムナビ」を再読してみた。
梅原克文の本でりょーちが最も素晴らしいと思っている作品は「二重螺旋の悪魔」なのだ。で、梅原克文はその後、この「カムナビ」を世の中に送り出してから2001年9月に「サイファイ・ムーン」を出したっきりあまり姿を見なくなった。うーむ。やはり二重螺旋の悪魔を越える作品はもう出てこないのであろうか・・・

多分梅原克文はSF作家だと思う。本書「カムナビ」では日本の古代史を軸として地球外生命体と戦っちゃうよーなスケールとしては非常に壮大な物語だったりするのだが、どうもあまり感情移入できなかったっす。なので、感想というより愚痴っぽくなってしまうのだった(うーむ)。

邪馬台国は日本のどこにあったのか? この研究に一生を費やしている研究者はかなり多い。葦原志津夫もそんな研究者の一人であった。志津夫は考古学者の竜野助教授より失踪した父の正一の手かがりがあるとの情報を受け、茨城県の石上遺跡にやってきた。
しかしそこで見たものは竜野教授と思われる男の死体であった。警察の現場検分によるとかなりの高温で焼かれないとこのような死体にはならないとのことだった。志津夫は竜野と父の話とは別にもうひとつの約束をしていた。それは「前代未聞の土偶」を見せてくれるということだった。日を改めて竜野の研究室に赴いた志津夫は研究室で一枚の写真を見つけた。そこに映っていたのはヒスイのように青いブルーグラスの土偶の写真だった。
竜野が分析を依頼したクロノサイエンス社の分析官大林は志津夫の大学時代の同期であり、竜野からの分析依頼は大林が受けていた。大林が鑑定したその土偶の年代は今から3000年ほど前の弥生時代であるようだ。しかし弥生時代にはこのブルーガラスの土偶を製造できるだけの温度を上げる技術はまだ存在しなかったはずだった。C14(カーボンフォーティ)の年代測定にはほぼ間違いないはずなので、この土偶は所謂オーパーツともいえる代物なのだ。
そしてその不思議な土偶と父の失踪とは切っても切れない深い関係があるようだった。
果たして土偶の正体とは?そして謎の現象カムナビとは?

うーむ。面白くなりそうな要素はかなりあると思うのだが・・・
ブルーガラスの土偶を狙う安土真希や、「チ」を使う謎の少女稲川祐美、伊勢神社に奉納されている天叢雲剣(草薙の剣)に付随する八岐大蛇の伝説など、随所にワクワクする要素が散りばめられているのだがそれらが最後に尻すぼみになって消化不良のような形で終焉を迎えてしまっているのが惜しいっす。
旧辞(くじ)、日本書紀、古事記といった古い文献についての考察も些か説明的すぎるのは仕方ないとは思うが、登場人物もなんだか画一的な印象が否めないし「どーした、梅原克文」って感じである。上手くまとめようとして返って話が矮小化してしまったきらいがある。もうちょっとこれぞサイエンスフィクション的な誇大な嘘話でもよかったのではないかと生意気にも思ったのであった。
サイファイ・ムーンを読むべきか否かを現在検討中である。むむむ。

■他の方々のご意見(結構真っ二つに意見が分かれている?)
posted by りょーち | Comment(0) | TrackBack(0) | 読書感想文
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