2007年03月13日

有川浩:「図書館危機」 このエントリーをはてなブックマークに追加

図書館危機
図書館危機
posted with amazlet on 07.03.13
有川 浩
メディアワークス (2007/02)
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りょーち的おすすめ度:お薦め度

こんにちは、佐倉しおりです(嘘です)。

ってことで、有川浩の「図書館危機」を読んでみた。

前々作の「図書館戦争」、前作「図書館内乱」に続く第三作目。タイトル的には「戦争」→「内乱」→「危機」と次第に状況は緩和されているよーな印象を受けるが、我らがヒロイン笠原郁(ちょいと体格良すぎのヒロインだが)の前途は多難である。
前作「図書館内乱」では郁が図書隊に入隊したきっかけでもある王子様の正体が直属の上司の堂上教官だということを同僚の手塚の兄の手塚慧から知らされたところで終わっていた。読者としては「これで郁と堂上との仲も急接近?」と思ったが、堂上も郁も恋愛に関しては子供。ヤキモキさせる場面が以前よりもかなり増えたがそこらへんの匙加減が作者の有川浩の計算高い作戦であろう。図書館シリーズは次回作でひとまず終焉を迎えるらしいが、多分りょーちの予測では
「郁と堂上は晴れてお互いを分かり合い恋人になってハッピーエンド!」
ってストーリーはありえないと思われる。そうですよね?有川さん?

図書館内に出没する痴漢に小牧の彼女の鞠江が被害を受け、犯人逮捕に協力したり(郁の制服姿って「女装?」とか思ったけど違った^^;)昇任試験で手塚が意外な弱さを見せたり、その手塚はいつの間にかクールな女性柴崎と意外にも仲良くなり恋愛にも発展しそーな雰囲気を見せたりと第三作目に入り、キャラが固定した分、そのキャラの特徴(特長?)を活かして縦横無尽に暴れまくっているっす。

本書でちょいと興味深いなぁと思ったのは「ねじれたコトバ」の逸話である。「床屋」というのは差別用語でこの言葉どおりに出版するのはけしからんとメディア良化委員会からのお達しがあり、玄田と親しい間柄にいる折口マキの出版する週刊新世相でのインタビュー記事が改変されることになる。インタビューを受けた売れっ子俳優の香坂大地は自分の祖父の仕事は紛れもなく床屋であって、この言葉を利用できないことに憤りを感じていた。こういった「何故この言葉は差別用語なの?」と言う言葉は現在でも多々存在している。その言葉を利用する、利用されることで不快に思う言葉はあまり利用しないほうがよいとは思うが、確からしい根拠もなく利用する言葉を抑制することは過剰反応だと思う。
Wikipedia によると「差別用語」とか「放送禁止用語」についていろいろ記載されているのだが、発言者と受け取る人がその意味や経緯などを正しく理解していないとよろしくなさそーな気がするっす。例えば、「ちびくろサンボ」のタイトルが変わったってのはちょいとやりすぎのよーな・・・
まあ、本書ではこの香坂と図書隊達の活動によって、メディア良化委員会に一石を投じるきっかけになったのではあるが、今の日本でも十分に起こりうることなのでちょいと考えさせられたっす。
なお、りょーちとしては稲嶺司令の勇退が残念でならないっす。更に完全にサブキャラと認識していた柴崎が実は第四作ではどうも話しのキーポイントになってきそうな雰囲気を残しつつ最終巻に突入っすか? こういった余韻の残し方って上手すぎるっす。こんなことされたら、絶対に第四作も買っちゃうじゃないですか。有川さん、あんたホントに商売上手且つ素晴らしい作家っす!

■他の方々の意見(「次回が最終巻なんて!」と涙する人多し!)
posted by りょーち | Comment(0) | TrackBack(0) | 読書感想文
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