ラグナロク洞―「あかずの扉」研究会 影郎沼へ
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霧舎 巧
講談社 (2000/11)
売り上げランキング: 190,394
通常1〜2週間以内に発送
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りょーち的おすすめ度:

霧舎巧がお届けする「開かずの扉研究会」シリーズの第3弾は「ラグナロク洞」。
今回の始まり方は唐突だった。
(自称)名探偵鳴海雄一郎と二本松翔が嵐の中を彷徨うところから物語はスタート。影郎村にやってきた翔たちは嵐の中、落盤事故に遭遇し、洞窟に閉じ込められてしまう。洞窟の中は翔たちの他にも数名の避難者がいた。一見出口のないその洞窟にはエレベータがあり、外(教会)と行き来が自由にできるはずだったのだが、エレベータも何者かに爆破され封鎖されてしまう。
文字通り密室となったこの洞窟内で殺人事件が起こる。しかもダイイングメッセージではことごとく「翔」が犯人であると示されるようなメッセージが残されている(勿論犯人は翔ではないのだが)。犯人は一体誰なのか?
どーも、この「ラグナロク洞」に関してはあまりのめりこむことができなかった。ミステリーとして盛り上がることができそうな要素は結構あった。
・嵐の山荘モノ
・ダイイングメッセージ
・因習に縛られた山村
・歴史的な背景による動機(ってここに書いていいのか?)
なんでだろう?
どーも「取って付けたようなミステリー」とでも言えばいいのであろうか?ミステリー作法のためのミステリー感が前の「ドッペルゲンガー宮」「カレイドスコープ島」よりも顕著な気がする。
お気楽少女、由井広美や霊能少女(?)森咲枝などのメンバーは何れも健在である。でも何故か盛り上がりに欠ける。
この「ラグナロク洞」で唯一評価できた点は探偵No2の鳴海雄一郎が最初から推理を繰り広げていたことか?
スケールが全く違うけど、後動悟と鳴海雄一郎の関係は清涼院流水の「九十九十九」と「竜宮城之助」の関係か?(違う?)
清涼院流水のJDCシリーズは「そこまで風呂敷広げますか?」的な壮大なテーマで最後には人ではないようなものが出てきてもはや探偵小説ではなくSFになっている(いや、おもしろければいいんですが・・・)。
まだ一回しか読んだことないんですけど、複数回読むには正直気合が必要だ。
一冊一冊がとてつもなく分厚い・・・(って比べちゃいかんとは思うのだが)
更にネタバレになることを恐れずに書けば、どっちかといえば、貫井徳郎の「鬼流殺生祭」の方がよかった。(って比べちゃいかんとは思うのだが)
次回に期待か?