2005年04月11日

霧舎巧:「カレイドスコープ島」 このエントリーをはてなブックマークに追加

カレイドスコープ島―《あかずの扉》研究会竹取島へ
霧舎 巧
講談社 (2000/01)
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りょーち的おすすめ度:お薦め度

昔から不思議なものがいろいろあって、はじめて万華鏡なるものを見たときはちょいとびっくりした。万華鏡を覗くとシンメトリーな幾何学図形が出現し、一度として同じ模様をみせることがない不思議なおもちゃだった。
愛知万博の大地の塔はその内部が巨大な万華鏡になっており、ギネスブックにも掲載されるという。作者はあの藤井フミヤさん。

本書「カレイドスコープ島」は直訳すると「万華鏡の島」ってことになるのですが、万華鏡そのものは今回の事件にそんなに大きな比重を占めていない(よーな気がする)。
「カレイドスコープ島」は霧舎巧の「ドッペルゲンガー宮」に次ぐ「あかずの扉」研究会シリーズの第2弾である。主要登場人物も前作のメンバーがそのまま登場する。
本格推理小説なので、主要登場人物をまとめておこう。(お、本格っぽい)
■本書より転記
・月島幻斎(島の長。月島御殿当主)
・剣持剣次郎(次期月島幻斎候補の一人)
・剣持剣之介(剣持剣次郎の父親)
・木虎虎次郎(次期月島幻斎候補の一人)
・木虎白虎丸(木虎虎次郎の弟)
・竜崎竜次郎(次期月島幻斎候補の一人)
・竜崎竜之介(竜崎竜次郎の父親)
・竜崎竜衛門(徘徊老人)←こんな紹介の仕方って・・・
・金本鈴(女子高生。竹取島出身)
・「恐子」(カネモト・クリニック女医)
・真珠さん(月島へ宝探しに来ていた女性)
・朝比奈瑠美(月島へ侵入した女性)
・朝比奈健作(瑠美の祖父)

・後動悟(あかずの扉研究会 会長)
・鳴海雄一郎(自称 名探偵)
・大前田丈(どんな鍵でも開けてしまう特技を持つ)
・森咲枝(霊能力らしきものを持つ)
・由井広美(広報担当?)
・二本松翔(書記)

・丹波(駐在)
・今寺(刑事)

ホント、こうやって書くといかにも本格っぽいじゃないですかー。(ってホントに本格推理小説なんですが・・・)
竹取島と月島と言う名前からすれば、いやでも竹取物語を想像するであろう。本書では世俗から乖離されたこの二つの小島で起こる殺人事件をまたもや後動悟がかっこよく解決するのだ。ノベルズの帯に「横溝正史の獄門島をイメージした」的なことが書かれていた。因習に支配された島の中で不可思議な事件が起こるってちょいと面白そう。

由井広美の友達の金本鈴の紹介で八丈島付近にある小さな島、竹取島に行くことになった開かずの扉研究会の面々。島へ上陸する船の中で咲さんが「鳴海くんはここに残って」と唐突に告げる。名探偵鳴海は何時でも咲さんの言葉には従順なのだ。翔も一旦は鳴海と残ることにするが、鳴海から「お前は竹取島へ行って来い」と進言されやっぱりいくことになる。が交通手段は既にない。そこに偶然現れた真珠子(真珠さん)という女性が竹取島へ行くということで船に乗り遅れて行くことにする。真珠さんは何でも竹取島へ「宝探し」に行くという。その真珠さんの船で竹取島へむかう途中に、何者かが死体のようなものを崖から海へ投棄する姿を目撃してしまう。なんとか真珠さんと上陸を果たした翔は竹取島の駐在に不審人物として捕えられてしまう。捕えられた座敷牢にやって来た爺さんと話しをしていくうちにどうもこの爺さんが月島幻斎であることに気づく。
翔が見た崖(虎鳴の崖)で見つかった死体こそが連続殺人事件へのプロローグだった・・・
謎解きに関しては、後動悟の「あなたホントは犯人でしょ」的な明晰な推理で解決をするのでこちらは読んでからのお楽しみなのだが、本書を読んで、日本語ってのは凄いなーと思ったよ。日本人は漢字・ひらがな・カタカナ・英語などを無意識に使いこなしている。更に漢字のような表意文字とひらがな・カタカナのような表音文字とを使い分けているって結構すごいなあと今更ながら思ったりする。本書はおそらく日本語でないと書けない作品のひとつかなとも思う。(これは多分ネタバレではないですよね?)
また推理小説に幅を持たせるには読者をミスリードさせることが必要なのだが、本書では二本松翔がその役だった。シャーロックホームズシリーズで言うところのワトソン役だが、このミスリードがそれほど鼻に付かない程度のものなので違和感なく読めた。

どうもWebの他の書評を読んでいると、霧舎巧には賛否両論分かれている・・・
本書もどちらかと言うと批判的な意見が多い気がする。
このあたりほんとはどーなんだろーと東工大の奥村研究室で開発中のBlogWatcherで調べて見た。
その結果がこんな感じ。




"霧舎巧"のバースト度の推移
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うーむ。どうなのか・・・

ラグナロク洞も読んで見ますよー。

posted by りょーち | Comment(11) | TrackBack(1) | 読書感想文
この記事へのコメント
トラバ、ありがとうございます。
霧舎巧さんは「荒唐無稽系ミステリ(私が名づけた)」だから
批判的な意見もあるかもしれないですよね。
私は中途半端な社会派よりも「それはなかろう…」という
壮大な荒唐無稽が好きですから、うれしい作家さんです。
でも、読後感は、前作の「ドッペルゲンガー宮」の方が
爽快でした。
「ラグナロク」は文庫になったらゼヒ読みたいですね。
Posted by さくら at 2005年04月11日 22:03
どうも巧な匠です。
カレイドスコープはシリーズ中でも地味な作品だとずっと思っていたのですが先日再読した時に評価が変わりました。
なんというか細かいところにまでこだわりにこだわってアイディアを盛り込んだ贅沢な作品だと感じましたね。
まあ盛り込みすぎていて不評なのかもしれませんが。このまま突っ走ってほしいですね。カケルとユイにしても(笑)。
そういえば霧舎さんの短編は見つかりましたか?
Posted by 巧な匠 at 2005年04月11日 23:20
どうも巧な匠です。
カレイドスコープはシリーズ中でも地味な作品だとずっと思っていたのですが先日再読した時に評価が変わりました。
なんというか細かいところにまでこだわりにこだわってアイディアを盛り込んだ贅沢な作品だと感じましたね。
まあ盛り込みすぎていて不評なのかもしれませんが。このまま突っ走ってほしいですね。カケルとユイにしても(笑)。
そういえば霧舎さんの短編は見つかりましたか?
Posted by 巧な匠 at 2005年04月11日 23:20
どうも巧な匠です。
カレイドスコープはシリーズ中地味な作品だと思っていましたが先日再読して評価が変わりました。細かいところまでアイディアが盛り込みに盛り込まれた贅沢な作品だと感じました。
まあ盛り込みすぎで不評なのかもしれませんが。でも霧舎さんにはこのまま突き進んでほしいですねカケルとユイにしても(笑)。
そういえば霧舎さんの短編集は見つかりましたか?
Posted by 巧な匠 at 2005年04月11日 23:26
すみません。なんか不調だったため何回か押したら。荒らしみたいになってしまいました。お手数ですが削除お願いします。
Posted by 巧な匠 at 2005年04月11日 23:30
さくらさん、こんにちは。りょーちと申します。
(勝手に)トラックバック送っちゃいました(^^;
>「館もの」「孤島もの」というのはその設定に>おいて、かなり荒唐無稽なのです。
というのが「荒唐無稽ミステリー」なんですねー。カテゴリーとして面白いです。

>批判的な意見もあるかもしれないですよね
いろんなページをその後見てみるとどうも「霧舎巧≒キャラ萌え(?)」という、ある種間違ってるのではと思われる考察も散見されました。
でも「萌え」の経済効果は888億円という予測も出ているようですし「萌え」は侮れません(^^;(個人的には「萌え」はどーでもいいのですが・・・)
さくらさんも書かれていますが、そーいえば「オーデュボンの祈り」も孤島モノなんですよねー。
さくらさんのBlogを拝見して気づきました。
孤島モノだけ集めてみたりしても面白いかもしれませんねー。横溝正史の「獄門島」に始まり、小野不由美さんの「黒祠の島」とか有栖川有栖さんの「孤島パズル」とか・・・(お、結構面白そう?)
はっ! ちょっと一人で盛り上がってしまいました(^^;
そーいえば、
http://pink.air-nifty.com/pink/2005/01/post_4.html
に書かれている小栗虫太郎の「黒死館殺人事件」が5年前から読みかけってのはなんとなく分かるような・・・(確かに重そうですよね・・・)
ではでは。
Posted by りょーち at 2005年04月12日 02:03
巧な匠さん、こんにちは。りょーち@管理人です。

そーいえば、見つけました。おそらくこれではないかと思います。
■霧舎巧 傑作短編集 講談社ノベルス
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4061823698/ryouchih-22
・手首を持ち歩く男
・紫陽花物語
・動物園の密室
・まだらの紐、再び
・月の光の輝く夜に
・クリスマスの約束
amazonのwishListには一応入っています(^^;
#ルービックキューブと一緒に買えばよかったかなー

>でも霧舎さんにはこのまま突き進んでほしいですねカケルとユイにしても
私、実はこのカケルとユイの関係、結構好きなんですよねー。カケルは万年ワトソン役でもいいかなーと思うのですが、ユイとの関係は進展させてあげたいと思う今日この頃。(まあ本書でちょっと進展しましたよね)

>荒らしみたいになってしまいました。お手数ですが削除お願いします
問題ないです。(SeeSaa最近重いのかな?)
わざわざお越しいただきましてありがとうございました。
またいろいろ情報おしえてくださーい。
ではでは。
Posted by りょーち at 2005年04月12日 02:12
りょーちさん、こんにちは。
「オーデュポンの祈り」の直前に読んでいた孤島モノ、ってのが、まさに「黒祠の島」で、買おうかどうしようか悩んでいたのが、この「カレードスケープ島」だったんですよ。
こうなってくると、ガゼン、有栖川氏の「孤島パズル」が読みたいです!

ところで、黒死館…まだ読めていません…(-_-;
Posted by さくら at 2005年04月12日 13:11
さくらさんこんにちは。りょーち@管理人です。

>「オーデュポンの祈り」の直前に読んでいた
>孤島モノ、ってのが、まさに「黒祠の島」で、
>買おうかどうしようか悩んでいたのが、
>この「カレードスケープ島」だったんですよ。

そーなんですか、りょーちと何か読書の趣味がかなり似ているよーな気がします(^^;

>黒死館…まだ読めていません
おそらく1回読んだだけでは理解不能かもしれません。
しかし、小栗虫太郎さんを読もうということは、ひょっとして、夢野久作とか久生十蘭とか沼正三とか竹本健治とか中井英夫とかも好きですか?と聞いて見たりしたくなります(^^;
りょーちは、「黒死館殺人事件」はまだ感想を書けるだけ読み込めていません・・・
法水麟太郎に他の事件の捜査もお願いしたいところです(^^;
ではでは。
Posted by りょーち at 2005年04月12日 20:47
ほんとすみませんでした。お詫びといってはなんですが霧舎さん情報を。
「ラグナロク洞《あかずの扉》研究会影郎沼へ」が来月文庫化されるそうです。
Posted by 巧な匠 at 2005年04月13日 00:42
>「ラグナロク洞《あかずの扉》研究会影郎沼へ」が来月文庫化されるそうです。
そーなんですかー。ノベルズで既に買っちゃいました(^^;

>ほんとすみませんでした。お詫びといってはなんですが霧舎さん情報を。

全く気にしないでくださいねー(^^;
ではでは。
Posted by りょーち at 2005年04月13日 07:04
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