りょーち的おすすめ度:

もう、こいつらで好きなように回してくれ。いや、こいつらなら地球を逆回転できる。海老一染之助の傘の上でも回るかも。
こいつらとは本書「陽気なギャングが地球を回す」にご出演の面々である。
本書に出てくるギャング達はそれぞれ特技があり、
・人の嘘を完璧に見抜く能力を持つ成瀬(役所勤務)
・薀蓄と嘘つきに掛けては天下一品の響野
・数秒も狂わない正確な体内時計を持つ紅一点の雪子
・スリの名人である久遠
というメンバーがあろうことかタッグを組み、銀行強盗をやっちゃおうじゃんって言うストーリーである。
各場面場面で彼らの特技が功を奏し、銀行強盗は一人の血を見ることもなくクールに遂行されるのである。ギャングでもスポーツでも重要なのはチームワークだが、このチームワークが破綻したときにはよい結果は生まれないのだ。一見完璧なチームワークだったこのカルテット達に亀裂が入るとき、計画はやっぱり失敗しちゃうのだ。
計画は一見成功したかに見えたのだが、逃走中に成瀬たちの掻っ攫った戦利品(売り上げ?)を別の銀行強盗がやってきて、横取りされちゃうのだ。
しかし、この小説、こっからが面白い。取られた売り上げ(って元々人のモノだが)を奪還すべく成瀬達が東奔西走したり、犯人(って成瀬たちもある意味犯人なのだが・・・)を調査し、追い詰めるプロセスなど見所満載である。
この物語に出てくる人々が実にキャラが濃い。サブキャラとして出てくる役に立たない画期的な発明品を保有する田中。田中の発明品にはフラッシュレスカメラだとかグルーシェニカー(中から開かない車)だとか「あんたそれ何に使うの?」的な奇妙な発明品がある。
響野が銀行強盗をする際に行員達に語る妙な薀蓄も思わず傾聴してしまうような(しかし、中身はどうでもいいような)内容だ。雪子に関しては元ダメ夫の出現でかなりヘビーな役回りを強いられることになる。このあたりも非常に読みどころかも。
エンディングも気持ちのよい終わり方でスッキリである。このメンバーの続編(あるのか?)も書いていただきたいです(→伊坂さん)。風のうわさで映画化されるって話しも聞きましたが、是非やっちゃっていただきたい。
りょーちとしては、この4人の掛け合い漫才的なトークが非常に楽しく(半ば出来すぎの感も否めないが)さすが伊坂幸太郎と唸ってしまった。21世紀を代表する作家になるかもしれませんね。
「ギャング」ってもう死語かと思ったけど、意外とすんなり頭に入ってきた。りょーちが「ギャング」という言葉を聞いて真っ先に思い浮かんだものは「ドリフ」だったのは幼少の頃の8時だよ全員集合のギャングコントに起因しているのではなかろうか(謎)
※そして更に、映画化された勢いもそのままに、続編の 陽気なギャングの日常と襲撃 も出版された!
うーむ、こちらもなかなか楽しみ!
この話は伊坂作品の中でもかなり好きなので私も続編大希望です。是非書いて欲しいですよね!
ギャングバンザイ!
それでは失礼しますー。
トラックバック有難う御座いました。
私も 『ギャング』は伊坂さんの作品の中で一番好きなのですよ。
素敵なギャングさん達に惚れ惚れしております。
今年の夏には映画になるそうで。そちらも楽しみです!
続編は小説NONでたまに書かれているそうですよ。
宜しかったらチェックしてみて下さいましー。
其れでは 失礼致します。
これはかなりよかったですよ。小説としてのリズムがありましたよねー。
そーいえば、潮木海さんのサイトで書かれている「直木賞選評を読んで」を読んで(ややこしくてすみません)私も似たような感覚を持ちました。
ある意味、伊坂さんには賞など必要ないのかもしれませんね。潮木海さんをはじめ、伊坂ファンという読者がいればいいのではと思いました。
また、伊坂さんの本を読んでみたいです。(最近積読が多くて・・・)
ではでは。
>私も 『ギャング』は伊坂さんの作品の中で一番好きなのですよ。
と、かかれてましたね。(最下位はグラスホッパーですか?)
グラスホッパーもちょっと読んでみようかなーとも思ったのですが、風浦さんのご意見を伺って、優先順位をちょいと下げちゃいます(^^;
ちなみに、りょーちの最近のHit作家さんは雫井脩介さんです。この方もかなーり素晴らしいです。
今後ともよろしくお願いいたします。
ではでは。
今更ですが、随分前にTBいただいていたんですね(2004.9.27。『モンテ・クリスト伯』)。
お礼が遅くなり、申し訳ございません。ありがとうございます。
半年以上かけてやっと読了し、次の本に入ったところです。
以前の感想を見ようと表示をしたところ、TBの存在に気が付いたという次第。
本当に何度お詫びしてもしきれないくらいです。<(_ _)>
私もミステリーが大好きです。
懐かしい気持ちから、『モンテ・クリスト伯』を読んでおりましたが…。
ちなみに今、読んでいる本もミステリーではないです。
近衛忠大著『近衛家の太平洋戦争』。読み始めたところ、なかなかの力作です。
それでは、また来ますね♪
陽気なギャングはまだ読んでませんが、りょーちさんのコメントを読んで早速読もうかと思いました。りょーちサンのレビューってその本を本当に読みたくさせますね。
TrackBackに関しては「関連する記事を書きましたよー」程度に考えておりますので、まったく御気になさらないでくださいねー(^^;
(恐縮してしまいますー ^^;)
近衛忠大さん、お薦めなのですね。まだ、拝読したことがないので、ちょっとチャレンジしてみようなかー。
書籍についての感想をBlogで書いておりますとこうやっていろいろな方と本のお話しができるので、非常にありがたい限りです。
今後ともよろしくおねがいいたします。
ではでは。
「陽気なギャング」はホントお薦めです。謎解きよりも「話の流れ」で読ませる本ですね。
勿論、「謎解き」の部分もしっかりとした複線が張られています。
なかなかgoodでした。
ではでは。
この本も積読状態だったのですが、先日りょーちさんが感想をエントリしてらっしゃるのを見て、
どうにも我慢が出来なくなって時間を無理やり作って読みました。
面白かったです!!
トラバさせていただきましたので、ご挨拶まで…<(_ _)>
>この本も積読状態だったのですがどうにも我慢が
>出来なくなって時間を無理やり作って読みました
たいりょんさんの積読を一冊読むためのトリガーとなって幸いです(^^;
これ、おもしろかったですよー。ホント。
軽妙な語りで読ませるスピード感のある小説でした。
>好きなものはとっておいて最後に食べるタイプのたいりょんです
は、りょーちもその節があるかもしれません。今後の伊坂作品に期待が高まりますね。
ではでは。