崩れる 結婚にまつわる八つの風景 (角川文庫)
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貫井 徳郎
角川書店(角川グループパブリッシング) (2011-03-25)
売り上げランキング: 40197
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りょーち的おすすめ度:

本書は貫井徳郎さんの短編集になります。
サブタイトルは「結婚にまつわる八つの風景」ということで、結婚をテーマにした短編集になっています。
「崩れる」「怯える」「憑かれる」「追われる」「壊れる」「誘われる」「腐れる」「見られる」の8編から構成されていてそれぞれ関連性はなく、純粋な短編として書かれています。
短編ってのは非常に難しいと思うんですよね。星新一さんや筒井康孝さんは短編を非常に上手に書ける作家さんなのかなーと思うのです。短編で何が難しいかといえば、少ない文字数で面白い世界を構成しなければいけないということですね。童話や昔話などはそのよい例で、きちんと起承転結をつけてしかも教訓まで存在する。
本書の「崩れる」でりょーちが得た教訓は「結婚生活はまじめに送ったほうがいいな」ということです(^^;
短編ということもあり、ストーリーに触れることは難しいのですが、りょーちが好きなのは「腐れる」でしょうか。匂いをテーマにした「腐れる」は最後にその「匂い」が何なのかを理解したときちょっと怖かったですね。
ミステリー小説で匂いを題材にした小説は幾つかあるのですが、井上夢人さんの「オルファクトグラム」もなかなかよかったです。
短い中にも貫井節(?)が現れていて読みやすかったです。
本書は所謂フーダニットものでもなく、トリックものでもないため、ミステリー小説をあまり読まれない方も読みやすいのかなと思います。
本書の中で様々な家族が描かれていますが、よくこれだけの登場人物に個性を持たせることができるなーと感心しました。
また、テーマの選び方も発行当時から見ると今の社会にも当てはまる題材が取り上げられている。ストーカーとか公園デビューとか当時はなかったと思うんだけど・・・ 社会の問題がよく見えているのかな?
ちなみに、本書を読んだ独身の方は「こんなんだったら結婚するのやめようかなー」と思っちゃうのかな?
長編が比較的多い貫井さんの短編もまた読んでみたいなあと思います。貫井さんよろしくお願いいたします。(って見てないか・・・)
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「慟哭」読みました。貫井さんの原点なんですよね。
最後の展開。スゴイですね。
だけど、感動しました。こんな孤独感は感じたことが無いです。語彙が貧弱で表現できませんが。
今は、雫井氏の「栄光一途」を読んでいるので、読み終えたら「転生」を読みます。
貫井氏ははまりますね〜。
>最後の展開。スゴイですね。
そーですよねー。はじめにこの本を読んだときはネタバレするとちっとも面白くないのではと思ったんですけど、再度読み返してみてもやっぱり面白いんですよね。
結果が分かっているにしてもその結果までのプロセスで十分読める秀逸な作品だと思います。
そーいえば、雫井氏の本、一冊購入してしまいました。現在積読状態です(^^)
>貫井氏ははまりますね〜。
是非是非はまってください(^^;
ではではー。
「慟哭」「崩れる」と読んでみると、社会を斜に鋭く切り取ろうとする作者の姿勢がうかがえますね。
とりあえずこの本で結婚に幻滅することはありませんでしたが(笑)
東野圭吾もその上をいくブラックさでお薦めです。
>とりあえずこの本で結婚に幻滅することはありませんでしたが(笑)
お、それはよかったです(^^;
東野圭吾さんも「上手い」作家さんですよねー。
なんとなくオールマイティっぽい感じを醸し出していますね。「そつがない」印象を受けます。
いろいろ読みたい本が山ほどあり、文字通り積読状態です。
いろいろな本に目移りしてしまう今日この頃です。
ではでは。