2008年12月04日

高橋克彦:「総門谷」 このエントリーをはてなブックマークに追加

総門谷 (講談社文庫)
総門谷 (講談社文庫)
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高橋 克彦
講談社
売り上げランキング: 170541
おすすめ度の平均: 4.0
2 前半の展開はいいですね
3 やや興醒め・・・
5 SF伝奇小説の傑作!
4 本の始めは魅力的だが…がっくり、、、
5 スケールがでかい!

りょーち的おすすめ度:お薦め度

かなり前から気になっていた高橋克彦の「総門谷」を図書館で借りて読んだ。
先日読んだ半村良の「超常領域」も昔のSFだが、この総門谷も昔のSFなんだな。Wikipediaの高橋克彦の記事によれば1985年に出版され、1986年にこの「総門谷」で第7回吉川英治文学新人賞を受賞しているらしい。

ジャンルとしてはSFになる。ストーリーが壮大で結構面白い。
「SFと呼ばれるもののすべてのエッセンスを詰め込みました」というジャンルで壮大なストーリだな。

東北で発見された焼死体と最近頻繁にみかけるUFOの謎を追う出版社E2のメンバーとTVディレクターの篠塚、そして不思議な力を持つ霧神顕が、謎の存在「総門」と総門の手下たちと繰り広げる激しいバトルが見ものだ。
舞台は東北になっているのだが、どうやら本書は河北新報という宮城県の新聞に連載されていた小説のようである。つーか、この内容を一般新聞に連載するって、河北新報、やるな。

まあ、ホラ話もここまで広げるとすごいわ。何しろ「総門」の手下がすごい。過去に偉業を成したメンバーが勢ぞろい。
キリスト、ジャンヌ・ダルク、プラトン、クレオパトラ、役小角、ダ・ヴィンチ・・・
彼らが総門にいいように使われているのだ。どうなの、これ?
彼らは死後、総門により永遠の命を与えられ、その代わりに総門への忠誠を誓っているのだな。こういった歴史上の人物がひどく人間くさく書かれている(まあ、人間なのだが・・・)。
キリストやプラトンが喧嘩や諍いを繰り広げるって「ちょ、待て」といわずにはいられない。つーか、キリスト教信者が読んだら、これ怒るぞ、きっと。ま、そこが面白いんだけどな。

物語のポイントは「霧神顕の出生の秘密」「顕の能力の開花」「顕の両親の存在」「総門とは何者?」。まさに、謎また謎の連続。
本書を書くのには相当なSFやカルト的な知識が必要だと思うが、UFOやピラミッド、ミステリーサークルなども面白い解釈がされておりそこだけ読んでみても楽しめるな。

惜しまれるのが主人公の霧神顕が主人公っぽくないんだな。これが。なーんかあまり魅力がないんだな。すごい能力に開花して、総門と戦っちゃったりするんだが、感情移入するほどキャラが立ってない。ストーリー、着眼点などに面白い要素が多々あるだけに惜しいねぇ。

栗本薫の「魔界水滸伝」の伊吹涼も主人公として情けない印象を受けたが、それ以下だな。なんでだろうな。(つーか、魔界水滸伝の結末はどうなったんだっけ?)

なお「総門谷R」ってのもあるらしい。
総門谷R〈阿黒篇〉 , 総門谷R〈鵺(ぬえ)篇〉 , 総門谷R〈小町変妖篇〉 , 総門谷R〈白骨篇〉
うーむ、いつの日か読んでみよう(ちょっと後ろ向きだが)。

どうでもいいのだが、高橋克彦 - Wikipediaを参照すると、こんなことが書かれていた。
高校生時代にヨーロッパに長期旅行して、ビートルズに会った最初の日本人となった
そーなんだ・・・


posted by りょーち | Comment(0) | TrackBack(0) | 読書感想文
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