ブンとフン (新潮文庫)
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井上 ひさし
新潮社
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おすすめ度の平均: 






りょーち的おすすめ度:


今でこそいろんな本を読んでいるのだが、高校生の頃は何故か赤川次郎さんの本を好んで読んでいたっす。
で、同級生もそれなりに本を読んでいる人もいて、その中の一人が持っていた本がこの井上ひさしの「ブンとフン」だった。当時は「何、その題名?(笑)」的に思っており、気にもとめずにここまで生きてきましたが、先日図書館でこの本をみかけ「あー、そーいや高校生の頃読んでた娘がいたなー」と思い借りてみた。
これがなんとかなりオモシロイ!
高校時代にこの本を知っていたらその後のりょーちの読書観も変わっただろうなーと思わせる一冊だ。「井上ひさしと井上靖、どっちがどっちだっけ?」と今までよくわかんなくなってたりょーちだが、これでもう大丈夫(謎)。
物語は貧乏作家のフン先生が書いた小説の主人公ブンが小説の中から抜け出して大騒動を繰り広げるという話し。
ブンは四次元の大泥棒であり、誰にも捕まえることはできず、しかも何でも盗むことができるのだ。しかも変装の名人でもあり、いろんなものに化けることもできる。
小説から飛び出したブンは世界中でいろんな事件を起こす。(といっても悲惨な事件はひとつもないのだが)
たとえば、ベルリンのシマウマのシマを上野動物園のシマウマに移して上野動物園のシマウマを格子模様にしたり、自由の女神の炬火(たいまつ)をソフトクリームにしたりアンパンのヘソをカエルに移植したりと世界中でさまざまな事件を起こしまくる。
これらの不思議な現象はブン現象と名づけられることに。
さらに小説が増刷になり、ブンも増えに増え続け事態は更に混迷する。
警察は四次元のブンに対抗することもできず、ついには悪魔と契約しブンを捕まえようとするが・・・
サックリと読めるライトSF的な話しでかなりお勧め。このブンとフンが出版されたのは1974年とずいぶん前の話なんだな。しかも井上ひさしさんの処女作のよーである。
杉井ギサブローさんの描かれたカバー・挿絵もかなりかわいくてポイントが高いっす。
おそらくこのブンとフンは後世のいろんな作家にかなり影響を与えた一冊になっているのではないかと(勝手に)推測する。
今思えば清涼院流水の「カーニバル」あたりに出てくる犯罪オリンピック(だっけ?)などはブン現象そのものではなかろうか?
独特の軽い文体だが、ブンが人々の虚栄心までも盗み出す件などはいつの時代にも共通して発せられるべきメッセージだと思うっす。
ブンには今の世の中に登場してもっともっといろんなものを盗み出してほしいっす。
のりしろネタと切り取り線ネタは覚えてるw。
そーか、小学生のころかー。
>のりしろネタと切り取り線ネタは覚えてるw。
そうそう、あったっす。
小学生の子供は見ちゃいけませんよ(^^;
かなりよろしかったっす。
また読むな、きっと。