2008年08月21日

奥泉光:「プラトン学園」 このエントリーをはてなブックマークに追加

プラトン学園 (講談社文庫 お 102-1)
奥泉 光
講談社
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りょーち的おすすめ度:お薦め度

久々に図書館で借りてきた本。

以前作者の奥泉光さんの「グランド・ミステリー」を読んだことがあった。「グランド・ミステリー」も不思議なストーリーだったが、本書「プラトン学園」もちょいと不思議な物語になっている。
本書は主人公の木苺惇一が北の離島、象島にあるプラトン学園という学校で英語教師として赴任したが、その学園および象島で起こったなんとも不可思議な体験談が書かれている。
全編通じてなんとも捕らえどころのない作品に仕上がっているのは、やはりその世界観にあると思われる。
プラトン学園というソフトにより仮想電脳空間をさまよう木苺が現実と虚構の区別がつかなくなるってのがこの話のキモの部分であろう。まあ、早い話があの「マトリックス」のよーな且つ「マトリョーシカ」のよーなストーリーなわけであった。鈴木光司の「ループ」に近いかもね。
が、それにしても途中まで、この仕組みがよくわかってなかった。
キイチゴや校長、千石霧子、学校の生徒たちが現実にはありえない行動を起こすためちょっと混乱したっす。物語の全体像がほぼつかめたのはかなり最後のほうである。といっても、実は今でもこの世界観がすべて理解できたかと問われれば、かなり怪しい。結局世界観を書きたかったのか、その中の人物を書きたかったのか、判然としないつくりになってしまっているよーな気がする。あと、一応ヒロインとなるのか不明だが、千石霧子と千石聡子の存在は本書ではどういう位置づけだったのだろう? 今もってよくわかんないっす。

なお、この本が出版されたのは1997年のようである。
今なら仮想空間といえば、セカンドライフ的なものを容易に想像できるが、当時はまだ、VRMLが出始めたころなんだねぇ。なかなか一般の人々にはコンピュータの中で自由に空間を動き回ってといってもピンと来なかった時代だったのではなかろうか。
そのあたりの違和感が読後にあまりピンと来るものがなかった要因かもしれないっす。

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