こんにちは。バブルガム・ブラザースのTOMこと、小柳トムです。警官の制服はもうヤフーオークションで売っちゃいました(嘘です)。
どうでもよいが、書評を書きたい本が山積みになっている。しかし書く時間がない・・・あと、20冊くらい溜まっているのだが・・・orz
そんな中、梅原克文の「ソリトンの悪魔」。本書を読むのももう4回目くらいなのだが、古き良き昔のSFという印象を受ける。これは出版年度が少し前だからという話しではなく、梅原克文がある程度意図的に演出しているのだろう。
2016年、倉瀬厚志は海上情報都市「オーシャンテクノポリス」の建設に携わっていた。
オーシャンテクノポリス付近には海底油田採掘基地の「うみがめ200」もあり海上・海中での開発がかなり進められてきて完成間近。
その日は離婚した妻の秋華(チェウホア)との間にできた娘の美玲(メイリン)と再会する予定だったが厚志は仕事が忙しく、美玲はひとり海底遊覧船「りゅうぐう」に乗り込んだ。更に偶然にも元妻の秋華がオーシャンテクノポリスを視察に来ていた。
そのとき、海上都市に激変が生じた。海上都市を支える柱という柱は崩れ去り、国家予算規模に近いオーシャンテクノポリスは見るも無残に瓦解しかけていた。
・然の事故に原子力潜水艦にでも攻撃されたのかと困惑していた倉瀬はソナーを駆使して調査を開始したが原因がつかめない。近くにいる自衛隊の潜水艦「はつしお」と通多を試み、厚志と秋華は「はつしお」に乗り込む。
そこではじめてこの事故を起こした原因がソリトン生命体、通称「蛇(サーペント)」というわけの分からない代物であることを知る。
厚志は娘を助け出すために「蛇」に挑む。
読みどころとしては、海底世界のフシギさやソリトンについての薀蓄やホロフォニクスソナー、次世代コンピュータなどというSF的な要素もあるのだが、極限状態に置かれた人々がどのように艱難辛苦を乗り越え危機を脱するかというところではないかと思う。ジェットコースター的なシナリオライティングは梅原克文の真骨頂であろう。
しかし富岡艦長の異常とも思える潜水艦への愛着はどうなのか?(潜水艦に乗っている方はこういう人ばっかりじゃないですよね?) 潜水艦ではないけど、富岡艦長が福井晴敏の亡国のイージスの宮津艦長だったら話しの展開がかなり変わったかもと思ったりした。
「二重螺旋の悪魔」でも少し感じたが登場人物がやや型に嵌りすぎな気がする。どーしても「二重螺旋の悪魔」の深尾直樹と「ソリトンの悪魔」の倉瀬厚志がオーバーラップする。(深尾直樹の方が軽口ではあるが・・・)
本書は四部構成になっているのだが、四部は殆ど後日談のよーな感じなのでもしかしたらいらなかったのかも知れないなぁと感じたがこれは賛否両論あるだろう。
でもおそらくもう一回くらい読んでもよいかなと思える作品であることは間違いない。で、読み始めたら最後、読み終わるまでノンストップで読み続けてしまうことも間違いない。
りょーちの周囲の人々には梅原克文を知っている人はかなり少なく、知っている人でも「大好き」という人は続無だったりするのだが、サイファイ作家の梅原克文さんの良いところは「真顔で大法螺が吹ける」ってとこかな? こういうジャンルの作家にはとても必要なセンスだな。
ちなみに、驚いたことに、このソリトンの悪魔ってDVDになってたんですね。(こんな感じらしい)しらんかったよ。
昨日やっとトラックバックのやり方が判りましたので、
遅ればせながら本日トラックバックさせていただきました。
「サイファイ・ムーン」以来、新作が出ていないようなので、ちょっと寂しいです。
コメントいただきましてありがとうございます。
>「サイファイ・ムーン」以来、
>新作が出ていないようなので、ちょっと寂しいです。
私の中の梅原克文の読書歴は「カムナビ」で止まっております・・・orz
新作を切に希望しております。
今後ともよろしくお願いいたします。