2004年11月11日

ヘンリー・ウィンターフェルト:「星からきた少女」 このエントリーをはてなブックマークに追加

星からきた少女 (少年少女新しい世界の文学 13)
ヘンリー・ウィンターフェルト
学習研究社
売り上げランキング: 1224445


りょーち的おすすめ度:

本サイトは「りょーちの駄文と書評とアフィリエイト」なので、アフィリエイト関連のものをもっと沢山紹介したり、アフィリエイト商品について直接的な記事を書いたりすればいいのかもしれないが、最近、アフィリエイトはかなり適当にやっておこうという気になっており、どっちかと言えば「書評」の部分に拘(こだわ)っていきたいと思ったりしている。
何でこんな書き出しかといえば、紹介する、「星からきた少女」が絶版になっているからである。amazonやbk1にリンクを貼っても買えない本なのだ。だからアフィリエイトは無理だねとふと思ったので上述のよーな表現になってしまったのだ。
この本は近所の図書館で借りてきた。今現在どこにも売っていないので図書館などでお借りいただければと思います。
参考までに復刊.ドットコムさんで、現在14票しか集まっていません・・・(りょーちは1票いれましたよ)


本書の初版発行日が1969年3月20日なので、かなり古い本である。あとがきから抜粋すると、作者のヘンリー・ウィンターフェルトさんは1901年ドイツの首都ベルリンで生まれたが1940年に第2次世界大戦のあいだにアメリカに移住し、そのままアメリカに住み始めました。1990年に残念ながら他界されました。
本書は1960年度ドイツ児童図書の優良作品に選ばれました。

森の中で妹たちと一緒に遊んでいたワルターは、このあたりではみかけたことのない、綺麗な服を着た女の子に出会いました。彼女はモーという変わった名前で、年は「87歳(?!)」で、アスラという別の星から来たと言っています。モーはアスラで地球学専攻のお父さんと一緒に宇宙船に乗っていたのだが運悪く宇宙船から落ちてしまったとのこと。
にわかに信じられない話しなのですが、いろいろ話をしていくうちにみんながモーは宇宙人だと信じるようになりました。モーは今晩宇宙船で父が迎えに来ると約束したとのこと。日が落ちたらアスラの方角に向かって歩いていくと原っぱに出るのでそこで待ち合わせしましょうということになっているらしかった。ワルターたちはモーをアスラに返してあげようとみんなで考えましたが、日が落ちるまでまだ時間もあるので、村にモーをつれて帰りました。
モーが身に着けていたものの中に立派な首飾りがあり、時計鑑定士に言わせれば100万もする高価なものらしかった。そこに警察官がやってきました。大人たちはモーが宇宙人ということを信じていなかったので、モーは頭のおかしい泥棒だと思ったようです。警官はモーを捕まえようとしますが、ワルターは首飾りを持ってモーと一緒に逃げます。
宇宙船の来る時間はまだなのですが、なにしろ狭い村なので逃げる場所も隠れる場所もあまりなく、更に行く先々でモーは(人間からすれば)非常識な行動を取ってしまいます。お金を払わずに売り物のリンゴを食べたり、売り物の鶏をかわいそうだと思い勝手に逃がしたり村は大変な騒動になり、モーを探し回ります。村の人はモーがアスラから来た宇宙人ということを全く信じていません。信じているのはワルターやロッティ、グレーテ、オットーなどの子供たちのみです。
お父さんとの待ち合わせ場所の原っぱまでモーはたどり着けるのか? お父さんは来るのか? モーはアスラに帰れるのか? それともホントにたんなる嘘つきの少女だったのか?

この物語は子供向けに書かれているのですが、しっかりSFしています。また推理小説のような趣向も凝らしてあります。とってもいい話しでした。
子供たちの純粋な心が非常に美しく思える一作です。なお、本書は冒頭にも記載いたしましたように、現在(おそらく)どこの書店でも取り扱っていません。(amazonにusedで売られているくらいかな?)
図書館などで是非お探しください。(ちなみに、りょーちも図書館で借りて読みました。)

この本をご存知の方がいらっしゃったら感想などをお聞かせいただければと思います。

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posted by りょーち | Comment(4) | TrackBack(1) | 読書感想文
この記事へのコメント
はじめまして。
ヘンリー・ウィンター・ヘルトで検索してたどり着きました。

この作家の小説はほとんど小学校時代に図書室で読みました。
「この「星からきた少女」が1番好きです。
スピルバーグもこれを読んで「ET」を制作したのではないかと疑っているほどです(笑)

彼の作品には星新一のような透明感があって不思議な感覚がするところがいいですね。
Posted by 聖 館 at 2008年11月24日 05:53
聖館さん、こんにちは。りょーち@管理人です。
コメントいただきましてありがとうございます。
モーを通じて人間がいろんなことに気付かされる過程はミヒャエル・エンデのモモに近いアプローチかと思います。
私はどちらも好きですが、どちらかというとモーのほうが好きかもしれません。
ET、確かにそうですねー。うーむ、ほんとだ。
Posted by りょーち at 2008年11月24日 23:36
こんにちは。このお話は、たしか NHK の教育テレビで人形劇として放映されたことがあります。「おとぎのへや」だったか、それに類する別の番組だったかもしれません。人形劇では、少女が星を懐かしんで「ピリカラピリコロアースラー」と星の言葉で歌うシーンなんかもありました。

その番組は、だいたい名作ものや昔話を脚色して放送していたので、原作を読んでみたくなり、「アスラという星から来た少女」などで検索してこの記事にたどり着きました。おかげで図書館で借りられそうです。ありがとうございました!
Posted by らら at 2019年11月28日 15:56
ららさん、こんにちは。
りょーち@管理人です。
お役に立ててよかったです。
人形劇でやってたんですかー。ちょっと見てみたいですー
Posted by りょーち at 2019年11月28日 18:21
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ヘンリー・ウィンターフェルト
Excerpt: Counter: 0, today: 0, yesterday: 0 ヘンリー・ウィンターフェルト † 名前:ヘンリー・ウィンターフェルト(Henry Winterfeld) 【..
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