りょーち的おすすめ度:

ってことで、貫井徳郎の愚行録を読んでみた。
またもや図書館で借りてきたっす。
今ひとつ感心しなかった。
うーむ。「これってあれだよね。慟哭でしょ?」と思わずにいられない一冊だった。
どこがどう慟哭っぽいかといえば、もうネタバレ覚悟なんだが、本書は一家惨殺事件を調査するルポライターの章と、誰かわからない兄妹の会話の章の2章が平行して進んでいく。で、まあ、この2つの章の人間関係は本書の最後の方でわかるっていう、例のアレなんだな。登場人物名はこの小説の性質上あまり書かないほうがよいような気がするのでここでは個々の人物に関して言及はしないっす。
それにしても読後感があまりよろしくない。そういうオチで書いたんだからしょうがないのだが、最後のページを読んで、はじめのページに書かれているネグレクトの記事にやっとつながるんだな。
また、インタビュー中に回顧される被害者の関係者から聞く被害者の学生時代の話がどうも不思議だ。慶應義塾大学内の内部生(幼稚舎から上がってきた人)とか外部生って、やっぱそーいうの存在してるんですかねぇ・・・
こういう横の繋がりって連帯感なんだろうけど、度を越すと閉鎖的社会を構築しちゃうんだろうねぇ。会社でも学閥とかあるんだろうけどねぇ。
そういう人にわかりやすいラベルを貼ることで生活しやすい人もいるだろう。
ちなみに、作者の貫井徳郎さんは早稲田大学卒業っぽい。だから慶應義塾大学へこういったイメージがあるのではと邪推するよーな記述が多々見受けられた。
まあ、バブル期の学生生活ってのはこんな感じだったんだねぇという、懐古趣味的な視点から読めば読めなくもないなと思った。
詳しく書くと完全にネタバレしちゃうので書かないことにしちゃうが、まあそれにしても、犯人の殺害への動機はどうなの?こういうのが動機として成立するんだったら、世界の人口が今の半分くらいになっちゃうんじゃないのと思ったよ。
■他の方々のご意見