りょーち的おすすめ度:
こんにちは、若井はんじ・けんじです(嘘です)。
書店では何度か見かけている松岡圭祐の千里眼。
今まで何故買おうと思わなかったかというのには理由がある。
私は松岡圭祐という作家があまり好きではなかった。
初めて読んだ松岡圭祐の作品が「催眠」だったのだ。本書は映画化もされたようでそれなりのヒットだったのであろうと思われるが、りょーちの中ではあまり心に響かなかった。多分「催眠」が出版されて直ぐに購入したので、かなり昔の話だと思われる。
で、今回書店で何気なく購入した本がこの「千里眼 The Start」だったのだ。購入してから「あっ、松岡圭祐だよ・・・orz」と思ったのだ。しかし買ったからには読まなくてはと思い読み始めたら、これがとんでもなく面白い。つーか、面白すぎる。「なんで早く教えてくれないのか」と誰かに八つ当たりしたくなるっす。
全体のページ数は短くまとめられ、その分かなりスピード感が出ている。
りょーちはあまり知らなかったのだが、本書「千里眼」シリーズはハードカバーでかなりの数が既に出版されており、角川書店からの「千里眼」シリーズは今までの千里眼シリーズを踏襲しつつも、りょーちのよーに今まで読んだことのない人向けにも理解できるようなストーリーとなっている。
本書「千里眼 The Start」は千里眼シリーズの導入編という位置づけで、主人公の岬美由紀についての人となりや臨床心理士になった経緯について触れている。
本書で登場する、この岬美由紀は紛れもなくスーパーウーマンである。
防衛大学を首席で卒業後、航空自衛隊に入隊。更に女性初の戦闘機パイロットとなる。
自衛隊でも幹部候補生として将来を嘱望されていた美由紀は、その頭脳もさることながら身体能力面においても瞠目に値する能力を有している。
そんな美由紀は服務規程を守らなかったため査問に掛けられ、除隊することになる。更に美由紀を庇った板村三佐も除隊となってしまう。美由紀に関してはまだしも、板村は嘱託医として査問会に参加した笹島の精神鑑定としての意見によるところが大きかった。
美由紀の服務規程違反は、離島の被災地に許可なく救援ヘリを飛ばしたことにである。美由紀は命令より人命救助を優先した。岬美由紀の行動原理は何時でも弱者を守ることが優先するのだ。自分だけが処罰を受けるならまだしも板村への処罰は我慢できなかった。
美由紀は精神科医の笹島の意見が誤っていることを証明し、板村を復職させるため、除隊後、臨床心理士の道を歩んだのだ。
戦闘機のパイロットから臨床心理士への転進は大きな方向転換だ。全くの畑違いであると思われるその転職は美由紀にとっても世界にとっても幸運なことであった。
臨床心理士は、患者との対話中に患者の表情を観察し、患者の喜怒哀楽やその他の感情を理解するのである。しかし、対話中に患者の本来の気持ちが理解できるというのは極まれで、実際は被験者との対話の様子をVTRで撮影し、スローモーション技術を駆使し表情を読み取り感情を推測することが常である。
しかし、美由紀は戦闘機パイロットの訓練により、類まれなる動体視力を有しており、一瞬で患者の心理状態や、発言の虚偽を看破する技術を体得したのだ。本シリーズではこの美由紀の能力がフル活動し、世界平和に貢献する(いや、まじで)という壮大なストーリーなのだ。
いや、すごいよ。岬美由紀。
本書「千里眼 The Start」では、舎利弗浩輔(しゃりほつこうすけ)の元で臨床心理士としての知識を学びはじめるところから始まる。
臨床心理士の資格を取得した美由紀は持ち前の動体視力を駆使し、一般の人間では到底判断できない一瞬の表情を掴み取り、相手の心理状態を把握できるようになっていた。そんな美由紀は自分が自衛隊を辞める直接のきっかけとなった笹島と偶然再会する。
美由紀は既に笹島と専門的な議論が交わし得るまでの心理学の知識を有しており板村の鑑定は誤りであったことを認めさせようとしたが、板村の除隊は覆らなかった。
そんな中、好摩牛耳という、フリーライターの掴んだ爆弾テロの情報を知り、テロを阻止するため美由紀が犯人と対峙する。
このあたり、詳しく書くとネタバレになるので多くは語らないが、岬美由紀、凄すぎるっす。りょーちは、ハードカバーバージョンを読んでいないのだが、この本から読んでも十分「千里眼」のオモシロさが伝わってくるっす。
本書購入後、とりあえず現在出ているシリーズを大人買いしてみたっす(^^;
さて、読みまくるぞー。
他の方々のご意見
参考書?
別宝ムック「「航空自衛隊、最前線![戦力・任務・隊員]」