りょーち的おすすめ度:

こんにちは、牧村三枝子です(嘘です)。
かなり前に読んだ、服部真澄の「バカラ」を再読してみた。
この本が出版されたのは002年。服部真澄は予知能力者なのかと思うほど、未来を正確に予測しているっす。(勿論すべてあたっているわけではないのだが)。
本書のタイトルでもある「バカラ」とはご存知の方も多いと思うが、トランプを使ったカードゲームである。マカオやラスベガスなどの公営カジノなどではよく遊ばれているゲームらしい。日本ではおそらく「お金をかけて遊んではいけません」というゲームだと思われるが、東京のアンダーグラウンドでは実は密かに遊ばれているのではないかと推測する。テレビなどでよく「警視庁24時」とかで摘発されている映像などはおそらくバカラ賭博ではないかと思われる。日本では禁止されているこのカード賭博であるが、数年前に一時期「カジノを合法化してお台場に作っちゃおう」的な運動が起こっていたと思うのだが、今はどーなっているのやら?
で、肝心の本書の感想なのだが、どーもいまひとつしっくり来なかった。確かに先見の明はある。エンターテイメント小説として闇社会の暗部にメスを入れ、世の中に一石を投じる一作になってはいる。テーマとしても公営カジノ解禁による巨額の利益に群がる投資会社、政治家という基本構造とそれに対峙するメディアという分かりやすい構図。裏切り、そしてどんでん返しと至れり尽くせりのはずなのだが、読み終わって、上記のとおり、上手く時代を先取りしているなぁとは思ったのだが・・・
理由は大きく三つあるっす。
ひとつは、本書を手にしたとき、バカラ賭博がもっと前面に出て「胴元と客の微妙な駆け引き!」とか「賭博上での一世一代の大勝負で大どんでん返し!」とか勝手な想像をしていたが、ふたを開けてみたがちょいとイメージが違ったからってのが理由のひとつ。
もうひとつは、やはり服部真澄といえば「世界的な秘密、謎、巨悪に向って世界を駆け巡り、無手で立ち向かう無謀な主人公」というストーリーを期待してしまう。そういった意味で本書は「龍の契り」や「鷲の驕り」とまでの国際色がもうひとつ見えてこなかったこと。服部真澄には世界が似合うっす。
最後に、物語の中でその場その場で主人公と思われる人の視点が変わるような印象を受けたことかな。換言すれば日継に主人公としての器がなかったよーな気もする。
出版当時に本書を読んだときには「おー、日本の将来ってこんなになっちゃうの?」的な新鮮さは味わうことができ、その点では十分及第点であるといえるであろう。
しかし「服部真澄の実力はこんなもんじゃないんだろーなー」と信じて疑わないりょーちだったが、最近は服部真澄の国際色豊かな作品を目にしていないっす。
なお、りょーちは知らなかったのだが、いつの間にか日テレでドラマになっていたらしい(見ればよかったよ・・・orz)
日継育が渡部篤郎かぁ・・・。里奈の小沢真珠ってのは結構しっくりくるっす。志貴大希の西村雅彦も破滅が似合いそう。今春からTBSで放映されている山崎豊子原作の「華麗なる一族」でも、やっぱ、西村雅彦は破滅気味だし。
バカラ、再放送しないかなぁ・・・
■他の方々のご意見(絶賛している人もいるのだが・・・)