この記事は今年に入って多く見られるようになった、新手の(というか手口は使い古されているが)コメントスパムの傾向と対策を考えてみようと思う。
先ず、このスパムの名前をりょーちは勝手に「こちらの記事を紹介させて頂きましたのでスパム」と命名する。
対策を考えるためには先ず、彼奴らが何の目的でこんなことをやっているかを考察する。
語句の定義
以下、説明をするために語句の定義をする。- スパマー
- スパムコメントを送りつけるアホ
- スパマーサイト
- スパマーが運営するアフィリエイトリンク(他人がクリックすることでスパマーが収入を得る)満載の無価値なサイト。スパマーサイトに生活者を誘導することでスパマーサイト内のアフィリエイトリンク
- 一般BLOG
- 普通のBLOG。スパマーにターゲットにされる
- スパムコメント
- スパマーサイト誘導のためのコメント。スパマーが実際にサイトを訪れ手動でコメントすることは皆無。殆どが後述の自動コメントツールによって一般BLOGへコメントされる
- 一般BLOG管理者
- 一般BLOGを運営する管理者。スパムコメント内のリンクを辿ってスパムサイトへ誘導され、場合によってはスパムサイトのアフィリエイトリンクをクリックしてしまったりする
- 自動コメントツール(オートコメントツール)
- 一般BLOGへ提携的なコメントを自動で付与するためのアホなプログラム。スパマーが好んで利用する。
スパマーの目的
スパマーの目的はずばりスパマーサイトへ集客し、スパマーサイトへのアフィリエイトリンクをクリックさせること。これに他ならない。一般BLOGにスパマーサイトへ誘導するためのリンクを貼り付けてコメントする。一般BLOG管理者はおよび一般BLOGを閲覧する他の人々は、このコメント内に掲載される誘導リンクをクリックし、スパマーサイトへ誘われる。スパマーサイトには当然のようにアフィリエイトリンクが満載。誘導された一般BLOG管理者は間違ってアフィリエイトリンクをクリックしてしまう。「こちらの記事を紹介させて頂きましたのでスパム」の手口
スパマーの目的はスパマーサイトへ集客するし、アフィリエイトリンクをクリックさせることというのは理解できたと思う。次にスパマーが考えるのは「より効率的・効果的にスパマーサイトへ集客させる手段」である。「こちらの記事を紹介させて頂きましたのでスパム」の手口は(おそらく)下記である。
- ターゲットとなる一般BLOGの抽出
- 一般BLOGへの自動コメント文章作成
- コメント送信
スパマーサイトがターゲットとする一般BLOGはどのように抽出されているのかを考える。スパマーサイトもBLOGを利用していることが多い。いくらスパマーBLOGといえども何か記事を掲載しなければならないわけである。スパマーサイトが掲載する記事は何でもよいのだが、ある一定のテーマに絞られていることが多い。
例えば「育児」をテーマとするスパマーサイトがあるとする。スパマーは育児に関しての記事を掲載する。次のスパマーの行動は「育児に関する他のBLOG」つまり同じテーマの一般BLOGのターゲットを見つけることにある。それはどうやってやるか。簡単である。BLOG検索を利用するのである。
Google,Yahoo,liveDoor,Technoratiその他のBLOG検索に「育児」関連のキーワードを入力すると、該当するBLOGとそのURLが掲載される。こうやってターゲットとなる一般BLOGのリストが取得できる。
一般BLOGにはどのようにコメントするのか?これは文章のひな型を作成する。主なひな型はこんな感じである。[[ ]]内はスパマーが指定する。
はじめまして。突然のコメント失礼致します。
私の[[スパマーサイト名]]で、こちらの記事を紹介させて頂きましたのでご連絡させて頂きました。
該当記事は
[[スパマーサイト当該記事URL]]
です。
まあ、こんなものだろう。
上記で作成したアホコメントを1.で取得したURLに自動送信する。
ここで、自動コメントツールの出番である。(ここからかなり推測入ります)。
取得した一般BLOGサイトはseesaaだったりココログだったりlivedoorだったりするわけで、そのサイトにコメントする方式は個々に異なっている。このため抽出した一般BLOGの特性を熟知しておく必要がある。名前,URL,本文,メールアドレスなどは FORM の INPUT タグに記載するが、情報は各BLOGサービスでは、INPUT タグの NAME 属性が異なる。これは各BLOGの対応テーブルを作成しておけばよい。
抽出したURLからどのBLOGサービスを利用しているかをオートコメントツールが特定し、2.で登録したひな型に流し込んでツール内の実行キーを押す。通常はXML-RPCの機能が自動コメントツールに実装されており、ひな型で登録したコメントを送信する。
多分そのツールはWebサイト上のASP的な形で配布されているのではなく、Windowsアプリケーションなどになっている可能性が高い。自動コメントツールがWebサイト上のASP的な形で提供されていれば、リファラやアクセスログなどからそのサイトが露呈する可能性があるからである。(リファラや送信元を偽造する技術もあるようなので、これも推測になるが・・・)
暫定的な対策
上記手口だと仮定すると下記のような対策が考えられる。- サイトを制限する
- IPを制限する
- コメント内のNGワードを制限する
該当するサイトをBLOGのアクセス制限機能などで制限する方法がある。しかし、どの程度ツールがばら撒かれているかによりイタチゴッコの様相を呈する可能性が高い。
こちらも上記同様にアクセス先が変更されてしまえばやられてしまう可能性が高い。
今回のコメントは全て「こちらの記事を紹介させて頂きましたので」という文章が入っているので「こちらの記事を紹介させて頂きましたので」という記事をNGワードにする方法もある。しかし、ひながたの文章を変更されてしまう可能性もある。
結論
スパマーサイトに制裁を与えるだけでは事態は解決しない。スパマーはひとつサイトが消されてしまえば、別のサイトに鞍替えするのみである。一般的にはhttpで接続する際にどのブラウザを使って接続したのかを知らせるUSER-AGENTなどの情報も捏造されているに違いないっす。つーか、摘発してくれ。そして奴らのAdsense アカウントを凍結してくれ。
※1.気が向いたら更新するかも
※2.識者の方が本記事をご覧になられれば、間違いなどをご指摘いただければと思います。
※3.アホアフィリエイターの方でこの記事を見た方は恥ずかしい行為なので即刻自動コメントツールの利用をやめてくださいね(って無理か・・・)
※4.この記事をご覧になったBLOG運営者の方は、そういうアホな行為をしているアホアフィリエイターを駆逐してください。
※5.この記事をご覧になったアフィリエイト関連事業者の方は、アホアフィリエイターのアカウントを凍結してください。
■参考情報
「こちらの記事を紹介させて頂きましたので」の検索結果 by イロイロリンク
- wikipedia
- Google 日本語検索
- Google News 日本語版
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- Technorati 検索(日本語)
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