2006年10月31日

海堂尊:「ナイチンゲールの沈黙」 このエントリーをはてなブックマークに追加


りょーち的おすすめ度:お薦め度

こんにちは、少女隊でお馴染みの引田智子です(嘘です)。

「チームバチスタの栄光」で第4回「このミステリーが好き(通称このミス)で大賞を受賞したことでかなり話題となった海堂尊が早くも続編を書き上げた。(もう出たのかよって速さっす!)

本書「ナイチンゲールの沈黙」では「チームバチスタの栄光」でお馴染みの愚痴外来田口と厚生労働省唯一無二の奇人白鳥圭輔の最強タッグが殺人事件の謎に挑む。
事件の核となる人物は小児科病棟に勤務する看護士の浜田小夜。網膜芽腫(レティノブラストーマ)で手術予定の中学三年生、牧村瑞人。デビュー当時は売れない歌手だったが、最近リメイク盤が大ヒットしている歌手の水落冴子。そしてデビュー当時から冴子のマネージャーを勤めている城崎。彼らが事件にどう関わっていくのか。そして、田口&白鳥はどーやって事件を解決していくのか。

東城大学医学部付属病院の看護士の浜田小夜と如月翔子は忘年会の後、ホスト風の男に声を掛けられる。ホスト風の男に「今を時めく水落冴子のコンサートチケットがあるので聞いていかないか」と声を掛けられる。それが城崎だった。小夜たちは怪しいと思いながらも後をついていく。ホールには確かに水落冴子の姿がある。冴子の歌は予想を遥かに超えて素晴らしいものだった。歌が終わると城崎は小夜に「舞台に上がって歌を歌ってくれないか」とお願いした。そして先ほどまで歌っていた冴子も小夜に歌うように勧めるのであった。しかたなく小夜はステージに立ち歌い始めた。そのときである。冴子が舞台の袖で突然倒れた。小夜たちは救急車を呼び自らの勤める東城大学医学部付属病院へと一緒に向った。
冴子は通称ドア・トゥ・ヘブンと呼ばれるVIPの隠し部屋に緊急入院することになった。救急患者をドア・トゥ・ヘブンにいれる手はずを整えたのはたまたま病院に居合わせた田口であった。田口は不定愁訴の医師である。昼行灯、愚痴外来のグッチーと揶揄され、医学部のヒエラルキーの最底辺に位置する人物である。

水落冴子は極度のアルコール依存症であった。その冴子に田口はスペシャルアンプル(ミニチュアボトルのお酒)を与えたりした。もう滅茶苦茶である。
同じ頃、小児科ではレティノ(網膜芽腫)の牧村瑞人と五歳の佐々木アツシの手術前の対応に悩まされていた。レティノは眼の癌である。瑞人とアツシの手術は眼球摘出を伴う大きな手術だが、二人とも手術を拒否している。特に牧村瑞人に至っては保護者である瑞人の父と連絡さえ取れない始末だ。
主治医の内山聖美は瑞人の父を説得する必要があったのだが聖美はこともあろうに瑞人の父の説得を小夜に押し付けるのであった。そしてこのことが大きな事件に繋がっていく。
アツシと瑞人は手術前の検査のためMRIでの検査を受ける必要があった。大人でも検査には閉口するものだが、子供のアツシはMRIに入るのを極度に怖がった。アツシは小夜に「歌を歌ってほしい」とせがむ。MRIの担当の島津は子供の容態を落ち着けるために歌を歌うことを許可する。そして小夜のアヴェ・マリアの歌声はMRIのモニターに不可思議な輝点(ブリッツ)を光らせた・・・
小夜の歌には何か不思議な力があるようだった。
検査終了後、アツシと瑞人にメンタル面での不安を解消するため、小児科(オレンジ病棟)と病院長の総意によりメンタル面でのケアを田口に依頼することになった。田口としては仕事が増えるばかりであるが、上からの指示のため到底断ることはできず、渋々子供達のために愚痴外来小児科バージョンを開設することになった(トホホ・・・)ただ、アツシと瑞人のみではレティノのためということが丸分かりであるため猫田師長の采配で小学五年生の田中秀正と高校二年生の杉山由紀を加えることになった。

そしてその日、瑞人の父の鉄夫から小夜のケータイにどういった風の吹き回しか手術の承諾書にサインをするから来るようにと連絡があった。サインを貰うために待ち合わせ場所に向った小夜は鉄夫にこともあろうに陵辱されてしまう。息も絶え絶えにその場を逃れた小夜は偶然通りかかった城先の車に乗せてもらい病院へと戻った。

そして、牧村鉄夫がバラバラ死体となって発見されたのはその日だった・・・

この捜査に乗り出したのは警察庁刑事局刑事企画課電子網監視室室長(長いよ・・・)から桜宮署に赴任した加納達也とその部下タマこと玉村だった。加納は「デジタルハウンドドッグ(電子猟犬)」と呼ばれており、コンピュータを導入した新しい捜査「デジタルムービーアナリシス(DMA)」を駆使し解決に乗り出す。
そして時を同じくして、ついにあの男、白鳥圭輔が東城大学医学部付属病院にやってきた! (前回も遅ればせながらの登場だったねぇ)

白鳥は東城大学医学部付属病院の近くにある碧翠(へきすい)院桜宮病院に不穏な動きがあるとのことで隠密裏に(っていっても自分からペラペラとしゃべっているのだが・・・)予備調査のために、ここにやってきたとのこと。
そして何故だかまた、田口と白鳥が知らず知らずのうちにタッグを組み、犯罪捜査に乗り出すのだっ!

更に警察庁の加納と白鳥は大学時代の同級生でもあり、白鳥・田口に加え、加納も交えた綿密なのかアバウトなのか、常人には全くわけのわからない捜査が繰り広げられていく。

果たして犯人は誰なのか?
何故死体はバラバラだったのか?
瑞人とアツシのレティノ手術はどうなるのか?
小夜の歌と冴子の歌の秘密は?

このあたりが愉快な仲間達(本人達は至って真面目)のメタ(メタメタ?)推理によって見事に解き明かされていく過程がなかなか読み応えがある。ロジカルモンスター田口とデジタルハウンドドッグ加納の噛み合っているようで噛み合っていないけど、何だか先に展開が進んでいく「会話で読ませる」物語の運びは前作同様秀逸である。

しかし、加納のデジタルムービーアナリシスの捜査&操作はどー見ても一昔前のマジンガーゼットなどの巨大スーパーロボットを動かしているとしか思えない感じっす・・・orz
そこかしこに、お笑い的要素が散りばめられており、反射神経的なオモシロさは十分に楽しめる。(謎の「ハイパーマン」は「イカレスラー」とかのノリで誰か作って見て欲しいっす)

ただ、事件そのものは解決するのだが、いまひとつ後味の悪い結末だったことは否めない(情状酌量の余地は多分にあるが・・・)。
本来殺されてもしょうがないと思われる人でもホントに殺してしまえば罪として問われてしまう。これはしかたないことであろう。

本書に登場する人物の中で杉山由紀という少女が登場する。牧村鉄夫と杉山由紀の対比により、作者は何かを訴えたかったのではなかろうかと深読み(浅い?)してしまった。終盤に杉山由紀が登場する場面でトーマス・マンの「魔の山」の最後のフレーズを思い出した。

人が生きていくってのは大変なんだねぇ・・・ (しんみり)

それよりも何よりも、本シリーズで一番の謎は姫宮は何者なのかってことではなかろーか(全編このパターンでいくのもアリだよねぇ)。

■他の方々のご意見(やっぱりGood!っぽい)
まったり読書日記
はちみつ書房
HONG−KONG−CAT
絵本と子どもと色々
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2006年10月27日

Wikipedia検索窓 このエントリーをはてなブックマークに追加

こんにちは、前田犬千代・竹千代です(嘘です)。

SimpleAPIさんのところでリリースされたWikipediaAPIがかなりイケてるのでなんだかわからないけどブログとかホームページにWikipediaの検索窓を簡単に貼り付けて検索できるよーなものを(殆どサンプルそのままだが)作ってみた。

ブログパーツ風味だがデザインを変えたりすることは(面倒なので)できないよーに作ってしまった。機能を利用するだけなら下記URLからタグを取得すれば(一応)ブログなどに貼り付けたりできるっぽい。

Blogなどに貼り付けるサイズを指定するとHTMLタグが表示されるっぽいので、それを利用してみるとよかろう。



こんな風に貼り付けられるっぽい。


まあ、実用性はないので、あくまでもお遊びってことで・・・
続きを読む
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2006年10月26日

ページのリンク一覧を表示するブログパーツを作ってみた このエントリーをはてなブックマークに追加

こんにちは、勝野洋です(嘘です)。

何に使えるのかよくわかんないんだけど、ページ内のリンク一覧を表示するブログパーツを作ってみたかったのだが、Firefoxではどーも動きがへんな気がする・・・

Windows Internet Explorer 7 では動作確認できたんだけどな・・・(うーむ、どこがおかしいのか?)。

設置方法は簡単でこんな感じに記載する。

<script type="text/javascript" src="http://ryouchi.up.seesaa.net/js/linklist.js"></script>
<button onclick="showLinkList('thisPageLinkList')">このページのリンク一覧</button>
<div id="thisPageLinkList"></div>


そーすると、下記のよーになるはず。





thisPageLinkList の部分はリンク一覧を表示するためのdivタグのid属性に合わせるよーにすればよい。
また、divタグにstyle属性を付けたりするのもよかろう。

で、これ作ってて思ったんだけど、Internet Explorer と Firefox ではjavascriptのinnerHTMLの扱いが微妙に異なるよーな気がする。

FirefoxやInternet Explorerであるdivタグ内にinnerHTMLで文字やタグを設定する際、divタグのidがABCだった場合、

document.all.item("ABC").innerHTML ="hogehoge";

って感じにするっぽい。
で、一度innerHTMLで表示したものを消そうとしたときに、りょーちとしては、

document.all.item("ABC").innerHTML ="";

ってやればよいと思ったのだが、こーすると、internet explorerではdivタグがすっきりと消えないよーな気がする・・・ うーむ、なんでだろ? 偉い人教えてちょーだい。

で、ここまで作ってみたのだが、需要がある、ないって前に、どーも何に使えるのかいまいちよくわかんないっす・・・orz

まあ、こんなこともできるらしいということで(謎)。
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2006年10月23日

有川浩:「図書館内乱」 このエントリーをはてなブックマークに追加

図書館内乱
図書館内乱
posted with amazlet on 06.10.23
有川 浩
メディアワークス

りょーち的おすすめ度:お薦め度

こんにちは、一龍斎貞友です(嘘です)。

昭和を代表する芸人のばってん荒川さんが、10月22日、69歳で逝去されました。天国でもおばあちゃん姿でご活躍していらっしゃることと思います。合掌。

と、しんみりとしてしまったが、この「図書館内乱」で明るさを取り戻せること間違いなし。あの、図書隊達がこんなにも早く帰ってきた。

前作「図書館戦争」で強烈に読者のハートをがっちり掴んだ笠原郁たちのその後のストーリー。「図書館内乱」は有川浩の中で「図書隊シリーズ」として今後更に大きく飛躍するであろう笠原郁隊員と、その仲間達の人となりを整理してみるという位置づけではなかろうか?

前作、図書館内乱を読んだ方ならもうお馴染みの面々が今回もまた、大活躍(若しくは大騒動)を起こしていく。

「メディア良化法」と「図書館法」という一見相反する法律が混在する近未来の日本。「メディア良化法」を掲げ、有害図書の駆逐に終始励む「メディア良化委員会」は、行き過ぎとも思われる論理で有害図書を駆逐しはじめていく。
一方、「図書館法」の理念に基づき、全ての図書を世の中に遍く知らしめるために存在する図書館。メディア良化委員会の武装攻撃に対峙するために、図書館側も図書隊という自衛組織が作られた。

笠原郁は高校時代に読みたい本をメディア良化委員会に取り上げられそうになったところをある図書隊に助けられる。そしてその時受けた感動を旨に自ら図書隊を志願し、武装し、市民のために図書を守るという任務に就く。

こう書くと、郁は屈強な男性のよーに思えるが、れっきとした女性。更に言えば「戦争」とか「内乱」とか物騒な言葉が飛び交ってはいるが、おそらくこの本の主軸は「恋愛」。図書館戦争を読んだときの感想 には「近未来恋愛戦争オモシロ小説」と書いてみたが、今回の「図書館内乱」は恋愛の部分にかなりフォーカスが当てられている。

本書は5つの短編小説としても読めるが、時系列としても話しとしても繋がっている。
そのサブタイトルがこんな感じ。
1.両親霍乱作戦
2.恋の障害
3.美女の微笑み
4.兄と弟
5.図書館の明日はどっちだ

って、前作読んでない人には、このサブタイトル見ただけじゃ「一体どーゆー話しよ?」って感じなのだが、「図書館戦争」を読んだ人にとってみれば「ワクワク」してしまうよーなタイトルの羅列である。

1.両親霍乱作戦
茨城に住む郁の両親が上京するという連絡を受け、郁は青ざめる。郁の職種は図書館の中でも戦闘職種に分類されるのだが(ってもうここらあたりの設定からして面白いのだが)両親には実は戦闘職種であることを内緒にしているのだ。頭の固い田舎の両親がこのことを知ったら卒倒どころの話しではない。茨城に連れ戻される可能性さえ秘めている。同僚の柴崎、鬼教官の堂上、小牧などにバレないように根回しをする郁。同期で横柄な態度を取る(が、実際かなり優秀な)同期の手塚にまで今回は頭が上がらない。

2.恋の障害
「恋の障害」のメインキャラは前作では地味なキャラとして描かれていた無骨な男、小牧教官。図書館内で目の前を歩く少女がケータイを落とした。拾ってあげた郁が声を掛けてあげたが反応が全くない。居合わせた小牧の話しによると彼女は耳がよく聞こえないらしかった。彼女は小牧の近所の娘で中澤鞠江という。鞠江と小牧は家族ぐるみの付き合いで小さい頃から鞠江は小牧に憧れていた節があり、子供心に「大きくなったら小牧兄ちゃんのお嫁さんになる」などと公言していた。年の離れた小牧は既に大人の男性でありどうやら彼女もいるようだった。彼女と楽しげに語り合う小牧を遠めに見ながら鞠江は何度目かの失恋をした。しかし、その彼女と小牧は彼女の転勤でその関係も何時しか自然消滅しており、現在に至っては鞠江は小牧のいる武蔵野第一図書館に足繁く通うまでになっていた。
その小牧がある日突然人権侵害の疑いで良化特務機関に連行されてしまった。
事の顛末はこうだ。
図書館で借りた本を鞠江が学校で読んでいると生徒の一人が本の題名を見て訝しがった。鞠江の読んでいた本は「レインツリーの国」という本で恋愛小説であった。それだけならよかったのだがそのヒロインは難聴者であるとの設定だった。
「中澤さん、耳が悪いのに、難聴のヒロインの本をすすめるなんて無神経じゃない?」
生徒の言ったこの何気ない一言が回りまわって父兄や教師の知るところとなり、未成年身障者への人権侵害ということになったらしい(うーむ、そんなあほな・・・)。
連行された小牧について、図書隊内部ではどうあっても小牧を助け出す術を見つけ出したかったのだが、肝心の小牧の隔離されている居場所が分からない。
その、居場所を突き止めたのは郁の同期の手塚であった。手塚は数年間音信不通の兄に連絡し小牧の居場所を聞き出すことに成功した。小牧は「自分が捕まったことは鞠江には知らせるな」と堂上に言い含めてあった。直情型の郁は鞠江に連絡を取り、小牧を助けるべく奔走する。小牧は無事に戻ってくるのか・・・
この設定はなかなかよかったよ。小牧と鞠江は共に初心な分だけ「頑張れよ」と応援する気持ちがいやでも高まってくる。
更に特筆すべきはこの事件の問題となった本、「レインツリーの国」が有川浩の手によって本当に出版されることになったことであろう。

レインツリーの国
レインツリーの国
posted with amazlet on 06.10.23
有川 浩
新潮社


出版元は新潮社からで、メディアワークスと新潮社のコラボレーション企画ということらしい。出版会ではあまり例を見ないこの企画、なかなか楽しみである。

3.美女の微笑み
本書で美女といえば誰か? ヒロイン(若しくはヒーロー)は笠原郁で間違いないのだが美女となると話は違う(郁、すまん・・・)。
そう。クールビューティ、柴崎しかありえない。柴崎は自他共に認める美貌の持ち主である。そんな柴崎が図書館に来館した若い男性に声を掛けられ一緒に昼食へ出かけていった。同室の郁をはじめ、密かに柴崎を(高嶺の花とは知りつつも・・・)狙っていた男性図書館員たちも驚いていた。柴崎のお相手は朝比奈光流という三文小説に出てくるよーな名前の持ち主である。朝比奈は行政問題の研究をしているとのことで、現在は図書館問題について調査しているようだ。
柴崎は幼い頃から自分が「綺麗な顔」であることを分かっていたので同性からのやっかみも相当な数(その殆どが言われなき迫害)だったが、高校・大学と進学するにつれ、自分の立ち位置を上手く確立する処世術を意識的に身に着けていた。
柴崎が戻ってきてから、郁はあれこれと柴崎に「どうよどうよ?」とたずねてきたが「どうってことない」とにべもない。
時を同じくして「週刊新世相」に昨年逮捕され世間を賑わせた高校生連続通り魔事件の後日譚の報道が掲載される。この「週刊新世相」の取り扱いにおいて、各図書館でちょっとした問題が起こっていた。問題は「週刊新世相」に犯人の少年の供述調書が全文掲載されていることだった。図書館では「恣意を交えない資料収集」をモットーとしている。利用者の「知る権利」と「少年法による未成年保護」の間で閲覧を許可するのかどうかの対応は各図書館に一任されていた。郁の所属する武蔵野第一図書館での対応は閲覧禁止であった。この決定に郁の反応は如何に? そして柴崎と朝比奈の関係はどーなるのか?
この章は次章以降の伏線となる一章とう位置づけだろう。しかし、柴崎の人となりが薄っすらと垣間見える章ともなっている。

4.兄と弟
2章で登場した鞠江から武蔵野第一図書館のホームページに奇妙なページがあることを小牧は知った。そのページには「図書館員の一刀両断レビュー」として書評が掲載されていた。そこには鞠江と小牧には忘れることができないあの「レインツリーの国」に関する書評もあった。この本は小牧が鞠江に薦めた一冊で、2章の部分でも言及したようにこの本を巡り小牧は良化特務機関に連行されてしまった経緯がある。しかし、この本のおかげで鞠江と小牧の距離が随分近づいたのも事実である。そんな二人の大切な一冊がこの「図書館員の一刀両断レビュー」で「買う価値は全くない」とバッサリと斬られていた。
図書館の総意ではなくあくまでも一図書館員の意見として書かれているこのレビューを書いたのは砂川一騎という図書館内でも比較的目立たない人間だった。このことを耳にした堂上は砂川と同室でもある手塚にどういう経緯でこの書評を書き始めたのか探りを入れてもらうことにした。手塚の調べによると砂川は自ら館長に提案し、館長の了解を得ているとのこと。更に話しを聞くと砂川は手塚の兄の慧が主催する「図書館未来企画」という研究会に通い始めたとのことであった。手塚の父は、日本図書館協会の会長であり、日本の図書館の総元締めという立場にあった。その父と慧は図書館の今後の未来について意見が折り合わず、数年前に家を飛び出していたのだ。手塚から見ても兄の慧は非常に優秀で父親からもゆくゆくは自分の後を継いでくれるものだとの確信が少なからずあったのだろう。そんな兄が父と仲違いし、自ら作り上げた「図書館未来企画」という団体は最近かなりの勢力を保有していた。
そしてそのホームページのレビューの存在は案の定出版元の出版社の知るところとなり、図書館側にクレームが付けられた。砂川の背後には手塚慧の姿がちらほら見え隠れする。更に、砂川は査問会で共謀者に郁の名前を出してきた。郁にとって見れば勿論何のいわれもないことであり、全く以って関係なく、濡れ衣ってやつである。
果たして郁はこの危機を乗り越えられるのか・・・
全ては第5章へと・・・

5.図書館の明日はどっちだ
砂川が何故、郁を共犯者だと言ったのか? 図書館側では皆目検討が付かなかったが、郁は査問会へと出席せざるを得ない状況となった。査問会といえば聞こえはよいが、相手は半分拷問紛いに近いことも厭わない組織だ。そのことは以前査問会に出頭した小牧も身にしみて実感している。査問会に出席した郁がキチンと質疑応答ができるように図書館側では郁に対して「想定問答集」による対策を講じた。頭で覚えることが苦手な郁にはかなり堪えたが、ついに出頭日を迎えた。
郁は査問会で自らの潔白を証明することができるのか。そして砂川の処遇は?
この章のラストで郁は以前から探していた王子様をついに特定してしまうのだ(マジですか?)

ここでネタをバラすか?有川浩。こんなことされると、絶対次の一冊も買わなくてはいけないじゃないか・・・
図書隊の話しはめでたくシリーズ化され、本書以降でも郁や堂上、手塚、柴崎に会えるというのはかなり嬉しいっす。徒花スクモさんのイラストもGood!です。

「図書館内乱」はシリーズ化における登場人物紹介的な位置づけのような一冊だが、十二分に楽しめる一冊となっており、かなりオススメである。そして彼らの恋愛話も更に進展することを大いに願うのであった(あ、郁の場合はちょっと引き伸ばして貰った方が面白いかも)。


■他の方々のご意見(全体的に好評である)
まいじゃー推進委員会!
怪鳥の【ちょ〜『鈍速』飛行日誌】
やぎっちょのベストブックde幸せ読書
ひなたでゆるり
life is journey
コンパス・ローズ

その他大勢の方々 がお読みになっています。


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2006年10月18日

YouTubeのお気に入りを一覧表示するYouTubookmarkを作ってみた このエントリーをはてなブックマークに追加

こんにちは、アゴで笑う健康法でお馴染みのアゴ勇です(嘘です)。

YouTube がどこでも人気らしい。Google が買収に乗り出そうが、ユーザにとってはどーでもよい話しだったりするのでそのあたりは このあたりを検索 してもらえればよいであろう。

で、すっかりりょーちもYouTubeのユーザだったりするのであるが、YouTubeを利用していて結構面倒だなーと思うのがMy FavoriteというYouTube上のお気に入りの管理だったりする。

YouTubeでは動画やその他の検索結果は10件づつ表示され、10件を越えたものに関しては次のページへとページング処理がなされるのだ。つまり、一度に10件以上動画リストを確認することができない。

これはちょいと致命的かも。ちなみにりょーちのお気に入りに入っている動画は こんな感じ。2006年10月現在で190件くらいある。そんなにヘビーユーザでもないりょーちでさえこんなにあるのだから、他の人々はどーやって管理しているのだろう・・・

そこで思ったのが YouTube API を利用して外部からブックマークを閲覧すればよいのだということに気づいた。

YouTubeAPIでは、下記のAPIが利用できる。
■User Information
youtube.users.get_profile
youtube.users.list_favorite_videos
youtube.users.list_friends
■Video Viewing
youtube.videos.get_details
youtube.videos.list_by_tag
youtube.videos.list_by_user
youtube.videos.list_featured


この中の youtube.users.list_favorite_videos と youtube.videos.get_details を利用して、下記のよーなものをつくってみた。



上記サイトに行き、YouTubeのユーザIDを入力するとYouTubeのMyFavoriteの一覧を探してきてリストに表示する。

一覧表示されたリストを選択すると動画がが再生されるのは当たり前だが、既に削除された動画についてはリストの前に[orz...]というマークをつけるようにしてみた。

一覧表示されたリストにマウスカーソルを合わせると、動画のプレビュー画面と動画を登録したユーザ名が表示される。
ユーザ名をクリックすると、そのユーザのMyFavoriteも表示するよーにしてみた。

ユーザID入力後に表示されるページをブックマークしておけば、何時でも好きなときに呼び出せるので便利。
作った自分が言うのも変だが、自分で使ってみて驚くほど便利なので、YouTubeヘビーユーザは一度おためしあれ。

posted by りょーち | Comment(2) | TrackBack(0) | Web周辺技術

2006年10月17日

宮部みゆき:「誰か」 このエントリーをはてなブックマークに追加

誰か ----Somebody
誰か ----Somebody
posted with amazlet on 06.10.17
宮部 みゆき
実業之日本社
売り上げランキング: 280,843

りょーち的おすすめ度:お薦め度

ってことで、宮部みゆきである。どーだ、まいったか(謎)。

「誰か」という本書のタイトルを耳にしたとき、ミステリー界の女王、宮部みゆきの作品ということで、「フーダニットものなのであろう。よしよし」と思いながら読んだが、読み終わってみてこの「誰か」というタイトルに妙に頷けるものがあった。
通常ミステリ小説においては「犯人は誰?」ってところに焦点があたるものである。本書でも勿論犯人探しという骨子はあるものの、夫々の登場人物が「誰か」を探している。

杉村三郎は大企業「今多コンツェルン」の広報室で社内報を作っているサラリーマン。妻は今多コンツェルンの会長、今多嘉親の娘の菜穂子である。ただ、菜穂子の母は嘉親の正妻ではなかった。銀座のギャラリーを経営していた菜穂子の母と嘉親がどうやって知り合ったのかは謎であるが、菜穂子と嘉親の関係はいたって良好である。桃子という一人娘にも恵まれ普通のサラリーマン生活を送っていた。

ある日、杉村は今多嘉親より直々にある命を受けた。それは、今多嘉親の運転手の梶田信夫に関することであった。梶田とは少なからず面識があったのだが、その梶田が自転車にひき逃げされて殺され、犯人は未だ捕まっていないという。
その梶田の娘が父の犯人探しの一環として、父に関する本を出版したいという。杉村は以前「あおぞら出版」という出版社につとめていたこともあり、話しを聞いてやって欲しいということであった。

梶田の娘は姉の聡美と妹の梨子の二人姉妹であり、杉村は日を置いて、この姉妹の話しを詳しく聞くことにした。話しを聞いてみると、本を出版したいのは妹の梨子の方でどちらかといえば、姉の聡美の方は犯人は見つけたいようであったが、出版という行為には消極的であった。姉の聡美は結婚を控えており、今回の父の他界により結婚の延期も考えているようである。はじめての姉妹との打合せが終わった後、聡美は妹のいないときに杉村と話しをさせてほしい旨を伝えた。
聡美と杉村とでの二人だけで話しをした際、聡美は自分が幼い頃に父に恨みを持つ女性に誘拐されたことを打ち明ける。誘拐の話しは梨子は知らないようだ。聡美は梨子が父の生い立ちなどを詳しく調査を進めていく過程で「誘拐」の件が知られるのを嫌がっていた。父は今多嘉親の運転手になる前に玩具会社に勤めていたようで、誘拐はその頃に起こったのだ。まだ、梨子が生まれる前の話しである。そして誘拐された犯人に言われた「父のせいだ。父に恨みがあるから、私を殺してやる」という言葉が今でも忘れられないという。梶田は誰かに恨みを買い、その代償として娘である聡美が誘拐されたということのようだ。聡美は今回の事件もその「誘拐事件」が絡んでいるのではないかと思っている。梶田は休みの日にはふらりと車に乗りどこかへ行くことも多いが姉妹の知る限り、事件が起こった石川町付近には何のゆかりもなく、「何故父がそこにいたのか」ということに疑問が残っていたのだ。

杉村は梶田をそんなによく知っていたわけではなかったが、恨みを買うような人物ではなさそうではあった。ともあれ、杉村は姉妹の望みである「父を殺した犯人を捜す」ということに協力をすることにし、事件現場の石川町付近に出かける。事件現場付近のマンション付近には、ひき逃げ事件があった旨と、行方不明の犯人の目撃証言を募るタテカンがあった。マンションの管理人や付近住民、警察の話しを総合すると、どうやら犯人は少年のようであった。
そして、杉村は聡美の「誘拐」に関する話しにどの程度信憑性があるかはわからなかったが、今回の事件は案外聡美の指摘する28年前の誘拐事件についても調べるため、梶田の以前の勤め先のトモノ玩具の経営者のところにも足を運んだ。トモノ玩具の社長は梶田のことをあまりよく覚えていなかったようであるが、経理担当だった社員が当時のことを良く覚えているはずだということで、近いうちに連絡を取って話しを聞いてあげるとの約束をしてくれる。
そうやって、梶田信夫に関する過去をひとつひとつ丁寧に調べていくうちに、梶田家の抱えるある秘密に気づくのだ・・・

本書における杉村三郎の役回りは「探偵」役であると同時にロールプレイングゲームの主人公という印象を受けた。ひとつひとつ謎を解いて次のステージに進んでいく過程が丁寧に書かれている。そして、物語の終盤における「謎解き」に関しては解かなくてもよい謎まで解いてしまうあたりは貫井徳郎の「鬼流殺生祭」の朱芳慶尚(すおうよしなお)にも似ている。

そして、本書で登場する様々な「家族」は夫々の問題を抱えている。そしてそれを解決するためにはやはり家族の協力というか絆ってのが力を発揮するわけである。しかし、家族の中でお互いのベクトルが違う方向を向いているのであれば、その家族は破綻してしまう。その怖さと同時に家族による強い絆についてもメッセージが向けられており、ミステリー小説を読みながらも向田邦子っぽい家族愛的なドラマを見せられたよーななかなかよい作品となっているっす。

#図書館で借りることができたので、ちょっとラッキーだった。

■他の方々のご意見(宮部みゆきさんだから結構みんな読んでますねぇ)
今日のmilky&chelsea
たこの感想文
本を読む女。改訂版 | 「誰か」宮部みゆき
「本のことども」by聖月
玉葱の本棚


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2006年10月16日

inktomisearch.com からのアクセスログ このエントリーをはてなブックマークに追加

このblogにもアクセス解析( shinobi.jp )とかつけているけど、そもそもアクセス解析ってそんなに頻繁にみたりする人はまああまりいないのではないかと思う。

先日テキトーに立ち上げた Another 書評Wiki にもとりあえず付けてみたのだ。shinobiのアクセス解析は忍者toolsで提供されるタグをサイトに貼り付けることで解析を行っている。つまりタグが読み込まれることで「どこからどのページを何時読んでますよ」って情報をGetするのである。

で、shinobi.jpではアクセス解析用のタグに「通常版」「ケータイ専用」ってタグとは別に、「一部のブログ、CMS等(Wiki)」「TypePad ウィジェット」「アメブロ専用」ってのが存在する。

先日立ち上げた Another 書評Wiki では察するに、「一部のブログ、CMS等(Wiki)」ってのを使うのかなと思ったのだが、どーも上手く読み込まれなかったので、直接skinファイルに通常版のタグを書いてみたところうまく機能しはじめた。

「うーむ、よかった」とおもいつつ、暫しアクセスログ(そんなにアクセスないけど・・・)を覗いてみると、REMOTE_HOSTが[inktomisearch.com]ってよくわからないところからのアクセスがあった。「うーむ、こりゃなんじゃろ?」

で、ぐぐってみると、どーやら、下記のよーなことらしい。

教えて!goo inktomisearch.com ??

ってことで、どーもYahooのロボット巡回のアクセスログっぽいことが判明したっす。

NetCraftで調べてみるとこんな感じっす。
Site report for www.inktomi.com

Nameserver:hidden-master.yahoo.com
DNS admin:hostmaster@yahoo-inc.com
Reverse DNS:yst-web1.yahoo.com
Organisation:Yahoo! Inc., 701 First Avenue, Sunnyvale, 94089, United States

ふーん。

ためしに View HTTP Request and Response Header というHTTPのリクエストヘッダを取得できるサイトで調べてみたらこんな感じになった。

View HTTP Request and Response Header

「HTTP Status Code: HTTP/1.1 301 Moved Permanently」

ってことは [Studying HTTP] HTTP Status Code によると「リソースの恒久的移動を意味します」って書かれています。
つまり、「http://www.inktomi.com」は恒久的に「http://searchmarketing.yahoo.com/」に移動しまっせということらしい。

inktomisearch.com と inktomi.com にも詳しく何か難しいことが書かれているっぽい。(こーゆーの調べることができる人って偉いねぇ・・・)

ふーむ。そーいうことだったのか。ひとつ偉くなった。
posted by りょーち | Comment(4) | TrackBack(0) | Web周辺技術

2006年10月12日

Wiki記法でリンクを生成するBookmarklet このエントリーをはてなブックマークに追加

りょーちの駄文と書評: Another書評Wikiを作ってみた

で、書評Wikiを作ってみたのだが、Wikiでのリンクの書き方はHTMLでのリンクの書き方と微妙に異なる。

HTMLでの書き方:
<a href="http://ryouchi.seesaa.net/">りょーちの駄文と書評</a>
Wikiでの書き方:
[[りょーちの駄文と書評:http://ryouchi.seesaa.net/]]


って感じになるのだ。要するに[[サイト名:サイトURL]]の形式にする必要がある。

で、今見ているページのリンクをWiki記法で書くにはりょーちは今までRakuCopy PuikWiki版を利用していたが、よくよく考えるとブックマークレットでできることがわかった。

で、そのブックマークレットがこれ。

Wiki記法(右クリックでお気に入りに保存)


リンクしたいページでこれを使うとJavascriptのプロンプトにWiki記法が表示されるばい。

一度おためしあれ。
posted by りょーち | Comment(2) | TrackBack(0) | bookmarklet作成

2006年10月10日

Another書評Wikiを作ってみた このエントリーをはてなブックマークに追加

id:matsuo 氏が作られた 書評Wiki というサイトがある。

本年初旬にこのサイトが主に海外からのスパム攻撃に晒され、素晴らしく有用な書評プラットフォームが現在休止中という哀しい状態になっている。

id:matsuo 氏の作られた書評Wikiのコンテンツは瞠目に値し、日本のWeb書評家の間ではかなりの功績を残したものと思われる。

で、こういった試みはかなり素晴らしいと(勝手に)共感したりょーちも id:matsuo 氏のクオリティは凌駕することはできないが、別の書評Wikiを作ろうと思ったのだ。それが下記になります。



本家を越えることは難しいのは十分承知しているのですが、無謀にも作って見ました。当然、機能については、本家よりもかなりしょぼいです・・・

まあ、使い勝手もあまりよくないのですが、はじめはりょーちのリンク集的なものとして登録してみようと思います。

勿論、他の方々の登録も大歓迎です。

登録方法などは上記のサイトに記載してあります。
利用方法など、わからないことがありましたらこのBlogにコメントいただければと思います。

先ずは、本好きpeopleあたりの方々から徐々に登録していく予定です。
(うーむ、どーなるかのぅ・・・)

posted by りょーち | Comment(2) | TrackBack(0) | 書籍全般

2006年10月06日

はてなブックマークカウンターをseesaaブログで利用する方法 このエントリーをはてなブックマークに追加

ちょいと前に はてなブックマークされている数を取得するブログパーツ とやらをテキトーに作ってみたのだが、いろんなところで需要があったのか、本家はてなで、下記のよーなお知らせがあった。

機能変更、お知らせなど - はてなブックマーク日記 - はてなブックマークカウンターの提供開始について

要するに、りょーちの作ったツールよりかなりよさげなものをはてなで提供してくれるってことである。うーむ、なかなかよろしいではないか。

ためしに、このBlogでも摘要してみた。
りょーちは各記事のタイトルの前においてみた。

seesaa blogでこれを使うにはこんな感じにする。

管理画面から[デザイン]→[コンテンツ]→[記事]と進み、[コンテンツHTML編集]で

<h3 class="title"><a href="<% article.page_url %>" class="title"><% article.subject %></a></h3>




<h3 class="title"><a href="http://b.hatena.ne.jp/entrylist?url=<% article.page_url %>" target="_blank"><img src="http://b.hatena.ne.jp/bc/<% article.page_url %>" class="bcounter" alt="この日記のはてなブックマーク数" title="この日記のはてなブックマーク数" border="0"></a><a href="<% article.page_url %>" class="title"><% article.subject %></a></h3>


に変える。

なかなか便利じゃのぅ。

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