2006年03月03日

写真共有サービス:BubbleShare.com このエントリーをはてなブックマークに追加

こんにちは、浅井慎平です(嘘です)。

写真を共有するサービスは幾つかあったりするよーである。最も有名なのは Flickr だったりするのだが、 TechCrunch で紹介されていた下記のサイトがちょっと気になる。
BubbleShare


BubbleShareFlickr 同様に写真を共有するサービスである。更に、このサイトでは写真と共に音声まで登録できるよーになっている(現在のところ無料っぽい)。

で、登録した写真をこんなふうにblogに貼ったりもできるっぽい。
面白いのは写真を表示するインターフェース。上記の写真をクリックして BubbleShare のサイトに行くと画面の左側に拡大用のアイコンが用意されていて写真の細部を虫眼鏡のよーなツール(BubbleZoom)で拡大できるようになっている。なんとなく拡大されているイメージが結構おもしろい。


サムネイルの拡大方法ではなく虫眼鏡で拡大するところに注目っす


写真に関するサービスもいろんなものがあるんだねー。




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2006年03月02日

群ようこ:「別人「群ようこ」のできるまで」 このエントリーをはてなブックマークに追加

別人「群ようこ」のできるまで
群 ようこ
文藝春秋 (1988/12)
売り上げランキング: 146,037
おすすめ度の平均: 5
5 面白かった!!
5 手元に1冊
5 この本を片手に私も転職しました。

りょーち的おすすめ度:お薦め度

こんにちは、雪山で遭難した沖田成利です(嘘です)(生徒諸君って知っている人少ないよな・・・)

群ようこといえば椎名誠ファミリー(りょーちが勝手に言っているだけですが)でも数少ない女性の一人。今でこそ押しも押されぬ一流エッセイストと言っても過言ではない。本書は群れようこ自身の転職日記でもあり(当時)零細企業&弱小出版社として細々と活動していた「本の雑誌社」の女性事務職員の赤裸々な(と言っても艶っぽい話しは一切ないのだが)記録である。

これがかなり面白い。

群ようこがデビューしてもうかなり前の話であるが、当時流行した物事についても触れられており、ちょっとした昭和史のような雰囲気も垣間見せてくれる。大学を卒業して自由が丘の広告代理店に入社した作者のありえないドタバタ社会人デビュー。世の中の人々は広告代理店という言葉に憧れていたナツカシキ時代。しかし、現実はそう甘くなかった。初めに入った中堅広告代理店での仕事は激務で同期入社の新人たちは猫いらずを食べたネズミのよーにバタバタと一人二人辞めていく。先輩OLの染谷さんは冷たく、満員電車に乗り奮発して買った9800円のサンダルは見るも無残にぐちゃぐちゃに・・・
仕事もまったくクリエイティブさのかけらもなく、上司のファッカー山田に連れられて得意先に行ったのはいいが、仕事内容はカタログの「ダイレクドライブ」の「ド」の濁点をカッターで削り取る(校正漏れのためそのまま間違って上がってきてしまったようだ)というアナザーディメンジョンとも思える仕事。ストレスにより十円玉大のハゲが二つもできてしまう。もう見るも無残な職場である。
考えに考え転職することにした。次の転職先では中江滋樹似の社長にセクハラまがいのことを強要されやめてしまう。
そんな群ようこは本が大好きで、書店で偶然見つけた「本の雑誌」に衝撃を受ける。そして本の雑誌社の事務員の求人情報に応募してなんと採用されてしまう。
その当時、椎名誠はストアーズ社に勤めていたサラリーマンだったのだが、本の雑誌社をもっと大きくしたいという野望にも駆られていた。零細出版社にとって社員を一人雇うということは大きな決断だったのだが、給料3万円という薄給にも関わらず群ようこは「本の雑誌社」で働く決意をする。

当時本の雑誌社は配本部隊という書店に本を配るメンバーが存在し、その多くは学生アルバイトだった。群ようこはそこで学生の元締めのよーな存在であった。小さな出版社で人数もいないため、総務・経理的な仕事は全て自分でやらなければならなかった。全く以って急がしい日々だった。当時の本の雑誌社に寄せられる苦情の殆どは「予定通りに本が出版されない」という書店からのクレームだった。出版社として読者が本を待ち望んでいることは喜ばしいことなのだが、椎名誠と目黒考二は色んなところに飛び回りいないことが殆どなので全て自分で対応しなければならない。
そんな中、群ようこに転機が訪れる。忘年会であった西村かえでさんより書評を書いてほしいと依頼があった。その依頼を引き受けることになった際、本の雑誌社でペンネームを考えようという話しになった。目黒孝二は自分自身でも幾つかペンネームを持っており(北上次郎、群一郎、藤代三郎、車道郎など)その中のひとつである「群一郎」の一文字と「ようこ」を組み合わせて作られたのが、この「群ようこ」だった。ちなみに「ようこ」は目黒孝二の初恋の人の名前だそうだ・・・orz。
ある意味これで『別人「群ようこ」のできるまで』の幕を引いてもよいよーな気がするのだが、話しはまだまだ続いていく。外の出版社に向けて書評を書いていくにつれ、群ようこの才能にいやでも気づき始めた他社の出版社からも次第に執筆の依頼が来るようになった。結局忙しくなって「本の雑誌社」を退職することになったのだが、その後の活躍はみなさんご存知の通りです。

群ようこさんを含め、登場人物がかなり魅力的です。椎名誠さんのエッセイでもおなじみの沢野ひとしさんや木村晋介さんなども登場し、毎日が文化祭前日のようなドタバタな状態でこの本の雑誌が立ち上がった様子が臨場感と笑い溢れる独特の文体で綴られていて、何時読んでも同じところで笑ってしまう、そんな一冊です。

小説家の方は全ての経験が執筆のための材料になると思うのですが、群ようこさんの執筆されている本などを拝見しますと、かなり特異な人生を歩んで来られたようですが、それが上手く作品に活かされているなーと感じます。
群ようこさんの小説を読んでいると「いつも怒っている」よーな印象を受けます。負のエネルギーが彼女の執筆の原動力になっていると思うのは私だけでしょうか?
■他の方々のご意見:
本に包囲された日々 別人「群ようこ」のできるまで
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2006年03月01日

梶尾真治:「サラマンダー殲滅」 このエントリーをはてなブックマークに追加

サラマンダー殲滅〈上〉
梶尾 真治
朝日ソノラマ (1992/02)
サラマンダー殲滅〈下〉
梶尾 真治
朝日ソノラマ (1992/02)

りょーち的おすすめ度:お薦め度

こんにちは、錦織一清です(嘘です)(しかも何も知りません・・・)。

梶尾真治といえば、今でこそ「黄泉がえり」などで普通の人にも知られるようになった作家だが、10年ほど前はそんなことなく、一部のSFファンにしか認知されていなかったように思う。
そんな梶尾真治の作品の中でも、一押しは初期の頃に書かれたこの「サラマンダー殲滅」。復讐劇というわかりやすいテーマで古き良きSFの世界を体験できる素晴らしい作品です。もう、5回以上は確実に読んでいるのだが、何度読んでもよいっす。

惑星ヤポリスに住む神鷹静香は24歳の平凡な主婦。汎銀河聖開放戦線によるテロ行為により、愛する夫と娘と失った。そのショックで静香は精神的なダメージを受ける。静香の父、秋山題吾は静香に「生きる目的」を意図的に与えることで意識を取り戻させることに成功した。静香の生きる目的は「夫と娘を奪った汎銀河聖開放戦線へ復讐すること」だった。汎銀河聖開放戦線(汎銀戦)は犯罪者収容のための惑星タナトスで起きたクーデターにより生まれた独立国家であり、ならず者の集団だった。クーデターの指導者エネル・ゲを国家党首とした全宇宙的なテロ組織に静香は復讐をするという。
実際、普通の主婦に汎銀戦への復讐などできるわけがないのだが、秋山は念のために静香にある暗示を植えつけていた。それは、汎銀戦のメンバーの前では、右手と両足が動けなくなるというものだった。
そんな静香の元に見舞いにやってきたのは夏目郁楠だった。秋山が惑星防衛大学で教鞭をとっていたときの最優秀学生の一人で、静香にプロポーズをしたが振られたという経験がある。夏目は静香の夫が死んだことを知り、改めて静香にプロポーズをするのだ。静香はそれを受け入れるが、ひとつ条件をつけた。それは静香が汎銀戦へ復讐が終わると結婚してもよいというものだった。実質殆ど不可能なことだったのだが、夏目は静香の復讐を手伝うことになった。
夏目は静香を一人前の戦士にするため、静香と惑星メフィスへと旅立つことにする。同じ頃、ホテルのボーイの冴えない小男ラッツオは客の荷物を盗んでしまう。荷物には信じられないほどの大金と銃が・・・ 今までツキのなかった自分にもツキが回ってきたと思って小躍りしていたのだが、持ち主が悪かった。荷物の持ち主は汎銀戦で最も残虐な殺戮者、ア・ウンのものだったのだ。ラッツオはせしめた金で偽造パスポートと惑星メフィスへの切符を手にヤポリスからの脱出を図る。メフィス行きの宇宙船の席は夏目と静香の座る席の隣だった。
ヤポリス宇宙空港を出発した宇宙船は順調に軌道に乗ったかと思われたが、汎銀戦のメンバーにハイジャックされる。夏目の手によりハイジャック犯を捕えることができたが、事故により航空士が殺されてしまい操縦者のいない状態になっていた。この危機を救ったのがラッツオだった。ラッツオは宇宙船の乗り方を熟知しており自身も宇宙航空士を目指していたのだが身長が足りなかったため試験にパスできなかったのだ。ラッツオの見事な操縦により、宇宙船が無事メフィスへと着く。
メフィスについた夏目は大女のドゥルガーに静香を会わせる。ドゥルガーは元汎銀戦のメンバーだった。ドゥルガーは汎銀戦のシヴァというテロリストの片腕で、シヴァを男として愛していた。しかし、ある作戦でシヴァに裏切られ、それ以降ドゥルガーも汎銀戦へいつか復讐したいと考えていた。
静香は幾多の苦難を乗り越え戦士として必要な資質を身に着けた(ちょっと早くないか?)。その頃ホテルで働いているラッツオに恐ろしいメッセージが届けられる。ホテルの前にバラバラに千切られた死体と死体の血で壁に「ラッツオ。次はお前だ!」という恐ろしいメッセージが書かれていた。メッセージの送り主は勿論ア・ウンだ。身の危険を感じたラッツオは逃げようとしたが、辛くも逃げ切ることができた。しかし、ア・ウンは自らの復讐のためだけにこのメフィスに来たのではない。ヤポリスで起こったテロに続く汎銀戦の次なるターゲットはこのメフィスだった。ア・ウンの他にメフィスでのテロ活動を任されていたのはガスマンというテロリストで、実はこのガスマンこそ、ドゥルガーを裏切ったシヴァだったのだ。
静香と夏目とドゥルガーはラッツオと合流し、メフィスがテロのターゲットとなっていることを知り、それを回避させるべく行動した。ア・ウンの持ってきた爆弾を解体することが不可能と知った今、人のいない場所で爆発させるしかなかった。夏目の活躍により市街地で爆発させることは回避できたのだが、爆発によるテロよりも更に恐ろしいことが起こってしまった。
爆発による炎と煙により、メフィスに雲が現れ、雨が降り始めてしまったのだ。「雨が降ると何故恐ろしいのか?」有史以来メフィスには数度しか雨が降っていなかった。メフィスでは雨が降ると終末が訪れるといわれている。その理由は「飛びナメ」という恐ろしい生き物の存在だった。飛びナメは体長30cmくらいの巨大なナメクジのようなもので、身の回りのものをなんでも食い尽くすという凶暴な生き物である。普段は地中に卵があり、孵化することはないのだが、水分を得ることにより孵化することができる。地中にある無数の飛びナメの卵が夏目たちが作ってしまった雨雲による雨で孵化し始めたのだ。
惑星メフィスはパニックに陥った。夏目たちは飛びナメから逃れるため空き家に入り飛びナメから身を守っていたがそれも時間の問題だった。そして空き家と思われた部屋は実はサタジット・グレムの住居だった。サタジット・グレムはグレム財団の総帥であり、息子のエルンスト・グレムは惑星機構事務総長だった。しかし、エルンスト・グレムは「ヤポリス・サースディ」でのテロ行為により、汎銀戦に暗殺されていた。更に飛びナメからの攻撃と同時にガスマンからも攻撃されるはめになってしまう。ガスマンことシヴァの繰り出す破風五連銃の攻撃により、ドゥルガーの左腕はもぎ取られてしまう。静香は夏目から渡されたP・アルツ剤を口にし、シヴァと戦う。P・アルツ剤は静香の精神強制を解除する薬なのだが、これを口にしてしまうと今までの記憶が全てなくなってしまうのだ。静香の活躍により、ガスマンを仕留め、一同は安堵の息をつく。そして、これを機に静香たちは強大な力を持つサタジット・グレムを味方につけ、汎銀戦への復讐が現実的なものになってきた。
サタジット・グレムの協力者より汎銀戦の中心基地はバトルメント(砦)という恒星にあり、そこがサラマンダー(火竜)とよばれる汎銀戦のアジトであることがわかる。しかし、サラマンダーまでたどり着くためには1400度を越す高温の中を突き進む必要があった。静香たちは汎銀戦への復讐を成し遂げることができるのか?
そして、静香と夏目たちの周囲では別の事件が起こっていた。静香たちが去ったヤポリスで謎の空間溶解現象が発生していた。空間溶解現象を調査することになったヤポリス治安本庁のヨブ・貞永とラーミカ由井は調査の結果、神鷹静香が関係していることを突き止めた。空間溶解現象は、グレム邸で静香が服用したP・アルツ剤が原因となっていた。静香の記憶の消失と共にその空間までもが無くなっていたのだ。空間溶解現象を食い止めるべく、ヨブ・貞永とラーミカ由井は静香を追いヤポリスからメフィスへと旅立つ・・・

大まかなストーリーをあえて紹介した理由は、この「サラマンダー殲滅」の持つ「二流」の匂いのする空気を体験していただきたかったからだ。ここまで読んで「なんだ、こりゃ?」と思う方にはお薦めできない。しかし「おー、なんだかこの世界観、オモシロそうじゃん」と思われる方は是非一読いただきたい。あなたが感じている「二流SF」っぽいシーンが目白押しである。あえて「二流」と書かせていただいたがエンターテイメント度合いで言えば、超一級品である。

本書の読みどころはかなりいろいろある。非常に壮大な物語なのだが、その全てが読みどころと言っても過言ではない。汎銀戦討伐という大きな幹を中心に枝葉となる物語が綴られる。そしてその物語を彩る「往年のSFによく見受けられるベタな設定」。かなり長い小説ながら、最後までトップスピードで駆け抜けるように読まされる。

読後感も良く、日本のSF界でも当時、かなり注目された作品であり、日本SF大賞を受賞している。
日本SF大賞といえば、もうかなり権威のある賞である。いつも思うのだが、日本SF大賞の選考委員の審美眼というのは素晴らしい。所謂「SF」という概念を日本SF大賞自らが崩していくという型破り的な印象を受ける。受賞作を見ても、ヒューゴ賞やネビュラ賞に負けず劣らずの傑作が並んでいる。りょーちの既読のものだと、こんな人と作品が受賞している。

・小松左京:「首都消失」(第6回受賞/1985年)
・荒俣宏:「帝都物語」(第8回受賞/1987年)
・椎名誠:「アド・バード」(第11回受賞/1990年)
・梶尾真治:「サラマンダー殲滅」(第12回受賞/1991年)
・宮部みゆき:「蒲生邸事件」(第18回受賞/1997年)
・瀬名秀明:「BRAIN VALLEY」(第19回受賞/1998年)

椎名誠さんや宮部みゆきさんって一般的にSFとあまり関係なさそうな印象を受ける方もいらっしゃると思うのだが、受賞作を読んでみるとやはり立派に「SF」になっている。椎名誠さんはSFを読むのもかなり好きなようで、受賞作の「アド・バード」も非常に奇妙な独特の世界観を創出していて楽しい。
その中で「サラマンダー殲滅」は「これでもか」というほど「ベタ&ハードボイルド」な作品である。北方謙三がSF小説を書くとこんな感じになるんじゃなかろうか?(根拠のない推測)

1991/6/3〜6/21にNHKラジオドラマにもなっているらしい。 ラジオドラマってのがまた二流っぽくって良い。最近梶尾真治がメジャーになり、往年のSFファンとしては複雑な心境だが、またベタなSF作品を楽しみに待ってます。(褒め言葉ですよ!)
■関連サイト:梶尾真治著作リスト
■他の方々のご意見:
日々是狂乱: 『サラマンダー殲滅』(上・下)
グレフルbook サラマンダー殲滅/梶尾真治/ソノラマ文庫
コンバンハチキンカレーヨ再: 梶尾真治

posted by りょーち | Comment(2) | TrackBack(1) | 読書感想文
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